箕輪町郷土博物館令和3年度特別展「地味だけど推しの資料展」で展示された土偶型土鈴(箕輪町中山遺跡)を3Dモデルで観察しました。
1 土偶型土鈴(箕輪町中山遺跡) 観察記録3Dモデル
土偶型土鈴(箕輪町中山遺跡) 観察記録3Dモデル縄文時代中期
高さ4.3㎝
撮影場所:箕輪町郷土博物館令和3年度特別展「地味だけど推しの資料展」
撮影月日:2021.11.10
展示の様子
ガラスショーケース越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 82 images
3Dモデルの動画
2 発掘調査報告書の記述
この土偶型土鈴は昭和30年統合中学校新築工事中に出土したもので出土状況等は不明のようです。以下、「中山遺跡緊急発掘調査報告書」(昭和60年、箕輪町教育委員会)の該当箇所を抜粋します。
「3も同じく中山遺跡出土の土製品である。大きさは高さ4.3㎝で、上部は顔面で、下部は土鈴になっている。頭部をつまんで振るとカラカラと小さな音がする。胴部には、全体に三叉文様がつけられており、時代的には縄文中期中葉と思われる。形は小さいが非常にととのったものであり、鳴る子は、胴部に数個入っており、小石でなく粘土と思われる。顔のつくりは簡単であるが、非常に写実的で、目・鼻・口が彫られ、頭部の沈線は髪を表していると思われる。顔の表情は、とても親しみやすく、見る人をひきつける。県下においてもこの種の土製品は例が少なく、使用目的なども推測し難い。土鈴の発見はかなりの数に上っているので、それらと共通のものと考えられるが、宗教的使用の匂いが感じられる。」
実測図
写真
3 観察メモ
・例えば、「胴部を細長い葉などを丸めて作り、頭を乗せた手製おもちゃ」を模してつくった土偶型土鈴であるように想像します。
・顔つきが柔和であり、こどもがいる場面でつかう製品としてつくられたと想像します。
・顔は土偶や顔面把手付土器の顔面と同じ女神(母神)を表現していると想像します。
・乳児の高い死亡率を乗り越えて育つことを祈願する節目祭祀などで使われた「楽器」であると想像します。
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