2018年12月19日水曜日

千葉県遺跡分布地図帳 古墳時代遺跡分布 1

私家版千葉県遺跡DB地図帳 11 古墳時代遺跡分布 1

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)に古墳時代遺跡レコードは10484あります。
この記事ではその分布図を作成しました。古墳時代の時期別(前期・中期・後期)分布図は次の記事で掲載します。なお、参考として古墳時代の特色である遺跡に占める古墳等の割合のイメージを把握しました。

1 千葉県 古墳時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 古墳時代遺跡分布 057

2 千葉県中央部 古墳時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 古墳時代遺跡分布 058

3 参考 古墳時代遺跡の種別イメージ

千葉県古墳時代遺跡の種別イメージ

参考 古墳時代遺跡 種別「包蔵地・集落等」分布

参考 古墳時代遺跡 種別「古墳・横穴・やぐら」分布

参考 古墳時代遺跡 「包蔵地・集落等」と「古墳・横穴・やぐら」分布
「包蔵地・集落等」は○で、「古墳・横穴・やぐら」は十で表現しています。

4 メモ
・古墳時代遺跡数(密度)が全時代を通して最も多く(高く)なっています。
・谷津沿い台地縁が利用しつくされている印象を受けます。谷津沿い台地縁に遺跡が密集し、台地中央部に遺跡が少ないことから、古墳時代の生活・活動は谷津(小河川)と深い関わりを持っていたことが推察できます。
・時代別遺跡数では古墳時代が最も多くなっていますが、その理由として種別「古墳・横穴・やぐら」が6617含まれていることがあげられます。古墳時代だけに見られる顕著な特徴です。(種別検討は全時代について別途詳しく行います。)





2018年12月17日月曜日

千葉県遺跡分布地図帳 弥生時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DB地図帳 10 弥生時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)に弥生時代遺跡レコードは1376ありますが、そのうち725レコードに時期が記載されていますので、その分布図を作成しました。

1 弥生時代時期別遺跡数

千葉県 弥生時代時期別遺跡数
弥生前期と記載されたものは2遺跡、弥生終末期(末期)と記載されたものは8遺跡で大変少数になっています。弥生中期159→弥生後期659と遺跡数は4倍以上に急増しています。

2 弥生時代時期別遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 弥生時代前期遺跡分布 051

私家版千葉県遺跡DB地図帳 弥生時代中期遺跡分布 052

私家版千葉県遺跡DB地図帳 弥生時代後期遺跡分布 053

私家版千葉県遺跡DB地図帳 弥生時代終末期遺跡分布 054

私家版千葉県遺跡DB地図帳 弥生時代(時期未記載)遺跡分布 055

3 メモ
・弥生時代前期遺跡が2遺跡と少ない理由解明を重要な学習対象としたい思います。DBから弥生時代前期の顕著な遺跡がほとんど存在しないことは事実であると考えます。その背景に縄文社会崩壊に伴う人口急減があると想像しますが、それと同時に焼畑耕作など特定の場所に長期逗留しない移動生活が存在していたためであるのか(「千葉県の歴史 通史編 原始・古代1」)など興味を深めたいと思います。縄文社会から弥生社会への移行状況を自分なりにリアルに把握できるようにしたいと思います。
・弥生時代中期→後期に遺跡数が急増し、その分布が千葉県中部→北部に進んでいるように観察できます。開拓前線が北上しているように観察できます。後期になると印旛沼周辺や椿沼周辺に遺跡が急増します。

2018年12月16日日曜日

千葉県遺跡分布地図帳 弥生時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 9 弥生時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)から弥生時代遺跡を抽出してその分布図を作成しました。

1 弥生時代前後の遺跡数変遷
縄文時代遺跡で時期別に捉えられているものの数と弥生時代、及びその後の遺跡数を並べてみました。

千葉県弥生時代前後の遺跡数変遷
(グラフ一部訂正 2018.12.18)
縄文後期から晩期に遺跡数は2017→303と15%にまで減少し縄文社会が大崩壊した様子が遺跡数グラフから読み取れます。
縄文晩期303→弥生時代1376と弥生時代になると遺跡数は急増します。

2 千葉県 弥生時代遺跡分布

弥生時代遺跡分布 045

3 千葉県中央部 弥生時代遺跡分布

弥生時代遺跡分布 046

4 メモ
・縄文晩期→弥生時代で遺跡数が急増し、弥生時代の旺盛な活力が表現されています。その後の古墳時代→奈良平安時代へ地域が発展する礎ができたといえます。
・縄文晩期(あるいは縄文全期)遺跡の分布特性と弥生時代遺跡分布特性が異なります。遺跡分布特性の違いは狩猟採集社会と農業社会の違いに起因すると考えます。
・弥生時代遺跡が密集する地域は養老川、小櫃川、小糸川など河口部付近の谷津、印旛沼周辺の谷津、椿沼周辺の谷津など水利・地形条件からみて当時の技術レベルで対応可能な最適干拓地周辺の台地に位置しています。

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記事を修正しました。(2018.12.17)

参考 千葉県中央部縄文遺跡 時期別アニメ

私家版千葉県遺跡DB地図帳 8 千葉県中央部縄文遺跡 時期別アニメ

2018.12.15記事「千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 3」で作成した千葉県中央部の縄文時代遺跡時期別分布図のアニメをつくってみました。分布変化を直観的に観察するためのWEBならではの資料です。
早期→前期→中期→後期→晩期→早期→…という無限ループで2秒間隔のアニメです。

千葉県中央部 縄文時代遺跡時期別分布アニメ

千葉県中央部 縄文時代遺跡時期別分布

参考 2018.12.15記事のメモ
・早期遺跡分布と前期遺跡分布の様子がとても良く似ています。早期と前期では海岸線の位置が大いに異なり、また定住化の進展も大きく異なっていたと考えられます。そうした自然環境や社会の様子が大きく異なるにもかかわらず、遺跡分布が略一致するという現象は強い興味対象として捉えることができます。
・前期遺跡分布と中期遺跡分布をくらべると中期では遺跡数が急増します。前期遺跡の分布域は谷津出口付近の崖上の台地面に多くみられますが、中期遺跡は谷津奥深くまでの崖上台地面に分布が広がります。生活の場として好適な崖上台地面は利用しつくしているという印象を受けます。
・中期遺跡分布と後期遺跡分布をくらべると、後期遺跡は凝集して分布する様相に変化していると捉えることができます。中期に遺跡が一様に面的に分布していた空間が後期になると遺跡密集空間と疎空間に分離するような印象を受けます。
・後期遺跡密集域(凝集域)は地域社会ネットワーク(村?)に対応するかもしれないという仮説が脳裏をかすめます。
・中期遺跡分布空間構造と後期遺跡分布空間構造は明らかに異なります。
・晩期になると遺跡数は急減します。残存する遺跡は後期遺跡密集域の究極の終着点であるような印象を受けます。
・遺跡の時期と種別をクロスして集計し、その分布をみればさらに詳しい縄文社会変化の様子を知ることができると考えます。

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画像を訂正するとともに地図記号を大きくしました。(2018.12.18)

2018年12月15日土曜日

千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 3

私家版千葉県遺跡DB地図帳 7 縄文時代遺跡分布 3

2018.12.13記事「千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 2」で作成した縄文時代遺跡時期別分布図から千葉県中央部を抜き出して地図にし、詳しく観察できるようにしました。

1 私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代遺跡時期別分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代草創期遺跡分布 056

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代早期遺跡分布 033

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代前期遺跡分布 035

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代中期遺跡分布 037

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代後期遺跡分布 039

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代晩期遺跡分布 041

参考 晩期遺跡の名称

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代(時期未記載)遺跡分布 043

2 メモ
この記事では詳しい縄文時代遺跡変遷検討は行わず、遺跡分布変遷から直観できる事象をメモしておきます。
・早期遺跡分布と前期遺跡分布の様子がとても良く似ています。早期と前期では海岸線の位置が大いに異なり、また定住化の進展も大きく異なっていたと考えられます。そうした自然環境や社会の様子が大きく異なるにもかかわらず、遺跡分布が略一致するという現象は強い興味対象として捉えることができます。
・前期遺跡分布と中期遺跡分布をくらべると中期では遺跡数が急増します。前期遺跡の分布域は谷津出口付近の崖上の台地面に多くみられますが、中期遺跡は谷津奥深くまでの崖上台地面に分布が広がります。生活の場として好適な崖上台地面は利用しつくしているという印象を受けます。
・中期遺跡分布と後期遺跡分布をくらべると、後期遺跡は凝集して分布する様相に変化していると捉えることができます。中期に遺跡が一様に面的に分布していた空間が後期になると遺跡密集空間と疎空間に分離するような印象を受けます。
・後期遺跡密集域(凝集域)は地域社会ネットワーク(村?)に対応するかもしれないという仮説が脳裏をかすめます。
・中期遺跡分布空間構造と後期遺跡分布空間構造は明らかに異なります。
・晩期になると遺跡数は急減します。残存する遺跡は後期遺跡密集域の究極の終着点であるような印象を受けます。
・遺跡の時期と種別をクロスして集計し、その分布をみればさらに詳しい縄文社会変化の様子を知ることができると考えます。

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一部地図を訂正するとともに全部の地図の記号を大きくしました。(2018.12.18)

2018年12月14日金曜日

参考 縄文時代遺跡時期別分布アニメ

私家版千葉県遺跡DB地図帳 6 参考 縄文時代遺跡時期別分布アニメ

2018.12.13記事「千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 2」で千葉県縄文時代遺跡の時期別分布図を作成しましたが、その分布変化はアニメを使うとより直観的に把握できますので追加参考としてアニメを掲載します。WEBならではの分布図観察となります。
早期→前期→中期→後期→晩期→早期→…という無限ループで2秒間隔のアニメです。


縄文時代遺跡時期別分布アニメ
(2018.12.17訂正)


縄文時代遺跡時期別分布
(2018.12.17訂正)

参考 2018.12.13記事のメモ抜粋
・早期→前期で遺跡高密度分布域が東→西、南→北に移動するように観察できます。
・前期→中期で遺跡高密度分布域が西→中央部に移動するような様子が見えます。
・中期→後期で遺跡分布が各所で凝集して密な部分と疎な部分に分かれるような印象を受けます。
・後期→晩期で遺跡数が急減しますが、晩期遺跡分布は等間隔的印象をうける疎ら分布であり、後期に各所で凝集した遺跡高密度域の究極の終着段階のような印象を受けます。

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地図画像を修正しました。(2018.12.17)

2018年12月13日木曜日

千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DB地図帳 5 縄文時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)のうち縄文時代遺跡6680レコードを対象に時期別分布図を作成しました。

1 縄文時代時期別遺跡数

縄文時代時期別遺跡数
(2018.12.17訂正)
草創期遺跡は6遺跡にとどまります。縄文時代草創期遺跡がこの6遺跡以外に千葉県に存在することは後出掲載資料で確認できます。
早期の方が前期より遺跡数が少しだけ多くなっています。中期になると遺跡数が急増します。後期には若干遺跡数が減少しますが早期、前期より高い値を示します。晩期になると遺跡数は急減します。

2 私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代遺跡時期別分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代草創期遺跡分布 019
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代早期遺跡分布 021

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代前期遺跡分布 023
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代中期遺跡分布 025
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代後期遺跡分布 027
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代晩期遺跡分布 029

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代(時期未記載)遺跡分布 031
(2018.12.17訂正)

3 千葉県縄文時代草創期遺跡例
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)掲載事例に縄文時代草創期遺跡事例として次の13遺跡の詳しい情報が掲載されています。

「千葉県の歴史資料編」縄文時代草創期遺跡
千葉県では旧石器時代→縄文時代草創期→縄文時代早期と途切れることなく原始人の生活・活動が存在していて、それらの遺跡が時間連続的に存在していると推察できます。

4 メモ
・早期→前期で遺跡高密度分布域が東→西、南→北に移動するように観察できます。遺跡高密度分布域の変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・前期→中期で遺跡高密度分布域が西→中央部に移動するような様子が見えます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・中期→後期で遺跡分布が各所で凝集して密な部分と疎な部分に分かれるような印象を受けます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・後期→晩期で遺跡数が急減しますが、晩期遺跡分布は等間隔的印象をうける疎ら分布であり、後期に各所で凝集した遺跡高密度域の究極の終着段階のような印象を受けます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・千葉県縄文時代時期別遺跡分布図はこの記事掲載地図が最初であり、過去には存在していないと考えますので、学習素材として大きな価値があると考えます。

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記事を修正しました。(2018.12.17)

2018年12月12日水曜日

千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 1

私家版千葉県遺跡DB地図帳 4 縄文時代遺跡分布 1

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)のうち縄文時代遺跡は6680レコードあります。この記事では縄文時代遺跡レコード全部を地図にプロットして分布図を作成してみました。縄文時代を草創期、早期、前期、中期、後期、晩期に区分した分布図は次の記事で掲載します。

1 私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代遺跡分布 015

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代遺跡分布 016

2 私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代遺跡分布 17

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 縄文時代遺跡分布 18

3 参考 旧石器時代遺跡分布と縄文時代遺跡分布の対照図

旧石器時代遺跡分布と縄文時代遺跡分布の対照図 千葉県

旧石器時代遺跡分布と縄文時代遺跡分布の対照図 千葉県中央部

4 メモ
・縄文時代遺跡は下総台地とそれに連なる上総台地に集中的に分布します。
・巨視的にみた縄文時代遺跡分布は旧石器時代遺跡分布と類似します。この巨視的分布同一性は旧石器時代人と縄文時代人が狩猟民としての同じ心性をもち、縄文時代における生活の場選定が狩猟と深くかかわっていたためであると推測します。
・しかしミクロにみると、旧石器時代遺跡分布が崖の急な下総台地外縁部(東京湾水系や九十九里水系、印旛沼水系等によって浸食が激しい場所)に集中するのに対し、縄文時代遺跡分布は浅い谷が発達する台地中央部にも分布域が広がっています。この分布の違いは縄文時代になると狩猟以外に漁労や採集活動がメイン生業にくわわり、同時に定住化がすすみ、人口が増えたことと対応すると考えます。
・縄文時代になると沖積地に活動の場が広がる限定的現象もみられ、沖積地遺跡がみられるようになります。(九十九里地域など)
・房総半島南部つまり山地域における縄文遺跡分布は旧石器時代遺跡とくらべると増大していますが、旧石器時代と同じく下総台地と比べて遺跡密度は著しく小さくなっています。

2018年12月10日月曜日

参考 旧石器時代遺跡ヒートマップ(カーネル密度推定)

2018.12.08記事「千葉県遺跡分布地図帳 旧石器時代遺跡」で参考として日本列島の旧石器時代遺跡地図を作成しました。出典は日本旧石器学会データベース「日本列島の旧石器時代遺跡」全データであり、それを地図にプロットしたものです。
この記事ではその続きで、同じ素データから日本列島旧石器時代遺跡ヒートマップ(カーネル密度推定)を作成してみました。
ヒートマップとは遺跡が密集しているところを特定の色で示したイメージ地図です。今回は半径0.05度(半径凡そ5㎞程度)のバッファの重なり具合の疎なところが黄色、密なところが赤→黒で表現しています。

旧石器時代遺跡分布 7 ヒートマップ(カーネル密度推定)
ヒートマップのつながりから旧石器時代人の移動の様子などを考察することがより直観的にできるようになると考えます。

旧石器時代遺跡分布 8 ヒートマップ(カーネル密度推定)

旧石器時代遺跡分布 9 ヒートマップ(カーネル密度推定)

旧石器時代遺跡分布 10 ヒートマップ(カーネル密度推定)+旧石器時代石材産地地図
旧石器時代石材産地地図(「房総と房総周辺の石材産地」(出典「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行))とヒートマップを重ねると、関東の旧石器時代人が神津島や伊豆半島・長野をふくめた関東山地をひろくギャザリングフィールドとして活用していることが直観できます。その距離は遠いところで200㎞も離れていて旧石器時代人の移動生活・交流活動の広域性に驚きます。

旧石器時代遺跡分布 11

旧石器時代遺跡分布 12





2018年12月8日土曜日

千葉県遺跡分布地図帳 旧石器時代遺跡

私家版千葉県遺跡DB地図帳 3 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)を時代別に区分して、そのうち旧石器時代遺跡の分布図を作成しました。

1 千葉県時代別遺跡数

千葉県時代別遺跡数
注)「古代」は内書きに弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安を含まないもの、「中世」は内書きに鎌倉、室町、安土桃山、戦国を含まないもの、「近世」は内書きに江戸を含まないもの、「近代」は内書きに明治を含まないもの。

一つの遺跡が複数の時代にまたがる場合が多く、遺跡数の総計は実際の遺跡サイト数を大幅に上回ります。

2 私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布 011

私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布 012

3 私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布 013

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布 014

4 参考 日本列島の旧石器時代遺跡分布
参考として日本旧石器学会データベース「日本列島の旧石器時代遺跡」全データを地図にプロットしてみました。

旧石器時代遺跡分布 1

旧石器時代遺跡分布 2

旧石器時代遺跡分布 3

旧石器時代遺跡分布 4

旧石器時代遺跡分布 5

旧石器時代遺跡分布 6

5 メモ
・台地と低地を区分する崖付近に旧石器時代遺跡が集中して分布しています。その特性は関東平野全体の旧石器時代遺跡分布をみるとより明瞭に把握できます。
・旧石器時代人は台地と低地を区分する崖を利用して狩をしていたと考えます。
・台地を徘徊する動物を集めて追い、崖から落として仕留める狩の様子を空想します。
・狩の後、崖下水場で獲物を解体し、崖上で干し肉作成、皮のなめしなどを行い、次の狩場に向かうまでの間の休息をとる、そのような崖上活動の跡が旧石器時代遺跡であると考えます。