2017年11月19日日曜日

加曽利貝塚国特別史跡指定記念シンポジウム

2017年11月18日に若葉文化ホールで加曽利貝塚国特別史跡指定記念シンポジウムが開催され参加してきました。
最近はこの手のイベントには全くといっていいほど参加したことが無かったので新鮮な印象を受けることができました。

イベント会場前

文化庁主任文化財調査官佐藤正知さんから「特別史跡とは」と題する講演がありました。
一言でいうと、加曽利貝塚は土地に関わる国宝であるとのこととして理解しました。

佐藤正知さん

京都大学大学院総合生存学館特定教授の泉拓良さんから「縄文時代について」と題する講演がありました。縄文時代と貝塚について世界を視野に、かつ後氷期の気候変動等との関連のなかでの詳しい説明がありました。

泉拓良さん

千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人さんから「加曽利貝塚の価値と魅力」と題する講演がありました。
加曽利貝塚の学術的価値として次の3点の詳しい説明がありました。
1 日本列島の貝塚は、日本の歴史、人類の歴史を語る上で欠くことができない
2 東京湾東岸の貝塚群は日本の貝塚のなかでも、とくに重要な価値を有している
3 加曽利貝塚は東京湾東岸の貝塚群を代表する存在
また、付加された価値として次の2点の詳しい説明がありました。
1 研究史的な価値
2 文化財の保護活用に関わる価値
さらに縄文人の生活や文化にかかわる発掘情報が現代社会ともつながっていることなど興味深い話がありました。
また講演途中に発掘現場とのテレビ実況中継によるやりとりがあり、市民参加や市民に対する説明の意義が浮き彫りになりました。

西野雅人さん

シンポジウム会場のおける発掘現場実況中継の様子

3人の講演のあと5人の出席者による討論があり加曽利加塚国特別史跡指定の意義や今後の市民参加による史跡活用方策について熱心な話となりました。
市長によるゆるキャラ「かそりーぬ」誕生秘話なども裏話としてだけではなく、加曽利貝塚特性理解として興味が湧きました。

討論の様子

このシンポジウムは千葉市としても力を入れて開催した様子が配布物から感じました。
配布物を入れる袋が特製であり、立派なパンフレット3冊、コースター、ボールペンなどが入っていました。

特製袋

パンフレット1

パンフレット2

パンフレット3

コースター、ボールペン

昭和時代で終わった加曽利貝塚の輝きが、国特別史跡指定をきっかけに再び輝きだし、まちづくりの目玉に育っていくことを行政や考古関係者が願っている様子が伝わってきました。

感想
自分の縄文時代学習にいろいろと好ましい刺激を受けました。
途中まで学習が進みましたが事情で中断している大膳野南貝塚の学習の再開をはやくしたくなりました。大膳野南貝塚の全貌を通しで理解すればそれを手ずるにして加曽利貝塚の意義などもより深く理解できるようになると思います。
西根遺跡出土「イナウ」についての記事をまとめ、その原資料提供者である千葉県に対する報告を急ぎたいと思います。シンポジウムで「アイヌ」「送り」「祭祀」などの言葉が飛び交う様子を聞いていて、西根遺跡「イナウ」出土の意義の大きさを密かに感じました。
講演説明情報のなかの出典のいくつかに興味が湧き、早速入手したと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿