3D model of observation record of ammonite fossil (Bibi 4 Site, Chitose City)
A 3D model of the observation record of the ammonite fossil (Bibi 4 Site, Chitose City) exhibited at the Chiba Prefectural Museum's special exhibition “Excavated Japanese Archipelago 2024” was created. It was brought from the Urakawa region, more than 100 km away. From the holes in the fossil, it is possible to imagine how it was placed on a stick and displayed on an altar.
千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」に展示されているアンモナイト化石(千歳市美々4遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。100㎞以上離れた浦河地域から運ばれてきたものです。化石に空いた孔等から棒の上に乗せて祭壇に飾った様子が想像できます。
1 アンモナイト化石(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル
アンモナイト化石(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル化石産地(浦河地域)で縄文人が採集し、持ち込んだと考えられる。
長さ9.6㎝
撮影場所:千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」
撮影月日:2024.06.27
展示の様子
ガラス面越し撮影
3DF Zephyr v7.531 processing 87 images
3Dモデル画像
3Dモデル動画
2 美々4遺跡と浦河地域
美々4遺跡と浦河地域
3 観察メモ
1 貫通孔
アンモナイト中心部に貫通孔が開けられています。
2 貝殻部の擦り跡
アンモナイト中心貫通孔から底部方向の放射状溝に擦り跡が観察できます。これは、貫通孔が底部方向にある台とアンモナイトを縛り付ける紐の通り道として利用されていたことを想像させます。貫通孔がアンモナイトを宙づりにして飾られていたのではないことがわかります。
アンモナイト化石の貫通孔と擦り跡
3 底部の孔
アンモナイト開口部を上としたとき、底部の位置に孔が空いています。その周りは貝殻部が欠損しメノウ化部分が露出しています。底部に台があった可能性が考えられます。
アンモナイト化石の底部孔と貝殻欠損
4 アンモナイトが飾られた様子(想像)
底部の孔と貫通孔を利用した紐の縛り跡から、アンモナイトは横棒(台)に縛り付けられ、その横棒(台)は棒に縛り付けられていて、アンモナイトは祭壇の空中に飾られていたと想像します。棒の先は細く削られ、アンモナイト底部の孔にはめ込んでいたと考えます。
アンモナイトが祭壇に飾られた様子(想像)
5 アンモナイトが祭祀で使われた理由(想像)
・北海道に限らず、列島縄文人は渦巻を霊魂のシンボルとしていたと考えます。アンモナイトの渦巻はイモガイ切断面などの渦巻よりはるかに迫力ある霊魂のシンボルになります。浦河地域で採集されたアンモナイト化石優品が一種の商品として流通し、100㎞はなれた千歳市美々遺跡にもたらされたと想像します。
6 参考 遺跡から出土したアンモナイト化石の例
全国遺跡報告総覧で見つけた「浦河町向別遺跡・栄丘遺跡・昌平町遺跡・常盤町遺跡」発掘調査報告書(2019年)には、アンモナイト化石が向別遺跡から2点、常盤町遺跡から1点出土し、これを含めて、北海道では6遺跡7例のアンモナイト化石出土の確認が記述されています。
7 感想
現在学習中の有吉北貝塚北斜面貝層から次のような化石等が出土しています。
貝の化石(礫になっているもの)
生痕化石
高師小僧(筒状の酸化鉄、手を入れて整形している)
奇形の貝
縄文人は化石などの珍品収集習慣があり、利用できるものは装飾品や儀礼道具として有効活用していたと想像します。化石入手で、より豊かな精神生活を営んだのだと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿