2023年10月9日月曜日

発掘調査報告書読み取り誤差は10㎝

 Excavation report reading error is 10cm


Regarding the 3D distribution model of the fragments of pottery No. 294 excavated from the shell layer on the north slope of Ariyoshi Kita Shell Mound, it was found that the reading error in the excavation report was approximately 10 cm. By using excavation records, this error regarding pottery is eliminated.


有吉北貝塚北斜面貝層から出土した294番土器の破片3D分布モデルについて、発掘調査報告書読み取り誤差が約10㎝であることがわかりました。発掘原票を使うことにより、土器に関するこの誤差はなくなります。

1 発掘原票から計測した294番土器の座標と発掘調査報告書読み取り座標との差分距離


発掘原票から計測した294番土器の座標と発掘調査報告書読み取り座標との差分距離

294番土器の破片は現物閲覧でメッシュ番号と遺物番号を調査し、全部で22の遺物番号から構成されていることが判明しています。22の遺物番号のうち19の遺物番号は遺物台帳と遺物分布図から3D座標が判明しています。このうち、発掘調査報告書読み取り座標と対応しているものは15あります。この15破片について、発掘原票による3D座標と発掘調査報告書読み取りによる3D座標を比較してみました。2つの座標値の平均距離は約0.1mとなります。

この事実により、発掘調査報告書読み取りによる誤差は約10㎝であることが判りました。今後の作業は全て発掘原票を使うことを予定しますから、この誤差約10㎝は無くなります。


発掘原票による3D座標と発掘調査報告書読み取りによる3D座標の比較

2 感想

発掘調査報告書掲載グラフから座標を読み取るという間接的な情報入手がなくなり、間接的であるがゆえに生まれる誤差が無くなることはうれしいことです。

なお、読み取り誤差10㎝とは、発掘調査報告書グラフ作成表現における誤差と純粋な読み取り誤差の合計になります。10㎝という誤差の値はとても小さく、手作業で精細グラフを作成した35年程前の発掘調査報告書作成当事者の方々に敬意を表します。



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