縄文社会消長分析学習 69
有吉北貝塚の発掘調査報告書掲載情報の分析的学習をはじめています。これまで学習ウォーミングアップを兼ねて早期、前期、後期の遺構・土器を学習してきました。これからメインである縄文時代中期の学習をはじめます。この記事では縄文時代中期学習計画として、当座の検討項目とその分析方法の概要をイメージしました。
1 縄文中期土器分類基準の学習
縄文中期土器分類基準(12群分類)について代表的な土器の実測図や写真を整理して、直観的に理解できるような手持ち資料を作成します。
縄文時代中期土器編年表
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
2 遺跡地形3Dモデルの構築
遺跡及びその周辺の地形3Dモデルはすでに1960年代千葉市都市図から作成してあります。しかし、遺跡学習の精度向上のために、有吉北貝塚発掘調査報告書掲載地形図から地形3Dモデルを構築します。
有吉北貝塚発掘調査報告書掲載地形図
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
3 竪穴住居分布図構築及び一覧表データベースとのリンク
竪穴住居分布図
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
竪穴住居一覧表(部分)
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
竪穴住居(168軒)の分布図をQGIS上に構築し、これと竪穴住居一覧表データベースをリンクさせます。これにより一覧表データの統計やその分布図作成が効率的に可能となります。
竪穴住居諸元・分布等の時期別変化、地形との関連などについて分析します。
4 土坑分布図構築及び一覧表データベースとのリンク
土坑(770基)の分布図をQGIS上に構築し、これと土坑一覧表データベースをリンクさせます。これにより一覧表データの統計やその分布図作成が効率的に可能となります。
土坑諸元・分布等の時期別変化、竪穴住居との関連、地形との関連などについて分析します。
土坑一覧表(部分)
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
5 埋設土器、ピット群
埋設土器(2基)、ピット群(1ヶ所)についてその位置をQGISにプロットし、情報とリンクさせ分析します。
6 斜面貝層
斜面貝層(5ヶ所)のそれぞれについて貝層の3Dモデルを構築し、必要に応じて出土遺物の出土場所を3Dモデルの中で特定できるようにします。これにより出土遺物間の前後関係などの把握を効率的に行うことが可能となります。
斜面貝層と台地遺構との関連、原地形との関連などについて分析します。
7 埋葬
今後学習方法を検討します。
8 遺物
土器・石器・土製品・貝製品・骨角歯牙製品・自然遺物について学習します、学習方法は今後検討します。
9 総合的分析
・総合的分析方法は上記1~8の活動のなかで随時検討し、試行的分析を行いながら検討します。
・近隣他遺跡の学習とも関連させ総合的分析を行います。
・既に進めている学習プロジェクト「アリソガイ製ヘラ状貝製品」検討は上記1~8作業成果を活用しながら並行して進めます。
・中期社会消長の関する自分の各種仮説を随時メモして蓄積発酵させることにします。
当座1→2→3と作業を進め、学習実施により自分が受ける感触がどのようなものであるのか確認することを楽しみ、必要なフィードバックを行いながら、順次歩みを進めることにします。
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