2022年6月21日火曜日

大型把手の人面装飾

 Human face decoration of large handle


I observed a deep pot-shaped pottery with a human face decoration (Ichinosawa Site,Fuefuki City) with a large handle using a 3D model. It is a unique pottery with a human face decoration that lacks eyes, nose, and mouth at the base of the handle.


大型把手を持つ人面装飾付深鉢形土器(笛吹市一の沢遺跡)を3Dモデルで観察しました。把手付け根に目・鼻・口を欠く人面装飾が付けられるという特異な土器です。

1 人面装飾付深鉢形土器(笛吹市一の沢遺跡) 観察記録3Dモデル

人面装飾付深鉢形土器(笛吹市一の沢遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉

展示説明:「把手の付け根部分外側に、目・鼻・口を欠く人面部分が存在しています。展示で正面に示した把手の正対する把手付け根にも同様の装飾がつけられており、合計2つの顔が描かれます。」

撮影場所:山梨県立考古博物館令和4年度春季企画展「心を描く縄文人 -人面・土偶装飾付土器の世界-」

撮影月日:2022.06.01


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.506 processing 208 images

Human face decoration pottery (Ichinosawa Site, Fuefuki City) Observation record 3D model

Mid-Middle Jomon period

Location: Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Reiwa 4th Spring Exhibition “Jomon people who draw their hearts-The world of pottery with human face and clay figurines-“

Shooting date: 2022.06.01

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.506 processing 208 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開図


GigaMesh Software Frameworkによる展開図

3 メモ

3-1 大型把手の人面装飾コーナー解説


大型把手の人面装飾コーナー

「多喜窪重文タイプ」と呼ばれる4単位の塔状把手が特徴的な大型土器にも、顔面がつくものがあります。これらの把手は、ヘビやイノシシを模した把手の中に顔面が描かれるような構図をとっており、それらが4つある把手と競合するような形で向かい合うなど、顔面把手とは少し違った物語構図を読み解けます。これらが何を意味しているのかは、はっきりとはわかりませんが、イノシシやヘビ、そして人ないし精霊的な存在が、彼(彼女)らの世界観の根幹を織りなしていることがわかります。」

3-2 感想

出産文土器が安産を祈願する道具とすれば、この土器は狩猟との関わりでみた自らの出自を物語っているのかもしれません。しかし、のっぺらぼうで人面を表現している意味が不明です。「狩猟の女神が生まれて、その女神の目・鼻・口を破壊して拷問して殺して野原にその体を撒いたら、イノシシ猟が豊猟となり、毒蛇(マムシ)に噛まれることも無くなった。その女神こそが我が部族の祖先である。」とでも言うような神話があったのでしょうか???


0 件のコメント:

コメントを投稿