2020年7月18日土曜日

巨大な中空土偶

縄文土器学習 428

加曽利貝塚博物館で現在開催されている「ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編」に巨大な中空土偶の顔と上半身の一部が展示されています。観察記録3Dモデルをつくって観察してみました。

1 中空土偶(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

中空土偶(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文後期~晩期
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.14
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.001 processing 48 images

展示の様子

特殊モード写真

動画

2 観察
・顔面はまるい目、口、耳及び口から斜め上方に伸びる細長い陰刻(ほとばしる血しぶきと判断)が確認できて、ミミズク土偶の巨人版といった印象を受けます。
・3Dモデルで顔面上部から体部下部までの距離を計測すると約20.5㎝でした。

中空土偶計測の様子

・この土偶には腰に飾りのような出っ張りがあります。おなじような出っ張りがある巨大中空土偶の体下部出土例を参考にすると、この中空土偶の高さは40㎝位と推定できました。土偶としては最大級になると考えます。

中空土偶体高の推測

・古墳時代の埴輪のような大きさであり、三直貝塚人の祭祀にかける意気込みの大きさに驚きました。

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