縄文土器学習 529
有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器学習を開始してます。この記事では中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡)を3Dモデルで観察します。
1 中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル
中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」
撮影月日:2021.01.06
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 55 images
展示の様子
展示の様子
3Dモデルの動画
2 GigaMesh Software Frameworkによる展開
GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ
GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド
GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工
3 観察メモ
口縁部の蛇行する隆線による文様とその周りの太い角押文が特徴的です。隆線の真ん中に沈線が刻まれていて隆線が強調されています。隆線には刻みが入りますが、一部には縄文が施文されているように観察できます。これまでの中峠式土器解釈では、口縁部蛇行隆線は水流の表象であると空想してきています。この土器の隆線も渦巻になり、水流表象の感を強めます。
隆線による文様
「中峠0地点型深鉢」の定義が判る資料を持ち合わせていないので、隔靴掻痒の感ですが、これまで観察した中峠0地点型深鉢と較べると確かに土器文様構成が似ています。
2021.01.04記事「中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」
2021.01.12記事「中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」
「中峠0地点型深鉢」の特徴は口縁部を巡る隆線が蛇行し、その隆線に刻みが入り(注1)、かつ完全に連続しない点や口縁部に縄文がないこと、口唇部が無文であること、胴部が縄文で埋められること(注2)、器形で頸部のくびれの下胴部にわずかな膨らみがあることなどがあるのではないかと思います。
注1…この土器(野田市東亀山遺跡)の口縁部隆線の一部には縄文が施文されているようです。
注2…標準資料土器(松戸市中峠遺跡)の胴部は縄文だけでなく、沈線による文様が施されています。
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