2015年8月1日土曜日

参考 鎺(はばき)付刀子の例

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.178 参考 鎺(はばき)付刀子の例

2015.07.29記事「萱田遺跡群の鉄製品出土物 その2 刀子」で鎺(はばき)出土物の紹介をしましたが、井戸向遺跡で鎺(はばき)付刀子が出土していますので、参考までに紹介します。

井戸向遺跡Ⅱゾーン出土鎺(はばき)付刀子
「八千代市井戸向遺跡 -萱田地区埋蔵文化財調査報告書Ⅳ- 本文編」(1987、住宅・都市整備公団 首都圏都市開発本部・財団法人千葉県文化財センター)から引用

木質部は柄の一部と鎺(はばき)の上に帯状に残存している様子が見られます。
鎺(はばき)が付いているからと言って特段に大型ではないですから、鎺(はばき)の有無は刀子の大きさではなく、使いやすさ(高機能性)に関わる部品のようです。
つまり、鎺(はばき)がついていれば鞘に刀身がしっかりとおさまり、鞘の中で刀身は確実に宙に浮かんで、鋭利な刃先の保護ができるということです。

次の例は鞘の木質部と柄の木質部が残っている刀子です。

井戸向遺跡Ⅰゾーン出土刀子
「八千代市井戸向遺跡 -萱田地区埋蔵文化財調査報告書Ⅳ- 本文編」(1987、住宅・都市整備公団 首都圏都市開発本部・財団法人千葉県文化財センター)から引用

この刀子には鎺(はばき)はついていないようです。

次の例は柄の木質部が残っている刀子です。

井戸向遺跡Ⅰゾーン出土刀子
「八千代市井戸向遺跡 -萱田地区埋蔵文化財調査報告書Ⅳ- 本文編」(1987、住宅・都市整備公団 首都圏都市開発本部・財団法人千葉県文化財センター)から引用

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