千葉県大膳野南貝塚発掘調査報告書の縄文時代記述部分を全ページめくって、記載されている出土土器形式をリストアップしてみました。
発掘調査報告書に記載されている出土土器形式
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1 草創期~前期中葉の遺構と遺物
・条痕文土器
・無文土器
・野島式土器
・茅山下層式土器
・井草式土器
・田戸下層式土器
・茅山上層式土器
・花積下層式土器
・関山式土器
・黒浜式土器
・植房式土器
・釈迦堂Z3式土器
2 前期後葉の遺構と遺物
・諸磯a式土器
・諸磯b式土器
・浮島Ⅰ式土器
・浮島Ⅱ式土器
・浮島Ⅲ式土器
・北白川下層Ⅱ式土器
・釈迦堂Z3式土器
3 前期末葉~中期後葉の遺物
・諸磯c式土器
・十三菩提式土器
・興津式土器
・大木5式土器
・五領ヶ台式土器
・阿玉台式土器
・勝坂式土器
・中峠式土器
・加曽利E式土器
4 中期末葉~後期中葉の遺構と遺物
・称名寺古式土器
・称名寺式土器
・堀之内1式土器
・堀之内2式土器
・加曽利B1式土器
・加曽利B2式土器
・加曽利E4式土器
・無文土器
・三十稲葉式系土器
5 中期末葉~晩期末・弥生初頭の包含層・遺構外出土遺物
・称名寺式土器
・堀之内1式土器
・堀之内2式土器
・加曽利B1式土器
・加曽利B2式土器
・加曽利E4式土器
千葉県大膳野南貝塚発掘調査報告書から作成
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このリストと千葉県出土縄文時代時期区分別土器形式一覧表を略対応させると次のようになります。
千葉市大膳野南貝塚発掘調査報告書で記述されている土器形式一覧
(4と5は重複しているので5の対応線は省略)
この対応表から土器に関しては早期、前期、中期、後期とほぼ切れ目なく土器形式が出土していて、大膳野南貝塚のある場所付近が縄文時代1万年を通じて絶えず人に使われていた可能性の強さを感じ取ることができました。
旧石器時代遺物が出土していて、また弥生初頭の遺物が出土しているので、この付近は旧石器時代から弥生時代まで継続して人に利用された土地であると考えられます。
縄文時代前期土坑から貝層が見つかっていますから、この時期には既に海漁をしていたことが証明されます。
縄文時代前期、中期にはこの場所が狩猟の場であったのか、生活の場であったのか、遺構・遺物から学習したいと考えています。
縄文時代後期にはこの場所が生活の場(集落の場)となり貝塚が作られました。遺構(竪穴住居)の数も急増しています。
縄文時代晩期から弥生時代にかけて貝塚を形成した集落がどのように、なぜ凋落したのかという点にも興味が湧きます。
今後の検討では遺跡内における時期別土器形式分布図を作成してみて、何か有用な情報を得られるかどか確かめたくなりました。
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