2011年9月21日水曜日

花見川流域界図の入手

このブログを開始するに際して花見川流域界図を探したのですが、その時は見つかりませんでした。仕方がないので、関係6市の資料から花見川流域界を作りました。この経緯はこのブログのページ「流域界」に書いてあります。

このたび、千葉県河川整備課にて花見川の流域界図を入手しましたので報告します。
入手した資料は印旛沼流域図(6万分の1)で、印旛沼全体の流域図です。この中に、印旛沼放水路(下流部)として、その流域界が掲載されています。

印旛沼流域図

●従属的な流域
この図を見て、花見川流域が自然地理的には印旛沼流域でもないのに、図中付録のように描かれていることの不自然さを感じます。
また、名称も花見川や花見川流域という名称がなく、流路に「印旛沼放水路(下流部)」という名称が印字されていることに対する不自然さも感じます。
花見川とその流域が河川としては全うな扱いをされていないで、ただ印旛沼の放水機能だけが求められている従属的流域であることが、この図に象徴されていると感じました。

●流域界
入手した花見川流域界とこのブログで作った(編集集成した)花見川流域界を比べてみると、6万分の1という小さな縮尺のレベルではあまり違いはありませんでした。
私はGISを用いていますから地図を拡大して、大縮尺で使用することが多いので、そうした正確な流域界図のデータの存在について河川整備課担当官にお尋ねしたのですが、存在していないとのことでした。
6万分の1地図の流域界線は、地図に掲載されている地物との関係を正確に把握することが困難な精度ですので、この入手地図により、このブログの流域界線を修正することはあきらめました。

左(印旛沼流域界図)、右(このブログの花見川流域界)

なお、流域界について、河川整備課にて次のことを教えていただきました。

ア 流域界を設定するための技術基準はない。
イ 河川行政では、河川の流域界は、自治体の排水区域界等を勘案して、図に表現することになる。
ウ 計画を作るときなどのタイミングで、流域界図を作成する。(流域界は時間とともに変化する。)
エ 宅地開発等で流域が変更となることがあるが、一定規模以上の宅地開発等を行う場合、要綱等により、開発者と河川管理者が協議することになっている。
オ 県で用いている印旛沼流域界図は資料として6万分の1縮尺のものがもっとも正確である。
カ 県で、GIS上で利用している流域界線はない。

千葉県河川行政では、6万分の1地図より正確な流域界線をデータとして用いる行政ニーズはないとのことでした。

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