1 新川における上ガス観察
花見川から散歩の足を延ばして大和田機場の先の新川（千葉県八千代市）の広い水面まで出かけました。
新川の水面にも上（うわ）ガス（天然ガス＝メタンガスの湧出）の現象がみられました。
新川で観察した上ガス
新川で上ガスが湧出している場所は、広い水面の中央部であり、岸付近には見られませんでした。おそらく岸付近の水面下には根固めブロックなどの構造物があるので天然ガスが湧出していないのだと思います。
花見川の高津川合流部付近では水面下に根固めブロックを見ることができる所がありますが、その部分に限って上ガス現象はありませんでした。
根固めブロックが蓋の役割をしていて、その部分では地層からの地下水湧出がないのだと思います。
なお、勝田川、高津川（コンクリート3面張）には上ガスはありませんでした。
勝田川に上ガスがないことから、上ガスがある場所は一定の深さまで地層を掘り込んだ場所の水面に限られると考えました。
これまでに観察した上ガス
2 花見川・新川における上ガス発生原因とその時期
2-1 花見川・新川における上ガス発生の原因
南関東ガス田において天然ガス生産をしている関東天然瓦斯開発株式会社に電話取材したところ、次のような情報を聞くことができました。
・上ガスを自分で採取して生活で使っている家庭から、地震でガスが出たり、出なくなったりすることがよくあると聞いている。地表付近の天然ガスは地震の影響を受けるようである。
・会社で生産しているガスは地下500m～2000mであり、東日本大震災前後で何らかの変化はなかった。
地表付近の天然ガスは地震の影響を受けて、上ガス現象も変化するという情報を聞いて、花見川・新川の上ガス現象は平成23年東北地方太平洋沖地震（2011年3月11日14時46分発生）及びその後の地震の影響で新たに発生するようになった上ガス現象であるいう仮説を持つことにしました。
2-2 花見川・新川における上ガス発生時期
現在観察される上ガスがずっと以前から花見川・新川に存在し、その現象を上ガス研究者（千葉環境研究センター）も河川管理者（千葉県千葉土木事務所）も事業者（水資源機構千葉用水総合管理所）も知らなかったということはありえないことだと思います。
花見川・新川の上ガスを私が最初に確認したのが2013年5月4日で5月5日に最初に写真撮影しました。
その時は数か月前からこのような現象があったのではないだろうかと憶測していました。
その後私の散歩写真（注）の水面部分を精密に判読すると、4月22日、4月15日、4月8日、4月5日…と遡って、何れにも上ガス現象は写っていませんでした。確認のためにさらに遡って過去3年分を見ましたが写っていません。
また、毎日の散歩で水面を見る（浮遊植物の観察、ゴミの観察、水鳥の観察、霧の観察等）ことも多く、上ガス現象があれば気がつく可能性は高いのですが、気づきませんでした。
こうした証拠と体験から、上ガス現象が始まった時期を2013年5月4日より2週間前までは遡らないところまで特定できると思います。「2013年5月はじめ頃」という言葉で表現できると思います。
花見川・新川の上ガス現象について、上ガス研究者（千葉環境研究センター）も河川管理者（千葉県千葉土木事務所）も事業者（水資源機構千葉用水総合管理所）も知らないことは当然でした。
注）散歩写真は全てカメラ（EX-ZR700）の最大画像サイズ（4608×3456pixels）で撮影し、精細な画像として保存している。
2-3 平成23年東北地方太平洋沖地震から2年2ヶ月経って上ガスが発生した原因（想像）
花見川・新川の上ガス現象は平成23年東北地方太平洋沖地震（2011年3月11日14時46分発生）及びその後の地震の影響で新たに発生するようになった上ガス現象であると仮説します。
地震から2年2ヶ月経ってから現象が顕在化した理由は、2011年3月11日に地下深部で生じた現象（ビールの入ったジョッキを揺すって泡がでるような現象）が地上まで到達するのに、何度かのその後の地震を必要として、時間がかかったのだと思います。
それほど地下深部で生じた現象であるので、広域現象であり、花見川・新川一帯に上ガスが発生しているのだと思います。
上ガス現象を、単に振動と泡の発生ということではなく、南関東ガス田帯の地殻変動現象の一つのサインとして考えたいと思っています。花見川流域の小崖地形（断層地形）と関連付けることができるような現象であるかどうか、考察してみたいと思っています。
＊ ＊ ＊
いつかの夕方に、上ガスの泡にライターで火をつけ、発火燃焼させてその写真を撮りたいと考えています。
＊ ＊ ＊
■□花見川流域を歩く■□にほんブログ村■□花見川流域を歩く■□にほんブログ村■□
0 件のコメント:
コメントを投稿