2014年2月1日土曜日

高崎川・南部川レーキの観察

花見川流域の小崖地形 その111

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印旛沼筋河川争奪(つまり鹿島川による古平戸川流域の争奪)に興味を持ち、鹿島川の利根川低地方面への出口付近の地形について検討している中で、角崎大曲地形と高崎川・南部川レーキが関連していることに気がつきました。

高崎川・南部川レーキそのものは印旛沼筋河川争奪と直接的に関わることは少ない現象のようですが、せっかく気がついたので、検討して記事として記録しておきます。

次の3論点を3つの記事で記録します。
●記事その13D画像による観察と真性レーキモデル成分との対応
●記事その2…流域の断面形状と河岸段丘
●記事その3…水系パターン検討
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1 高崎川・南部川レーキの3D画像による観察
高崎川・南部川レーキ付近の地形をカシミール3Dを使った3D画像で観察してみました。

高崎川・南部川レーキ付近の3D地形画像 1
カシミール3Dにより作成

高崎川・南部川レーキ付近の3D地形画像 2
カシミール3Dにより作成

高崎川・南部川レーキ付近の3D地形画像 3
カシミール3Dにより作成

高崎川・南部川レーキ付近の3D地形画像 4
カシミール3Dにより作成

高崎川・南部川流域の南半分(空色~薄緑色、標高42m程度以上)と北半分(ピンク色、標高36m程度以下)では水系地形のパターンが異なります。

南半分と北半分の間には崖地形が存在します。

真性レーキの形状は流域の北半分で生起した現象であり、2列の沈降軸(小さな向斜軸)によってつくられたことが判ります。

南側の沈降軸は途中分離していますが、地形を仔細にみると、分離した二つの部分の間にも沈降軸が見られます。従って、元来つながっている地形として捉えることができます。

南半分の水系パターンからは、下総上位面が離水してからの地殻変動による最大傾斜方向の変遷が判るのではないかと考えます。この検討は別記事に書きます。

高崎川と南部川谷津の北向き斜面には河岸段丘が見られます。その標高は30m程度(赤色)です。

その標高からこの河岸段丘は下総下位面ではないかと考えます。しかし、杉原(1970)の地形分類図ではこの付近に千葉段丘の分布のみが書き込んであります。

古平戸川支流の二重川で同様の情報から、新たに下総下位面の分布を発見しました。ここでも、下総下位面を発見することができるのか、別記事で検討します。

2 真性レーキモデル成分との対応
上記検討から、高崎川・南部川レーキの(流域の)真性レーキモデル成分との対応を示すと次のようになります。

真性レーキモデル成分との対応

3 参考
高崎川・南部川レーキ付近の地形段彩図をGoogle earthに投影すると次のようになります。

高崎川・南部川レーキ付近の地形段彩図のGoogle earth投影

高崎川・南部川レーキ付近の地形段彩図のGoogle earth投影
地形段彩図は半透明

高崎川・南部川レーキ付近のGoogle earth画像

高崎川・南部川レーキ付近の標準地図のGoogle earth投影
標準地図は電子国土ポータルによる


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