A233竪穴住居出土遺物分布図をヒートマップにしてみました。(カーネル密度推定の半径パラメータは1m)
上谷遺跡 A233竪穴住居 全出土物ヒートマップ
この竪穴住居も遺物出土が遺構中央部にありません。
ゴミ捨て場にゴミを投げ込んで捨てるならば、遺構中央部にゴミ(遺物)が集中するはずです。
しかしそうならないのは、遺物がゴミとして穴になげこまれたものではないことを物語っています。
東側隅に遺物集中域がみられるとともに、遺構中央部を意識的に除いて、遺構周辺部に遺物集中域が分布しています。
覆土層の下部からの出土が多い、「西」墨書土器のヒートマップを示します。
上谷遺跡 A233竪穴住居 「西」墨書土器ヒートマップ
遺構の東側にメインの集中域が存在します。
最後に鉄製品・鞴羽口のヒートマップを示します。
上谷遺跡 A233竪穴住居 鉄製品・鞴羽口ヒートマップ
鉄製品・鞴羽口はほとんどが床面から出土していて、この住居に由来する可能性が高いものです。
この分布の集中域の一つが遺構東隅付近となっています。
この住居の東隅の空間が住居がアクティブであった時から廃絶後覆土層堆積の時代まで特別の意味があったのかもしれません。
住居廃絶に際して東隅に継続してお供え物としての鉄製品、鞴羽口、「西」墨書土器、それ以外の土器を集中して埋めた(置いた、投げた)のだと思います。
住居廃絶後、住居の中央空間は祭壇等を置いたり、人が祈祷のために入ったりして、お供え物を埋める(置く、投げる)空間ではなかったと空想します。
A233竪穴住居の廃絶後に関する空想
0 件のコメント:
コメントを投稿