縄文土器学習 157
一鍬田甚兵衛山南遺跡出土の縄文草創期隆起線文土器片のうち、爪形文が付いているピースの観察記録3Dモデルを作成しました。
隆起線文土器片(45図-29) 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3Dモデル
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:千葉県教育庁文化財課森宮分室
撮影月日:2019.05.27
隆起線文土器片(45図-29) 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土
千葉県教育委員会所蔵
白い小点は光っている鉱物(石英)です。
隆起線文土器片(45図-29) 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3DモデルにおけるMatcap表示
隆起線文土器片(45図-29) 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 発掘調査報告書挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡出土遺物の最初の観察では3Dモデル作成に失敗してのですが、その時撮影した通常写真ではこの土器片の爪形文の形状をリアルに確認できることができませんでした。そのような経緯があり、千葉県教育委員会に再度3Dモデル作成のための閲覧申請をお願いしてこの3Dモデルを作成した次第です。
写真ではわかりにくい爪形の凹みを3Dモデルで確認観察することができます。特に写真を消してMatcap表示すると確実な観察になります。
観察記録3Dモデルを作成することにより千葉県出土縄文土器の最初期のものの意匠の一部を自分の目でシッカリと観察できました。この結果次のような問題意識をもつことができました。
・隆起線文と爪形文がどのような意味を持っているのか。具象物の象徴であるのか、抽象模様と言い切れるのか。機能から生れたのか(滑り防止、煮沸後の放熱促進、・・・)。
・最初期の縄文土器になぜ隆起線文と爪形文が使われたのか。(模様だけなら沈線でも自由に書けるはず。)
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