2024年7月18日木曜日

加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」の観覧

 Visiting the Kasori Shell Mound Museum's special exhibition "The Faces of Clay Figurines from the Jomon Period"


I visited the Kasori Shell Mound Museum's special exhibition "The Faces of Clay Figurines from the Jomon Period." This special exhibition featured many interesting Jomon clay figurines and even more interesting Yayoi human-faced pottery. Yayoi human-faced pottery was introduced in Shitara Hiromi's "Facial Archeology" as "an example of a face looking at the sky where birds fly."


加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」を観覧しました。興味深い多数縄文土偶とさらに興味深い弥生人面付土器等から構成された企画展です。弥生人面付土器は設楽博己著「顔の考古学」で「鳥が飛ぶ空を見ている顔の例」として紹介されたものです。

1 企画展「縄文時代の土偶の顔」の様子

市原歴史博物館との連携展で千葉市と市原市から出土した土偶等が所狭しと展示されています。


企画展入口


展示の様子


展示の様子

展示の様子

2 興味深い土偶等(例)

2-1 人面付土器


人面付土器(レプリカ)(市原市三鷹台遺跡)弥生時代中期

自分はこの企画展で最も興味をもった遺物です。この企画展で顔が上を向いているのは、この1点だけです。

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)では次の写真とともに、弥生時代の稲作に関連する鳥信仰に因り、鳥が飛ぶ空を見ている顔の例として紹介されています。本書では弥生時代の鳥信仰が詳しく紹介されていて「鳥が飛ぶ空を意識している」という解釈にとても説得力があります。


顔壺 (三島台遺跡出土、市原市教育委員会所蔵)

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)から引用

2-2 土偶


土偶(市原市西広貝塚)縄文時代後期-晩期

確かに顔ですが、展示会場では目が悪いせいかしっかり造形を確認できません。多数写真撮影により3Dモデルを作成してじっくり観察したくなる遺物です。

2-3 山形土偶


山形土偶(千葉市内野第1遺跡)縄文時代後期

千葉市埋蔵文化財調査センターで観覧したことがあり、3Dモデルを作成したことがあります。全面赤彩されていて特徴的な顔つきに興味をひかれます。再び3Dモデルを作成してたのしむことにします。

3 感想

専門家により「鳥が飛ぶ空を意識している」と解釈された顔壺を、レプリカとは言え観覧できたことはとてもうれしい出来事です。

渦巻き文様を見つけることができるか、探しましたが、展示では確認できませんでした。

この企画展を幾度か訪問して、山形土偶やみみずく土偶のバリエーションをたのしむことにします。

過去に3Dモデルを作成した遺物も数点ありますが、興味深い遺物は再度3Dモデルを作成することにします。同じ遺物でも展示会場の違いにより光線や視野が異なり、より良い3Dモデルができる可能性があります。また撮影技術も少しは向上し、カメラ性能もアップしています。


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