2016年5月29日日曜日

房総における和名抄にみえる郷名「ベ(部)」の分布

2016.05.27記事「古代地名「~ベ(部)」の千葉県検索結果」で和名抄にみえる郷名「ベ(部)」の分布図作成を宿題としました。

その宿題分布図を次に示します。

和名抄にみえる郷名「ベ(部)」の分布

郷名のプロット「千葉県の歴史 通史編 古代2」(千葉県発行)付録「房総三国の郡・郷・里の変遷と比定地一覧」に記述されている情報に基づきました。

ただし、上総国周淮郡勝部については比定地未詳のためプロットできませんでした。

ベ(部)郷名は11プロットでき、水系別にみると、東京湾水系2、太平洋水系7、香取の海水系2となります。

4~6世紀頃の部民による中央直轄型地域開発は太平洋岸地域が中心であたったことが判ります。

東京湾水系の土地が既に開発されつくされていて、残った未開の主な土地が太平洋岸であったということだと思います。

現在伝わっているベ(部)地名も、最も多いのは太平洋水系です。

参考 小字・大字「ベ(地名)」の分布

現在の「ベ(部)」地名では東京湾水系10、太平洋水系11、香取の海水系5となります。

「ベ(部)」地名は鏡味完二が部民を使った地域開発の指標となるという意味で取り上げているので、検討してきました。

しかし、「千葉県の歴史 通史編 古代2」(千葉県発行)には部民の詳しいデータが掲載されていて、和名抄にみえる郷名と部民の関係が詳細に判るようになっています。

そのデータを使えば、地名の語尾を「ベ(部)」に限って、情報を限定して検討する必要はまったくありません。

従って、学習ついでに部民と古代郷名の関係をさらに次の記事で検討します。

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