2023年11月20日月曜日

バチカン市国のシスティーナ礼拝堂天井画を観覧

 See the ceiling paintings of the Sistine Chapel in Vatican City


I obtained a stamp for the ceiling painting of the Sistine Chapel in Vatican City (by Michelangelo) at a stamp shop in Venice. Since photography is prohibited, I enjoy using the stamp designs as a substitute for photos.


15年ぶりにバチカン市国システィーナ礼拝堂天井画(ミケランジェロ)を観覧しました。キリスト教徒でなくても感動する大作です。撮影禁止となっているので、その天井画を図案とするバチカン市国切手をイタリアで入手して、感動をいつでも味わえるようにしました。

1 システィーナ礼拝堂天井画(ミケランジェロ)


ノアの大洪水 2連刷切手

バチカン市国1994年発行


原罪と楽園追放 2連刷切手

バチカン市国1994年発行


アダムの創造 2連刷切手

バチカン市国1994年発行


日と月と草木の創造 2連刷切手

バチカン市国1994年発行

2 ベネチァの切手コイン店でバチカン市国切手を購入

バチカン市国システィーナ礼拝堂観覧の際に、ミュージアムショップで天井画を図案とする切手購入を狙っていました。わざわざバチカン市国切手の販売カタログページを切り取って持参していました。しかし参加ツァーではミュージアムショップに寄ることがなく、狙いは見事に外れました。

その後、ベネチァのサンマルコ広場を観覧している時、広場の一角に切手コイン店を発見して、飛び込みました。バチカン市国切手をメインにイタリア切手やサンマリノ切手が置いてあります。どれもこれも全部ほしくなりますが、システィーナ礼拝堂天井画と側壁画のセットと天井画の人物部分だけの切手シリーズを購入しました。


ベネチァサンマルコ広場の切手コイン店

値段はシスティーナ礼拝堂天井画と側壁画のセットが40ユーロで、日本での販売価格の約7割でした。


日本の切手店販売カタログページとベネチァで購入したセット

イタリアで購入できなければ、日本で購入できる商品です。しかし、折角出かけたイタリアで趣味の切手を購入するという体験ができてよかったです。「はじめての買い物」を後期高齢者の自分が楽しむとは、愉快なことです。


webページを見ていると、この切手コイン店(DEGANI)の前の道路敷大理石に大きなアンモナイト化石断面が観察できるそうです。私は切手に目も気持ちも集中していて、折角のアンモナイト化石を見落としました。


2023年11月19日日曜日

イタリア旅行で北半球中高緯度ゾーンを全周する

 Travel to Italy and travel around the middle and high latitude zones of the Northern Hemisphere


I went abroad for the first time in four years. Over the course of four years, my physical strength and mental acuity diminished, and I was worried about whether I would be able to endure the trip, but somehow I did.

On the round trip, I was able to experience the entire circumference of the northern hemisphere's middle and high latitude zones, which made me feel like I had gained something.


久しぶりに老夫婦でイタリア観光旅行10日間(H旅行社企画ツアー)に参加してきました。多い年では年4回海外に出かけていたのですが、コロナで2019年秋のブルガリア・ルーマニア旅行を最後に丸4年間海外旅行から遠ざかっていました。

4年間で夫婦ともに体力と知力が減衰し、海外旅行に耐えられるか心配しながらの旅行となりましたが、なんとか帰って来ることができました。

4年ぶりの海外旅行、15年ぶりのイタリア旅行の印象を幾つかメモして、旅行の楽しさを反芻して、もう一度楽しむことにします。

この記事ではイタリアではなく、経由地であるドイツまでの飛行機航路についてメモします。

1 ルフトハンザドイツ航空0715便と0716便の略航路

ルフトハンザドイツ航空0715便と0716便の略航路

0715便 羽田→ミュンヘン 2023年11月9日搭乗

0716便 フランクフルト→羽田 2023年11月17日搭乗

※グリーンランド付近の航路ギザギザはBlenderUV球の仕様による。実際はなめらかな航路です。


平面図

3DF Zephyr v7.507でアップロード


ルフトハンザドイツ航空0715便と0716便の略航路画像

2 メモ

ロシア上空は通過しないことは判っていたのですが、経由地のドイツまでどのような航路をとるのか乗ってみてはじめて知りました。

往路(羽田-ミュンヘン)は太平洋を北上してカムチャッカ半島の沖を通り、ベーリング海峡を抜けてアラスカ上空に入ります。その後グリーンランド上空から大西洋を横断してスカンジナビアを通過してミュンヘンに到着しました。飛行時間は14時間30分です。これまで自分が体験した中で最も長い搭乗時間かもしれません。エコノミー席が牢獄のように感じてしまいます。


太平洋を進む飛行機


グリーンランド付近を進む飛行機


グリーンランド付近の日の出と機体

復路(フランクフルト-羽田)はバルカン半島から黒海上空-カスピ海上空-カザフスタン-新疆ウィグル自治区-北京-韓国を通って日本海から列島を横断して羽田に到着です。飛行時間は12時間45分です。帰国便という心理的様相も絡み、「あっという間」に到着してしまい、あっけなく旅行は終了しました。


フランクフルト-羽田の航跡

今回の旅行はイタリア本論だけでなく、北半球中高緯度ゾーン全周という体験をすることができ、何か得をしたように感じました。



2023年11月6日月曜日

ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル

 Interference color terrain near Pompeii ruins 3D model


The texture of the 3D model of the terrain near the Pompeii ruins created using the DEM-Net Elevation API was mixed with an interference color elevation map to make the terrain easier to see. You can also tell from the color that the ruins are located on a low hill in the channel of the pyroclastic flow of Vesuvius Volcano.


DEM-Net Elevation APIで作成したポンペイ遺跡付近の地形3Dモデルのテクスチャに干渉色標高図をミックスして、地形を見やすくしました。ベスビオス火山火砕流の流路部分にあたる背の低い丘の位置に遺跡が位置することが色でも判ります。

1ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル

ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル

垂直倍率×3

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Mesh reduction: geometry3Sharp (GradientSpace, Ryan Schmidt) BSL 1.0 License - https://github.com/gradientspace/geometry3Sharp/blob/master/LICENSE

Digital Elevation Model: SRTM_GL3 OpenTopography - https://opentopography.org/

Imagery: MapTiler Cloud Satellite - https://www.maptiler.com

Interference color elevation map: Map Art Labo - https://ymd5022002.github.io/map-art-jp/


ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル画像


ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル画像


ポンペイ遺跡付近干渉色地形3Dモデル動画

2 感想

地形3Dモデルのテクスチャ(航空写真)に干渉色標高図テクスチャをミックスすることによって地形をより模式的直観的に理解できるようになります。ポンペイ遺跡、ベスビオス火山、ナポリ、カプリ島、アマルフィ海岸などの位置関係がよくわかります。

世界中の精細地形3Dモデル作成機能・情報を無償で公開しているDEM-Net Elevation APIに感謝します。干渉色標高図作成ツールを無償で公開しているやまだこーじさんに感謝します。


ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル

 Pompeii ruins terrain 3D model


A 3D model of the terrain near the Pompeii ruins was created using DEM-Net Elevation API. It can be seen that the ruins are located in the channel of the pyroclastic flow of Vesuvius Volcano.


ポンペイ遺跡付近の地形3DモデルをDEM-Net Elevation APIで作成しました。ベスビオス火山火砕流の流路部分に遺跡が位置することが判ります。

1ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル

ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル

垂直倍率×3

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Mesh reduction: geometry3Sharp (GradientSpace, Ryan Schmidt) BSL 1.0 License - https://github.com/gradientspace/geometry3Sharp/blob/master/LICENSE

Digital Elevation Model: SRTM_GL3 OpenTopography - https://opentopography.org/

Imagery: MapTiler Cloud Satellite - https://www.maptiler.com


ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル画像


ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル画像


ポンペイ遺跡付近地形3Dモデル動画

2 感想

この地形3Dモデルでポンペイ遺跡、ベスビオス火山、ナポリ、カプリ島、アマルフィ海岸などの位置関係がよくわかります。

世界中の精細地形3Dモデル作成機能・情報を無償で公開しているDEM-Net Elevation APIに感謝します。


2023年11月2日木曜日

大膳野南貝塚学習の再開

 Daizenno Minami Shell Mound learning resumes


I decided to have a learning exchange with the Oyumino History Enthusiast Association on the theme of the Daizenno Minami Shell Mound. Therefore, I will restart the Daizenno Minami Shell Mound study. In this shell mound, the Moroiso-style pottery group and the Ukishima-style pottery group formed a community in the latter half of the early period. In this shell mound, from the end of the middle to late period, there are pit dwellings in which stucco and shell layers have been excavated, and pit dwellings in which such materials have not been excavated. It is very interesting to observe this phenomenon.


おゆみ野歴史愛好会と大膳野南貝塚をテーマに学習交流することになり、大膳野南貝塚学習を再開します。この貝塚では前期後葉に諸磯式土器集団と浮島式土器集団が共同社会をつくりました。中期末から後期には漆喰・貝層が出土する竪穴住居と出土しない竪穴住居が併存するという興味深い事象が観察できます。

1 大膳野南貝塚学習の経緯

私は、大膳野南貝塚学習を2016年12月~2018年5月の間に熱心に行いました。大膳野南貝塚発掘調査報告書のpdf版を利用できたからこそ実現した学習です。

※大膳野南貝塚発掘調査報告書は現在全国遺跡報告総覧で公開されています。

大膳野南貝塚発掘調査報告書

学習結果は中間とりまとめをしました。

大膳野南貝塚学習の中間とりまとめ(A4判62ページ)

とても僥倖なことですが、なんと、この中間とりまとめを千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人様に添削していただく機会がありました。千葉市埋蔵文化財行政の枢要な役職にあり、日本の貝塚研究の先頭を走る多忙極まる西野雅人様に、専門家でもなんでもない私の学習メモを添削していただき、心から感謝し御礼する次第です。

このたび、おゆみ野歴史愛好会の皆様と大膳野南貝塚をテーマに学習交流することになりました。そこで、西野雅人様添削を踏まえて中間とりまとめを踏み台にして学習を発展させ、その学習成果を学習交流に持ち込むことにしました。

2 大膳野南貝塚の概要

「大膳野南貝塚の発掘調査により、旧石器時代、縄文時代、古墳時代、平安時代、中・近世、現代の戦争関連遺構など、多岐にわたる時代の遺跡が発見された。

 旧石器時代についてはⅣ・Ⅶ・Ⅸ層で文化層が確認され、それぞれの文化層でブロックが検出された。縄文時代早期では炉穴、陥し穴が検出された。

 縄文時代前期については諸磯b(浮島Ⅰ~Ⅱ)式期の拠点的集落が検出された。千葉市域および隣接する市原市域をあわせても、当該期集落としては最大級の規模である。また、多量の獣骨を伴う大型住居の発見は特筆されよう。

 縄文時代中期末~後期については、堀之内1式期を主体時期とする貝塚を伴う環状集落の全貌をほぼ明らかにすることが出来た。とくに新知見となる縄文時代における「漆喰」を使用した遺構(漆喰貼床住居、漆喰炉など)の発見は特筆されよう。また、廃屋墓(複葬・単葬)、小児土器棺、土坑墓などから、合計30体の人骨が出土した。縄文時代の遺物については、総量で824箱を数える多種多様な遺物が出土したが、中でもJ105号住(堀之内1式期)から出土した鯨骨製骨刀は注目に値する。

 古墳時代では終末期の方墳、古代では平安時代前期集落、中・近世ではシシ穴関連遺構の可能性がある溝状遺構と陥し穴状の土坑、現代の戦争関連遺構としては陸軍照空部隊の探照灯車用通路と推定される切り通し状の遺構が発見された。」(大膳野南貝塚発掘調査報告書掲載要約)

3 興味を深めたい主な学習項目

次の学習項目について特に興味を深めたいと考えています。

3-1 縄文早期の炉穴、陥穴

縄文早期の炉穴、陥穴の様子を把握し、そのデータからどのようなことが判るか(想像できるか)思考してみることにします。


陥穴と炉穴分布

3-2 縄文前期後葉における諸磯式土器集団と浮島式土器集団の共同社会

縄文前期後葉において大膳野南貝塚で営まれた諸磯式土器集団と浮島式土器集団の共同社会の様子を詳しく知り、2集団の関係実態に迫りたいと思います。


主体土器形式分布

3-3 縄文中期末~後期における竪穴住居における漆喰・貝層有無の意義

縄文中期末~後期における竪穴住居は漆喰・貝層が出土するものと出土しないものに2分類することができます。竪穴住居における漆喰・貝層出土の有無がどのような意義を有するか、検討します。


竪穴住居における漆喰・貝層出土の有無

また屋外漆喰炉の意義について検討を深めたいと思います。

4 遺跡・遺構・遺物の3Dモデル

中間とりまとめ(2018年7月)以降に大膳野南貝塚に関連して次のような3Dモデルを作成してきました。

・大膳野南貝塚の地形(開発前の復元地形)3Dモデル(旧版都市図から作成)

・炉穴3Dモデル(挿図から作成)

・屋外漆喰炉3Dモデル(挿図から作成)


屋外漆喰炉3Dモデルの様子

・イノシシタブレット3Dモデル(展示物からフォトグラメトリで作成)

・アワビ3Dモデル(展示物からフォトグラメトリで作成)


祭具と考えられる巨大アワビの3Dモデル

学習交流ではこれらの3Dモデルも紹介し、大膳野南貝塚に関する理解を皆様と一緒に深めたいと考えます。


干渉色標高図でイタリアと日本の地形を比較してみる

 Comparing the topography of Italy and Japan using interference color elevation maps


I created a 3D model of the same scale terrain of Italy and Japan using the Geographical Survey Institute Map and compared them using the interference color elevation map (invented by the Map Art Labo) as a texture. I would like to know about Italy's topography, but the topographical characteristics of Japan also come to mind.


干渉色標高図(地図アート研究所発明)をテクスチャとするイタリアと日本の同縮尺地形3Dモデルを地理院地図で作成し、比較してみました。イタリアの地形を知りたいのですが、日本の地形特性も浮かび上がってきてしまいます。

1 干渉色標高図でみるイタリアと日本の地形3Dモデル

干渉色標高図でみるイタリアと日本の地形3Dモデル

干渉色標高図は地図アート研究所(所長やまだこーじさん)の発明ソフトである干渉色標高図作成ツールで作成しました。

地形3Dモデルは地理院地図のツール→3D→小→垂直比率10倍で作成し、さらにBlenderで垂直比率30倍に調整しました。

イタリア3Dモデルと日本3Dモデルの縮尺、垂直比率、干渉色標高図色味は同一です。


干渉色標高図でみるイタリアと日本の地形3Dモデル画像


干渉色標高図でみるイタリアと日本の地形3Dモデル動画

2 メモ

イタリアの地形を知りたいのですが、イタリアの地形3Dモデルを見ただけではその規模や特性が判らないので日本の地形3Dモデルと並べて見ました。

ポー川平野が関東平野などと比べ物にならない広さであることにはじめて気が付きました。(ポー川平野面積7.5万㎢、関東平野1.7万㎢)

イタリアの地形特性を知るということは日本の地形特性も知るということであり、いままで当たり前と思っていた日本地形特性も浮かび上がってきてしまいます。

干渉色標高図作成ツールは標高差の大きさに応じて色繰り返し回数を変更できるので、とても便利です。やまだこーじさんに感謝します。

地理院地図で簡易な地形3Dモデルを地球全部で作成できるので便利です。


2023年11月1日水曜日

2023年10月ブログ活動のふりかえり

 October 2023 blog activity review


I looked back on the October 2023 activities of my blog 'Walking along the Hanami River Basin'.

In October, I was busy working on digitizing the artifact register of the shell layer on the north slope of the north slope of the Ariyoshi-Kita Shell Mound and conducting preliminary data analysis. Starting with the October activity, I looked ahead to the process of compiling and analyzing all of the excavation documents into a database over the next two years, and gained confidence in the significance of the activity.


ブログ「花見川流域をあるく」の2023年10月活動をふりかえりました。

10月活動は有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳電子化作業とデータ予察分析に明け暮れました。10月活動を端緒として、今後2年間を予定する発掘原票全部のデータベース化と分析活動の道筋を展望し、活動意義について自信を深めました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2023年10月の記事数は11です。

・294番土器破片の3D空間分布について、発掘調査報告書由来情報による3Dモデルと遺物台帳由来情報による3Dモデルを作成して比較分析しました。

・遺物台帳全部と遺物分布図全部を電子化しデータベース化するビッグプロジェクトの計画を策定しました。

・遺物台帳の最初1冊を電子化し、そのデータを3D空間のなかで予察的に分析しました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を5編書きました。

3 2023年10月活動の特徴

・遺物台帳の画像をみながら、それを全部Excelに入力するという超原始的作業に明け暮れました。現在のところ手書き文字をOCRで電子化する作業には成功していません。

・単純な電子化作業とその結果の手作業による分析作業に趣味時間のほとんどを捧げました。従って、ブログ記事数はブログ開始以来の最低レベルとなりました。

・ブログ記事を書くということは、その作業の中で、画像を処理したり、思考を深めたりします。つまり自分にとって至福の時間を過ごすことができるのです。その楽しさを犠牲にして、10月は無味乾燥な単純入力作業に明け暮れました。しかし、その結果、今後の作業分析の道筋を確認し、活動の意義について自信を深めることができました。苦しい10月でしたが、今後の2年間の活動を展望できたので、結果として強い充実感を獲得しました。

4 2023年11月活動の展望

・12月におゆみ野歴史愛好会の皆様と学習交流することになりました。そのため11月、12月はその交流のための準備学習を優先して行うこととします。学習テーマは大膳野南貝塚です。準備学習の様子をブログ記事で実況中継することにします。

※大膳野南貝塚学習は2016年12月から2018年5月に行い、2018年7月に中間とりまとめを行っています。

大膳野南貝塚学習の中間とりまとめ

・有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳入力作業は12月以降としますが、大膳野南貝塚学習との関連で有吉北貝塚(の集落の様子)についても学習を深める予定です。

・久しぶりに海外旅行(イタリア旅行)をしますので、考古趣味とか風景とか切手とかに関して面白いことがあれば記事にする予定です。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2023年10月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2023年10月記事


2023年10月にSketchfabに投稿した3Dモデル


2023年10月にYouTubeに投稿した動画


2023年10月にブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2023年10月28日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳のデータベース化の第1歩 その3

 The first step in creating a database of the artifact register related to the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound   Part 3


The density of artifacts excavated from the shell layer (number of artifacts/㎥) was calculated for each 2m x 2m mesh at an altitude of 0.5m and displayed in 3D space. This material is significant in that it allows us to confirm the uneven distribution of artifact density in 3D space.


貝層から出土した遺物の密度(遺物数/㎥)を2m×2mメッシュ毎に標高0.5m刻みで算出して、3D空間に表示しました。この資料は遺物密度の3D空間偏在性を確認できるという意味で意義があります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物密度分布 3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物密度分布 3Dモデル


説明図

棒グラフ(CUBE)は2m×2mメッシュ別に遺物出土最高標高と最低標高に置かれています。標高を0.5m刻みで区切り、その区間の遺物密度を5段階に分級して赤~白のグラデーションで表示しています。

貝層平面図は標高20mの位置に置いています。3Dスケールの原点もZ軸に関して標高20mに置いています。


動画

2 メモ

遺物台帳の極一部(全14冊ある遺物台帳の最初の1冊)をデータベース化して、試しに分析しています。

遺物密度を3D空間で表示する入口まで到達できました。

貝層の中で遺物が均一に分布するのではなく、偏在的に分布している様子を捉えただけでも画期的であると自画自賛します。

遺物密度3D分布を貝層断面や地山地形と関連させて分析することによって貝層形成と遺物投棄の関連を分析できると期待しています。

なお、メッシュ(CUBE)を多数表示するとメッシュが重なって密度表示のグラデーションが見えなくなることが想定されますので、より一層の表現上の工夫が必要であると考えます。

遺物台帳電子化作業の中で、遺物種類別(例 土器片と骨)に密度3D分布の特徴が異なる印象を受けています。将来詳しく分析することにします。


●遺物台帳のデータベース作成により北斜面貝層構造の見える化のための分析が可能であることがわかりました。第1ステップ区域データベースによる試し分析はとりあえずこれで終了し、今後遺物台帳データベース作成作業を第2~第6ステップ区域に順次進めることにします。


2023年10月22日日曜日

標高0.5m刻みでの遺物密度カラーグラデーション表示

 Artifact density color gradation display in 0.5m altitude increments


I devised a method to display the density of artifacts in 0.5m increments using a color gradation in the 3D model of artifact elevation range by mesh.

It is expected that this technique will reveal that the density of artifacts is not uniform within the shell layer.


メッシュ別遺物標高範囲3Dモデルに標高0.5m刻みで遺物密度をカラーグラデーションで表示する方法を工夫しました。

貝層の中で、遺物密度が均一でないことが、この技術であからさまになると期待できます。

1 Ⅰ-59メッシュの標高0.5m刻みでの遺物密度と分級


Ⅰ-59メッシュ 標高0.5m刻み遺物密度(遺物数/㎥)


遺物密度分級と表示色

上記のように遺物台帳データベースから、Ⅰ-59メッシュについて標高0.5m刻みに遺物密度(遺物数/㎥)をもとめました。遺物密度については5段階に分級して、その対応色を赤色-白色グラデーションで設定しました。

2 Ⅰ-59メッシュ 標高0.5m刻みでの遺物密度カラーグラデーション表示


Ⅰ-59メッシュ 標高0.5m刻みでの遺物密度カラーグラデーション表示(Blender画面)

3 遺物密度カラーグラデーション表示方法

ア UV配置をエクスポート


UV配置をエクスポート

BlenderでⅠ-59メッシュオブジェクト(CUBE)について「UV配置をエクスポート」します。UV配置が描かれたPNGファイルが生成します。

イ UV配置と立体画像の対応確認


UV配置と立体画像の対応確認

UV配置と立体画像の対応を確認するために、UV配置PNGファイルに番号を書き込んだファイルをIllustratorで作成して、その画像をBlenderで、Ⅰ-59メッシュオブジェクトにテクスチャ画像として貼り付けました。これでUV配置と立体画像の対応関係を把握することができました。

ウ 標高0.5m刻み遺物密度カラーグラデーション画像の作成と貼り付け


標高0.5m刻み遺物密度カラーグラデーション画像の作成と貼り付け

標高0.5m刻みで遺物密度に対応する表示色を並べてカラーグラデーション画像を作成し、それをUV配置に合わせて嵌め込みした画像をつくり(Illustrator作業)、Blenderでその画像をⅠ-59メッシュオブジェクトにテクスチャ画像として貼り付けました。

4 メモ

手間はかかりますが、遺物密度を標高0.5m刻みでカラーグラデーション表示する方法を確認できました。

貝層の中で、遺物密度が均一でないことが、この技術であからさまになると期待できます。

土器片、骨などの種別にその密度分布が異なることが想定されますので、この標高で刻む密度表示技術は今後役立つと考えます。


2023年10月21日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳のデータベース化の第1歩 その2

 The first step in creating a database of the artifact register related to the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound   Part 2


The altitude range of relics by mesh in the first step area where the relic ledger has been digitized is displayed as a bar graph in 3D space. I secretly think that it is significant that elevation values have been used and visualized for the first time, even though they are statistical, and even if only for a certain area.


遺物台帳電子化が済んだ第1ステップ区域のメッシュ別遺物標高範囲を3D空間に棒グラフで表示しました。標高値を統計的とはいえ、一部区域だけであるとはいえ、はじめて利用し可視化したことは意義のあることであると秘かに思考します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物標高範囲 3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物標高範囲 3Dモデル


説明図

棒グラフはメッシュ別に遺物最大標高と遺物最低標高を表現しています。

貝層平面図は標高20mの位置に置いています。3Dスケールの原点もZ軸に関して標高20mに置いています。


動画

2 メモ

遺物台帳の全遺物には原則として標高値が記載されています。その標高値を統計的とはいえ、一部区域だけであるとはいえ、はじめて利用し可視化したことは意義のあることであると秘かに思考します。

「メッシュ別遺物標高範囲 3Dモデル」を貝層断面情報、地形情報(地山地形図=ガリー侵食地形図)と関連させることにより貝層発達の詳細データを得ることができると考えます。