堀割斜面に密生するマダケ
マダケの林内
柏井橋付近から花島公園にかけての堀割の右岸斜面に竹林が特徴的に分布しています。水面に倒れている部分もあり、密生して生えています。斜面でもあり、人の管理は行われているようには見えません。
竹の種類はマダケです。散歩していて、この竹林は堀割普請のときに斜面崩壊防止のために植えられた防災竹林の末裔ではないかという仮説が思い浮かびました。マダケの寿命が約120年で、天保の堀割普請(1843年)から現在まで168年ですから、仮に天保堀割普請のときにマダケが植えられたとしても、そのまま生き残っているということはなく、2代目以降が同じ場所に生きていると考えられます。もしかしたら享保期、天明期のものかもしれません。
現代のように便利なコンクリート製品がない時代に、竹を自生させることは、その根で斜面を安定させる格好の土木工法だったのだと想像しました。
この付近にはマダケ以外の竹も沢山分布しています。
サイクリング道路沿いのモウソウチク
サイクリング道路沿いの笹
付近の人家の屋敷林の一部や平地にはモウソウチクの竹林があります。マダケと較べると林間が空いています。竹の太さもマダケより大きいです。食用としての筍や竹材として利用されたと思われます。
サイクリング道路沿いの近年造成された場所や雑木林の林床には笹が生えています。密生し、4-5メートルになる場合もあります。
次に竹林の現代の分布図を作成してみました。グーグルアースの空中写真上で竹林(モウソウチクとマダケ)を抜き出しポリゴンをつくり、その界線を赤線でしめしました。
花見川沿いでは、竹林は横戸台下流端の下付近から分布しています。花見川の斜面に高い密度で分布していることがわかります。なおこの図では台地上の竹林や流入する谷津の竹林は表現していません。また、花島橋までの区間のみ表現しています。
この竹林の起源が堀割普請によるという仮説を次に考えてみたいと思います。
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