花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.179 萱田遺跡群の鉄製品出土物 その4 稀少道具類
萱田遺跡群の鉄製稀少道具類をみてみます。ただし鍵類は別記事で検討します。
次の図に稀少道具類出土状況を書きこんでみました。
萱田遺跡群出土稀少道具類(鍵類を除く)
斧は全部で7点出土していて4遺跡に分散しています。鋏は3点、鉇(やりがんな)2点、鋸(のこぎり)・錐(きり)・やっとこ・ピンセット・燧金(ひうちがね)・釣針各1点出土しています。
主な道具の例を次に示します。
萱田遺跡群出土稀少道具類(鍵類を除く)
燧金は白幡前遺跡1Bゾーン(基地軍事司令部であったことを想定)出土であり、デザインされていることから、日常生活で使う製品というよりも高級将官が所持する軍用品であると想像します。
鋏(はさみ)(白幡前遺跡2Cゾーン出土)は現在では存在しない珍しい構造です。
2枚の刃の間に物を挟み、2枚の刃先を持って閉じて切るという仕組みです。
いくら科学技術が進歩していない古代であるといっても、どのように考えても使いにくいことこの上ないと思います。
井戸向遺跡では現在の洋鋏と同じ構造の鋏が出土しています。そちらの鋏は実用品であると考えます。
この珍しい構造の古代鋏をwebで検索したところレプリカの写真がみつかり馬見丘陵公園館に展示されていて、出土物は橿原考古学博物館が所蔵していて、古墳からの出土物らしいということが判りました。
しかしそれ以上の古代鋏の意義についての情報は得られませんでした。
情報がないので、勝手に空想が拡がってしまいますので、後で訂正必至であると予感していても、その空想をメモしておきます。
●古代鋏に関する空想
・同時代の近隣遺構から現在洋鋏と同じ構造の鋏が出土していることから、白幡前遺跡2Cゾーン出土の古代鋏は実用品ではないと考えます。
・白幡前遺跡2Cゾーンはこれまでの検討で陰陽師活動ゾーンであると考えてきています。
・従って、珍しい構造の古代鋏は陰陽師が使った鋏であると考えます。
・陰陽師が占術、呪術を行うときに、物(モノ)を象徴的に切るために使った専用具ではないだろうかと想像します。
・この珍しい構造の古代鋏自体の出自がそもそも実用品ではなく、占術・呪術具ではないだろうかと想像します。
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