2021年10月19日火曜日

八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館」観覧

 八千代市立郷土博物館で開催されている「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」(主催:公益財団法人千葉県教育振興財団)を観覧してきました。

1 らくがく縄文館の趣旨

らくがく縄文館はいただいたパンフレット等によると次のような趣旨で開催されている事業です。

「研究者や芸術家をはじめ、多くの人々を魅了し続ける「縄文土器」。その研究テーマは、土器型式や地域性、文化、製作技法などの考古学に関わるものから、芸術的観点からみた造形美など、きわめて多岐にわたり、数多の「マナビ」を秘めています。令和3年度の出土遺物公開事業では、“えりすぐり”の縄文土器を県内外から集結させ、一挙大公開します。「らくがく縄文館」で縄文土器が秘めた「マナビ」に楽しみながら触れてみてください。」

千葉県出土縄文土器の優品を一挙に公開して縄文土器に興味を持つ市民に楽しんでもらう、学習してもらうという趣旨です。

2 展示の様子


入り口


展示の様子

次の5つの章に分かれて300の縄文土器が展示されています。説明パネルも大変充実しています。

第1章 縄文土器の美妙

第2章 縄文土器のライフサイクル

第3章 土器型式と標式遺跡

第4章 土器型式の移り変わり

第5章 土器型式から見る地域性と文化の広がり

3 最初に興味をもった土器

最近の自分は縄文土器そのものだけでなく「縄文時代と鳥との関係」とか「土偶」とかについても興味があります。そうした興味から、まず探したのが鳥関連土器です。ありました「鳥頭形突起付土器」。土器に鳥が付いた様子は初めてみるので感激です。


鳥頭形突起付土器(加曽利EⅣ式)印西市馬込遺跡

鳥頭形突起も4つ展示されています。


鳥頭形突起(すべて加曽利EⅣ式)

土偶そのものの展示はありませんが、縄文後晩期土器の顔面貼付文は興味が深まります。


土器内面の顔面貼付文(加曽利B式)鎌ヶ谷市中沢貝塚

勝坂式土器もいままで見たことがないものばかりで興味が深まります。


深鉢(勝坂Ⅰ式)市川市鳴神山A貝塚


動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)船橋市ユルギ松遺跡

異形台付土器も初めて見る器形のものがあり視線が釘付けになります。


異形台付土器(加曽利B3式)佐倉市宮内井戸作遺跡

興味のあるものについて3Dモデル作成用撮影をしていたら4:30閉館のメロディーが流れました。

4 配布資料

パンフレット2点、展示物リスト、しおりをいただきました。パンフレットは1冊の内容充実図書です。お土産(しおり)付きとはうれしいかぎりです。


パンフレット2点


展示物リスト、しおり

5 感想

らくがく縄文館はまるで自分の興味の対象を知っている人が、それに合わせて展示したような錯覚をおぼえる大変うれしい展示です。主催者の公益財団法人千葉県教育振興財団と八千代市立郷土博物館に感謝感謝です。

八千代市立郷土博物館における開催期間は10月16日~12月5日ですからまだ1ヵ月半あります。八千代市立郷土博物館は車で自宅から10分の至近距離にある博物館です。またとないラッキーチャンス到来です。多数回訪問して興味のある土器について観察を楽しみ、できるだけ多数について観察記録3Dモデルをつくりたいと思います。


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