縄文土器学習 461
1 ミミズク土偶の異様性
2020.08.30記事「ミミズク土偶の異様性」でミミズク土偶が表現するものが異常な残虐性を伴う殺害であることを認識し、メモしました。
ミミズク土偶が表現するもの 安行式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)288と289
実測図基図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書による
この残虐的殺害方法認識に刺激を受けて次の問題意識が発生しましたのでメモします。
2 生身人間を対象とした生贄祭祀はあったか?
ミミズク土偶祭祀は地母神殺害再生神話に基づく祭祀で、祭祀最後に土偶をバラバラにして各所にばら撒き、各所で幸が発生することを祈願していたと考えます。ミミズク土偶(地母神)が生贄となる生贄祭祀です。
このミミズク土偶祭祀は、生身人間を使った本当の生贄祭祀の代替祭祀であった可能性は無いだろうかという問題意識が発生します。
ミミズク土偶に表現される顔・乳房から始まり全身に及ぶ皮剥ぎによる残虐殺人方法はあまりに具体的です。後晩期縄文人は現実にこのような殺人行為を罪人や流れ者・下層民に対して実施していた可能性が濃厚であると考えられます。
常日頃の生贄祭祀はミミズク土偶で行うけれども、いざという場合は生身人間による生贄祭祀を行っていた可能性を感じます。
生身人間を対象とした生贄祭祀が一般的に存在していたかどうか、今後の縄文学習で問題意識を持つことにします。
3 土偶・散乱人骨の分布上の関連性
土偶の分布は幸い発生を祈願したポイントを意味していると考えます。
もし生身人間による生贄祭祀が存在していたとすれば、土偶と散乱人骨分布が相関するかもしれません。そのような場合、散乱人骨は鋭利な切断面を有するものが含まれているかもしれません。
散乱人骨分布が埋葬人骨分布と重なるのか、それとも土偶分布とより強く相関するのか興味があるところです。
幾つかの代表的後晩期遺跡で土偶と散乱人骨の分布関連性を調べてみたいと思います。
千葉市内野第1遺跡における散乱人骨
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