縄文草創期の上黒岩岩陰遺跡について学習しています。
この記事では上黒岩岩陰遺跡の地形特性について学習しました。
1 移動交通結節点としての上黒岩岩陰遺跡
移動交通結節点としての上黒岩岩陰遺跡
上黒岩岩陰遺跡は重信川下流平野部及び肘川下流平野部と低い峠を隔てて河川沿いに結ばれています。また遺跡が立地する久万川を下れば仁淀川下流平野部に到達します。
上黒岩岩陰遺跡が3つの流域を結ぶ移動交通結節点にあるという特性は草創期狩猟民の移動生活を考えるとき重要な意義を持つと考えます。
3つの流域で生活する集団にとって、近親婚をさけるための女性交換(あるいは男性交換)をするためにどうしても近隣流域の集団と交流をもたなければなりません。その場合、上黒岩岩陰遺跡は重要な交流の場になるに違いありません。
2 日当たりのよい南向き環境としての上黒岩岩陰遺跡
上黒岩岩陰遺跡付近の地形 地理院地図3Dモデル
愛媛県デジタル標高地形図と陰影起伏図の合成
赤丸:上黒岩岩陰遺跡 垂直倍率×2.0
Google earth proで見る上黒岩岩陰遺跡の位置と様子
この場所は命を賭けた出産の場所として大変好都合な場所です。
3 感想
上黒岩岩陰遺跡が広域交通結節点に位置することと、日当たりのよい超優良住環境を提供する場所であるという2つの地形特性を知ることができました。
次の記事で、この2つの地形特性を踏まえて石偶(線刻礫)出土の謎に挑んでみることにします。
0 件のコメント:
コメントを投稿