有吉北貝塚北斜面貝層出土同一土器について、その破片分布図をつくるための基礎資料を作成しました。個別土器についての名寄せ作業をしたことになります。
1 同一土器破片分布図作成用資料
北斜面貝層土器破片分布図は4枚の図面にわかれて記載されていますが、そこに掲載されている全土器番号をメッシュごとに整理して、土器番号からその分布情報を検索できる資料を作成しました。
同一土器破片分布図作成用資料(一覧表)Excel画面部分
同一土器破片分布図作成用資料(図面)illustrator画面部分
第2群土器(阿玉台Ⅰb式土器)から第12群土器(加曽利EⅢ式土器)までの185土器の破片分布図が作成可能になりました。
2 土器破片分布図の試作
ア 294土器と395土器破片分布図の正確性の確認
2021.09.21記事「同一土器破片の広域分布に気が付く うれしい誤算」で作成した294土器と395土器破片分布図の正確性を、今回作成した資料で確認しました。
294土器
294土器破片分布図
395土器
395土器破片分布図
イ 245土器(連弧文系土器)破片分布図
245土器
245土器破片分布図
ウ 246土器(連弧文系土器)破片分布図
246土器
246土器破片分布図
エ 339土器(加曽利EⅢ式キャリパー形土器)破片分布図
339土器
339土器破片分布図
3 感想
ア 断面図をまたぐ貝層層準の対比
185土器の破片平面分布図と破片投影断面図分布を対応させて、破片出土層準を略推定し、断面図をまたぐ層準対比図作成にチャレンジすることにします。(発掘調査報告書では断面図をまたぐ検討は行われていません。)
イ 土器片分布要因の検討
5土器の破片分布図を並べて観察するとガリー流路沿いに分布しています。今後、断面図に対応させて破片別に出土層準を略推定した資料を作成して、分布の意義について検討することにします。現時点では次のような2つの要因について検討になるのではないかと考えています。
土器片分布要因に関する可能性
1 どこかで土器が破壊され、その場所から出水時のガリー水流で流され、広域に分布するようになった。(主に自然営力で分布)
2 どこかで土器が破壊され、その破片を縄文人が流路沿いにばら撒いて歩いた。(主に人為活動で分布)
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