2023年10月28日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳のデータベース化の第1歩 その3

 The first step in creating a database of the artifact register related to the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound   Part 3


The density of artifacts excavated from the shell layer (number of artifacts/㎥) was calculated for each 2m x 2m mesh at an altitude of 0.5m and displayed in 3D space. This material is significant in that it allows us to confirm the uneven distribution of artifact density in 3D space.


貝層から出土した遺物の密度(遺物数/㎥)を2m×2mメッシュ毎に標高0.5m刻みで算出して、3D空間に表示しました。この資料は遺物密度の3D空間偏在性を確認できるという意味で意義があります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物密度分布 3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 第1ステップ区域のメッシュ別遺物密度分布 3Dモデル


説明図

棒グラフ(CUBE)は2m×2mメッシュ別に遺物出土最高標高と最低標高に置かれています。標高を0.5m刻みで区切り、その区間の遺物密度を5段階に分級して赤~白のグラデーションで表示しています。

貝層平面図は標高20mの位置に置いています。3Dスケールの原点もZ軸に関して標高20mに置いています。


動画

2 メモ

遺物台帳の極一部(全14冊ある遺物台帳の最初の1冊)をデータベース化して、試しに分析しています。

遺物密度を3D空間で表示する入口まで到達できました。

貝層の中で遺物が均一に分布するのではなく、偏在的に分布している様子を捉えただけでも画期的であると自画自賛します。

遺物密度3D分布を貝層断面や地山地形と関連させて分析することによって貝層形成と遺物投棄の関連を分析できると期待しています。

なお、メッシュ(CUBE)を多数表示するとメッシュが重なって密度表示のグラデーションが見えなくなることが想定されますので、より一層の表現上の工夫が必要であると考えます。

遺物台帳電子化作業の中で、遺物種類別(例 土器片と骨)に密度3D分布の特徴が異なる印象を受けています。将来詳しく分析することにします。


●遺物台帳のデータベース作成により北斜面貝層構造の見える化のための分析が可能であることがわかりました。第1ステップ区域データベースによる試し分析はとりあえずこれで終了し、今後遺物台帳データベース作成作業を第2~第6ステップ区域に順次進めることにします。


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