2013年12月17日火曜日

印旛沼筋下総下位面の大縦断面図作成

花見川流域の小崖地形 その77 (5mメッシュDEM図を読む 16

印旛レーキのB軸(変位軸合流河川)の出自を知ることができれば、印旛レーキという捉え方の適否の判定が可能になるし、そもそも印旛沼の成因もわかります。

そこで、最初に、印旛レーキB軸の地形面(下総下位面)の縦断面図を作成して、それを利用して地形の成り立ちについて考えることにします。

この記事では縦断面図作成までのプロセスを書きます。

1 縦断面図作成の基情報となる5mメッシュ(標高)
次に、縦断面図作成の基情報となる5mメッシュ(標高)を地形段彩図で示しました。

地形段彩図
5mメッシュ(標高)による

2 地形面分布図のオーバーレイと縦断面線の設定
杉原(1970)の原図を多色刷りにした地形面分布図(千葉県の自然誌本編2掲載)を地形段彩図にオーバーレイしてプロットし、その上から、縦断面図を描くための縦断線を設定しました。
縦断線の設定は、手賀沼付近から現在の印旛沼下流部付近までの下総下位面の代表的な部分を通る様にしました。最初の試みですから、縦断線の設定に関する詳細な吟味はしていません。

地形面分布図のオーバーレイと縦断線の設定図
地形面分布図は「千葉県の自然誌本編2」掲載図を引用

3 縦断面図の作成
地形面分布図を取り除いてみると次のようになります。この画面に表示された情報から縦断面図を作成します。

地形段彩図と縦断線位置

参考 50万分の1地図にプロットした縦断線位置

GIS(地図太郎PLUS)の縦断図作成機能を利用して縦断面図を作成しました。

印旛沼筋の地形縦断面図
5mメッシュの最小単位は0.1m、地図太郎PLUSの縦断図作成機能の垂直成分表示の最小単位は0.1mですから、この地形縦断面図は極めて正確です。
市民が机上で、無償かつ気軽にこのような情報をつくることができる時代になったことに感慨もひとしおです。

縦断面の一番高いところを連ねた線を想定すると、それが下総下位面の標高分布になります。
下総下位面の標高分布は一様に変化するのではなく、示唆に富んだ変化をしています。
その検討を次の記事で行います。


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