2022年6月30日木曜日

釣手土器(北杜市姥神遺跡) 観察記録3Dモデル

 Vessel with handles for suspension (Ubagami Site,Hokuto City) Observation record 3D model


I observed the vessel with handles for suspension (Ubagami Site,Hokuto City) with a 3D model. It is a model that compares the pain of birth (severe pain in the birth canal) to burning with fire.


釣手土器(北杜市姥神遺跡)を3Dモデルで観察しました。産みの苦しみ(産道激痛)を火で焼かれることに例えている造形です。

1 釣手土器(北杜市姥神遺跡) 観察記録3Dモデル

釣手土器(北杜市姥神遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文時代中期後葉

撮影場所:山梨県立考古博物館令和4年度春季企画展「心を描く縄文人 -人面・土偶装飾付土器の世界-」

撮影月日:2022.06.01


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.506 processing 135 images

Vessel with handles for suspension (Ubagami Site,Hokuto City) Observation record 3D model

Late-Middle Jomon period

Location: Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Reiwa 4th Spring Exhibition “Jomon people who draw their hearts-The world of pottery with human face and clay figurines-“

Shooting date: 2022.06.01

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.506 processing 135 image


3Dモデルの動画

2 メモ

2-1 造形について

・土器正面造形は産道(丸い孔)とその周辺外陰部を表現していると考えます。

・孔の上にある小突起は陰核を表現していると考えます。

・産婦後ろから産婆役(夫かも)が両手で産道を広げている情景が描かれていると考えます。指の爪は3つしかえがかれていませんが、横からみると欠損部を含めて指は5本あります。

・この土器の趣旨は、産みの苦しみ(産道激痛)を火で焼かれることに例えている造形です。子どもを授かるためには火で焼かれるような苦痛を覚悟し、場合によってはそれにより死に至るという高リスクの活動であることを表現しています。

・この土器は出産覚悟(産みの苦しみの覚悟をしっかり持ち、それに立ち向かう精神力を養う)のための祈願土器だと考えます。広い意味での安産祈願ですが、狭義には苦痛忍耐力養成祈願であると考えます。

参考 5本の指で産道を広げている釣手土器

顔面付釣手形土器(伊那市御殿場遺跡)観察記録3Dモデル Incense Burner

2-2 3Dモデルの質の低さ

この3Dモデルは通常のショーケース内対象物3Dモデルと比べて品質が低くなっています。その理由はこの3Dモデルはこの土器を対象に撮影して作成した3Dモデルではないためです。ショーケース全体を3Dモデルとして記録するための撮影(簡易撮影)をして作成した3Dモデル(ショーケース全体の3Dモデル)の一部を切り取った3Dモデルのため、品質が悪くなっています。

3Dモデルの品質は悪いのですが、土器そのものに対する興味は強いものがありますので、記事として検討しました。


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