2023年10月15日日曜日

深度合成撮影

 Depth composition shooting


When you zoom in on a small object and take a close-up shot, the area that is in focus becomes narrower (the depth of field becomes shallower), making it difficult to capture the entire image. The OM-1 camera has a depth composite shooting function that solves this problem, so I tried it out and confirmed its usefulness.


小さいモノを拡大して接写で撮影すると、ピントが合う部分が狭くなり(被写界深度が浅くなり)、全体像撮影が困難な場合があります。この不都合を解決する深度合成撮影機能がOM-1カメラにありますので、それを試して、有用性を確認しました。

1 深度合成撮影の結果

OM SYSTEMのカメラOM-1に12-40㎜F2.8PROⅡレンズを装着して、深度合成撮影機能をデフォルト設定にして、手持ちで植物を撮影してみました。通常撮影と比較すると被写界深度が深くなっています。


通常撮影と深度合成撮影の比較 事例1


通常撮影と深度合成撮影の比較 事例2

2 深度合成用に撮影された素材写真

デフォルト設定では深度合成に使うピントの場所が異なる素材写真は8枚撮影されます。


深度合成用素材写真 事例1


深度合成用素材写真 事例2


深度合成用素材写真 動画

OM-1カメラでは、深度合成は撮影枚数3~15、フォーカスステップ(コマ毎のピント位置の移動量)は1~10の間で設定できます。

3 感想

これまで小さなモノを拡大して(焦点距離を長くして)、接写で(短い撮影距離で)撮影すると、ピントが合う部分が局限されて、全体像を捉えることが出来ないことが多く、不都合を感じていました。野外撮影のみならず、博物館展示物の縄文土器や装飾品などでも頻繁に感じてきています。

このような不都合に直面した場合、OM-1使用により深度合成撮影に切り替えることができますから、便利になると感じます。

深度合成撮影の設定はカスタムモードの特定ダイヤルに登録しておいて、必要な場面で、即座に使うことができます。

手持ち撮影でも通常用途写真ならば十分に満足できる画像ができますので実用的です。

なお、今後次のような過去に体験した失敗場面は無くなると思います。

首を中に突っ込めない巨大縄文土器内面の破片毎に書かれた出土メッシュ番号と遺物番号文字(いずれも超微細文字)を記録として望遠機能を使って撮影しました。撮影時にも肉眼では文字は確認しずらいものでした。後日写真で文字を見ると、被写界深度が浅く、ピントが合う文字と合わない文字があり、文字判読が困難なものもありました。結局最後はその土器について再度手続き閲覧して、写真では判読できなかった番号や文字を確認しました。

また、カメラを固定して小さなモノ(例 イボキサゴ)を回転させながら多数の深度合成写真を撮影すれば、小さなモノの高品質な3Dモデル作成ができます。試してみたいと思います。


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