2013年9月25日水曜日

人工河川から地峡河川へ

花見川特性を構成する基本情報(メモ)

花見川の特性を構成する基本情報を次のように考えます。

1 河川争奪地形
●花見川が全国的に見ても特異な河川争奪地形の舞台となっているという、自然史的特性(地学的特性)。
花見川の河川争奪により、この場所に香取の海と東京湾を結ぶ地峡が出現しました。
この基本情報なしに花見川の特性を把握することはできません。

2 先史時代からの幹線交通路
●花見川が縄文時代、弥生時代、奈良・平安時代、中世の全ての時代にあって、香取の海(利根川水系)と東京湾水系を結ぶ幹線交通路であったという歴史的特性。
特に、奈良時代には東海道水運支路が花見川と平戸川を結ぶ筋に建設されていました。
先史時代から中世にいたる時代に、二つの海を結ぶ幹線交通路機能が実在したという歴史を知ること無しに、花見川の特性を把握することはできません。

3 印旛沼堀割普請、印旛沼開発事業
●花見川が近世に印旛沼堀割普請の舞台であったこと、現代において印旛沼開発事業が行われたという土木的、社会開発的特性。
この特性を知ること無しに花見川を知ることはできませんが、この特性は小学校社会科副読本にも記述されていて社会的に周知されています。

4 利根川放水路機能の要請
1000m3/sの規模の利根川放水路機能の要請があるという治水上の特性。
この治水上の要請は、20037月に数十年先まで見通して、無くなりました。

5 利水、環境上の要請
●利根川と東京湾を結ぶ舟運路の開発、エコロードの形成などの社会的要請・期待があるという特性。
この社会的要請・期待は、その重要性にも関わらず、あまり議論されていません。

基本情報3と4だけに立脚すると花見川は「人工河川」であるという定義になってしまっても不思議はありません。
基本情報1~5に立脚すると花見川は「地峡河川」であるという定義にすると自然です。合理的です。

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