八千代市立郷土博物館で開催中の「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」(主催:公益財団法人千葉県教育振興財団)の展示解説会に参加して縄文土器に関する最新情報を入手することが出来ました。
2021.10.23記事「らくがく縄文館展示解説会」
1 千葉県縄文土器の文様変遷図
展示解説会で得た最新情報の中に千葉県縄文土器の文様変遷図があります。
主な文様の変遷
とてもよく整理されています。この図について展示解説会で詳しい説明がありました。
この図を「展示解説会に参加しました」みたいなSNS投稿の中で紹介させていただきました。そうしたところFacebook関根達夫さんからこの図の文様を出土順に並べ替えたものを送っていただきました。とてもみやすくなります。文様の出現時間順がとてもよくわかりますので紹介します。
「主な文様の変遷」らくがく縄文館資料の関根達夫式組み換え図(出現順組み換え図)
まず最初に出現したのが無文・隆起線文・貼付文であり、次いで沈線文・爪形文が出現し、その次が縄文です。縄文が最初から存在していたのではないということをこの図で一目で意識することができます。
縄文から遅れて撚糸文が生まれるという情報も撚糸文が縄文の応用形であると考えると納得できます。
撚糸文から遅れて貝殻文が出現しますが、展示解説会での説明のとおり、縄文海進と対応して貝殻文が発生したと合理的に理解できます。貝殻文の終焉も縄文海進が海退に転じて海岸線が台地から遠ざかることと対応しているのではないかと考えます。
縄文前期になってはじめて、より一層装飾的であり技巧的な文様がうまれます。縄文+無地文(磨消)、(結節)浮線文、(結節)半隆起線文、沈刻文などです。これで縄文土器の文様がすべて出そろいます。
2 十三菩提式土器(千葉市文六第2遺跡)の文様
展示されている十三菩提式土器(千葉市文六第2遺跡)は結節沈線文と沈刻三角文の文様組合わせで埋め尽くされていて感動的です。遠目には縄文のように見えますが、近くでみると4本の半裁竹管を横並びセットにして結節沈線文をつくり、別の道具で深い沈刻三角文を穿っています。
十三菩提式土器(千葉市文六第2遺跡)の展示(中央)
十三菩提式土器(千葉市文六第2遺跡)の文様
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