縄文土器学習 179
土器形式別出土遺跡分布図を縄文土器形式全部について順次作成し、主要土器形式の遺跡分布考察や土器形式変遷に伴う分布変化考察を行う予定です。
その際、次のような単純遺跡分布図でよいか疑問を持っています。
例 加曽利E式土器出土遺跡分布図
加曽利E式土器出土遺跡数は1251です。
例 加曽利E式土器出土遺跡分布図
必要な情報だけわかりやすく掲載していますから本来的に何ら問題はありません。
しかし、この分布図では情報価値が十分に引き出されていないように感じています。
千葉県の場合発掘された遺跡数は20130です。その分布図は次の通りです。
全遺跡分布図
1遺跡1灰色ドットであり、その透過率30%に設定しています。この縮尺ではドットが重なってしまい黒くなってしまっています。
全遺跡分布図
千葉県という広域レベルでみると台地部では発掘された遺跡が密集している様子がわかります。この全遺跡分布図から、例としてあげた加曽利E式土器出土遺跡分布図の分布の様子が特定の場所に偏在している(偏って分布している)ことがよくわかります。
発掘された遺跡20130のうち18879遺跡からは加曽利E式土器は出土していないのですから出土した1251遺跡の分布の様子は大変特殊で特異であることがわかります。非出土情報が背景にあるので加曽利E式土器出土情報の価値が大きなものであることがわかります。
発掘の大きな空白域はすでに解消されているですから、今後発掘情報が増えても加曽利E式土器分布の大要は変化しようがないと考えます。
このように考えると、全遺跡分布図を背景にした加曽利E式土器出土分布図をつくれば、出土情報の価値が高まると考えます。
早速つくってみました。
加曽利E式土器出土遺跡分布図 背景:全遺跡分布図
加曽利E式土器出土遺跡分布図 背景:全遺跡分布図
この分布図により、加曽利E式土器出土遺跡分布の様子と、それが出土しない遺跡との対比でよくわかります。単純分布図よりも分布図の意義・価値が高まると感じられます。
これからつくる土器形式別出土遺跡分布図には全遺跡分布図を背景図として添付するものとします。
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