野鳥飛行コースのネック
美化して表現すると、以前マルチハビテーション(二地域居住)の生活を送っていました。月曜日から金曜日までは世田谷区二子玉川、土曜日と日曜日は千葉市花見川区の花見川のほとりです。二子玉川では毎朝多摩川河川敷の散歩を欠かしませんでした。花見川以上に多摩川は野鳥のエコロードになっています。毎朝カワウやカモ類が東京湾から雁行飛行で大挙して上流に向かいます。その時、野毛で多摩川を横断して架かる送電線に難儀しているのを何べんも見ました。雁行飛行の群れが送電線を発見して多摩川から離れて大きく迂回して通ったり、送電線の手前で大きく旋回して高度を上げて送電線を超えたり、あきらめて引き返した例も見たことがあります。
「野鳥は言葉を持っていないので、自分の難儀を人に伝えることはできない。われわれ人がそれを察して代弁してやるしかない。」とその時感じていました。
さて、花見川は東京湾と印旛沼、利根川を結ぶ重要な野鳥のエコロードになっています。花見川を横断する送電線は上図のとおり、花見川上流に4箇所、中流に5箇所あります。送電線横断ポイントを下流から番号をふって説明します。2番、3番は近接していてその近くに京葉道路があり、相当な難所のようです。4番5番も近接していて下に亥鼻橋があり一つの難所です。6番、7番も近接していて、直下に水道局の水管橋があり難所になっていると思います。8番、8番も近接していて大和田排水機場が下にあり難所です。
6番、7番のポイントでは次のような観察をしたことがあります。
数羽のカワウの群れが下流から上流方向に飛行してきて、明らかに障害物の存在に狼狽して(私の受けた感じです)、水管橋の下と上に分かれてすり抜けたことを観察したことがあります。その時、雁行飛行している鳥群のうち、前方の障害物を見ているのは先頭の鳥くらいで、後の鳥は先頭の鳥に付いているだけだとその挙動から感じました。丁度自転車のロードレースで、先頭引きとその後で風圧を避けている選手の関係です。単羽のカワウの場合は水管橋の下をすり抜けることが多く、見た目に狼狽や混乱はありません。
100年後(3~4世代後)くらいには、白鳥どころか、コウノトリやトキなども舞う花見川になっていると思います。その時代には野鳥飛行ルートの難儀対策が社会政策として執られているかもしれません。
足元に小動物を捕まえているオオタカ(?)
送電線と鉄塔の存在は、野鳥にプラスの影響をしているのではないかと感じることも多々あります。
詳しくは犢橋川小流域の記述で述べますが、犢橋川の京葉道路付近の鉄塔でオオタカ(?)が食事をしていました。付近の草むらで小動物(ネズミか)を捕まえてから、鉄塔に舞い上がり、おいしそうに食べていました。また、旋回飛行後の休憩も鉄塔でとっていました。鉄塔が猛禽類の止まり木として重要な役割を果たしています。
6番、7番から1キロ北西の芦太川流域にある雑木林はカラス森になっています。夕方になると数千羽のカラスが森に入る前にひとしきり集合します。その時送電線の上にずらりと止まり圧巻です。カラスにとって不可欠な環境とは思われませんが、野鳥にとって送電線は止まり木としての大きな役割を持っていると思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿