2020年12月31日木曜日

2020年の趣味活動をふりかえる

 2020年の大晦日となりました。

コロナ禍で激変する状況にもかかわらず、この1年間皆様のおかげで趣味活動を維持発展させ、大いに楽しむことができました。

Blog、Twitter、Facebook、YouTube、Sketchfabでお会いし、いいね・情報・アドバイス・ご指摘などをいただいた内外皆様に心から感謝申し上げます。

この記事では2020年趣味活動で特別に印象的だった活動を反芻して楽しむことにします。

1 展示施設観覧

2020年はコロナ禍という制約のため9館について合計27回訪問観覧ということになりました。

1-1 加曽利貝塚博物館令和元年度加曽利E式土器企画展の観覧

多くの土器について3Dモデルを作成し、加曽利E式土器変遷の様子を学習しました。縄文土器が専門家によってどのように研究されているのか内部に入りこんで知ることができたような感覚を得ました。2020年は他の企画展も含めて加曽利貝塚博物館に10回通いました。

また、申請により異形台付土器2点、称名寺式土器1点の閲覧が実現し、その3Dモデル分析を楽しみました。


異形台付土器のGigaMesh Software Framework取り込み


称名寺式土器のGigaMesh Software Frameworkによる展開

1-2 尖石縄文考古館展示物の観覧

千葉でみる縄文土器とはかなり変わった形状の土器多数に圧倒されました。多くの土器や土偶の3Dモデルを作成し興味を深めました。縄文のビーナスなど中期土偶の代表作を見れたことはよい体験となりました。


抽象文土器のGigaMesh Software Framework展開

1-3 千葉市埋蔵文化財調査センター展示物の観覧

土偶・土版やサンダル状土製品に興味を持ち多数の3Dモデルを作成しました。サンダル状土製品は申請による閲覧が実現しました。なおサンダル状土製品は自分の仮想と異なり、サンダル(革靴)ではないことが判りました。

1-4 千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」の観覧

今年の展示館観覧で最も収穫の大きかったのが「ちばの縄文」です。5回訪問しました。千葉における代表的縄文遺物を全部集めたといえる企画でした。多数遺物について3Dモデルを作成しました。中期の珍しい土偶(養安寺遺跡の河童形土偶)やイルカ骨製箆状腰飾(有吉南貝塚)は興味が大いに発展しました。


養安寺遺跡出土土偶・土器


養安寺遺跡土偶の3Dモデル分析

1-5 上記以外の展示館訪問

上記以外に清瀬市郷土博物館、長野県立歴史館、長野県埋蔵文化財センター、印旛郡市文化財センター、伊那市創造館を訪問し貴重な遺物多数を観覧し、3Dモデルを作成しました。

2 アリソガイ製ヘラ状貝製品の学習

縄文中期東京湾岸貝塚ゾーン文化独自の製品と考えられるアリソガイ製ヘラ状貝製品に着目して、それが皮なめしに関連しているらしいという作業仮説を念頭に学習を開始しました。幸運にも西野雅人先生(千葉市埋蔵文化財調査センター所長)からアリソガイ現品(現生)を借用させていただき手元で実験を行うことができました。また申請により千葉県教育委員会森宮分室でアリソガイ製ヘラ状貝製品(有吉北貝塚、六通貝塚)を閲覧し3Dモデルを作成し分析できました。素晴らしい学習を始めることができ、現在進行形です。


アリソガイ製ヘラ状貝製品の3Dモデル分析

3 専門概説書の通読学習

山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の通読学習を行いそこから派生する多様な興味を深めることができました。この図書のおかげで全国の縄文遺跡について興味を持つことができました。また参考図書を芋づる式に学習して知識を縄文時代や縄文文化に対する視野を拡大することができました。例えば上黒岩岩陰遺跡とその文献(国立歴史民俗博物館研究報告第154集)を知ったことはその後の学習でとても役立ちました。


山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)kindle版

4 3Dモデルを軸とする分析技術の習得

4-1 内田裕治式土器展開写真の作成方法習得とGigaMesh Software Framework技術の習得

縄文土器展開写真作成方法として、清瀬市郷土博物館学芸員内田裕治先生から内田裕治式土器展開写真の作り方を教えていただきました。その直後GigaMesh Software Framework技術(主宰者Hubert Mara)を知り、3Dモデルから直接土器展開写真を作成する方法を習得しました。これらの技術は縄文土器学習の重要な基礎技術として学習の質を高めています。

4-2 3Dモデル関連ソフトの習熟

3DF Zephyr Lite、Blenderなどの3Dモデル関連ソフトを見様見真似で使っているうちに多少なりとも習熟の歩みを進めることができました。

4-3 QGIS関連技術の習熟

QGISとその3DモデルプラグインQgis2threejsに少しずつ習熟しました。12月に入ってからGRASSGIS機能(モジュールv.surf.rst)をQGISで展開して、等高線からDEMを生成させそれにより地形3Dモデルを作成できるようになり、遺跡学習に大いに役立っています。

4-4 DEM-Net Elevation APIを知る

世界の考古遺跡について学習するとき、その場所の地形3Dモデルを即作成できるサイトDEM-Net Elevation APIを知り、大いに役立っています。

5 縄文社会消長分析学習

千葉の縄文中期社会のはじまりと発展ピーク、衰退の全体像を「自分の眼で見てみたい」(データ・資料を自分が分析する中で知りたい)という願望に立脚する学習をなんとかかんとかスタートさせることができました。手始めは有吉北貝塚の発掘調査報告書学習です。今後どのように展開するのか、自分の肉体や精神の活力と対象物の巨大さが釣り合っていないことがわかっているだけに、快い軽度の不安定感をともないつつ、大いなる楽しみです。


有吉北貝塚の学習画面


有吉北貝塚の学習画面

6 感想

2020年は趣味活動における機能快(分析技術習得活用)を大いに楽しんだ年となりました。2021年はさらに活動を進展させたいと思います。

皆様、良いお年をお迎えください。


2020年の全ブログ記事(本編)のサムネール この記事を除いて364編

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2019.12.31記事「2019年の趣味活動をふりかえる

2018.12.31記事「2018年の趣味活動をふりかえる

2017.12.31記事「2017年の趣味活動をふりかえる

2016.12.31記事「2016年の趣味活動をふりかえる

2015.12.31記事「2015年をふりかえる

2014.12.31記事「1年をふりかえる

2013.12.31記事「大晦日の夜に1年をふりかえる



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