縄文社会消長分析学習 126
有吉北貝塚北斜面貝層の土器群別出土平面分布の概要は既に検討しました。
2021.08.25記事「有吉北貝塚北斜面貝層の土器片分布 素分析」
しかし、第10・11群土器と第12群土器は密集の様子がドット図ではドットが重なり正確に表現できません。そこでこの2つについてヒートマップを作成して密集状況を把握しました。
1 第10・11群(加曽利EⅡ式 磨消以後)土器密集表現ヒートマップ
第10・11群(加曽利EⅡ式 磨消以後)土器密集表現ヒートマップ
【図の間違いは訂正しました。2021.09.14】
第10・11群(加曽利EⅡ式 磨消以後)土器出土分布図
赤~黄色の色で土器出土密集域が表現されています。よく見ると密集域は団子状に連なっています。
ガリー流路(普段は水はない)沿いで廃用大形土器を破壊してその場に堆積させる活動が繰り返し行われ、その活動跡が団子状に残ったと推定します。逆に考えると1つの団子状密集域はある期間のまとまった活動を表現していると推定します。団子状密集域は上流から下流に向けて発達したと考えられます。
ヒートマップはQGISで作成しました。
ヒートマップ作成の素となる分布図は次の通りです。
第10・11群(加曽利EⅡ式 磨消以後)土器出土分布図
【図の間違いは訂正しました。2021.09.14】
第12群(加曽利EⅢ~EⅣ式)土器出土分布図
第12群においても土器密集域が団子状に分布します。その場所は第10・11群密集域の下流域に該当し、かつ西側(図面上側)に移動しています。
ヒートマップ作成の素となる分布図は次の通りです。
第12群(加曽利EⅢ~EⅣ式)土器出土分布図
【図の間違いは訂正しました。2021.09.14】
第10・11群密集域の上流付近には第12群密集域はありません。もともと土器出土もほとんどありません。この様子から土器持ち込み破壊堆積活動は第10・11群の時期にはじまり、第12群の時期までつづいたことがわかります。また活動は上流から下流に向かって移動したことも判ります。さらに、おそらくガリー流路の位置が第12群の時期には西に移動したと推定します。
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