Reconstructing the Distribution of Earth Weights in 3D Space in Shell Layers (Artifact Database Trial)
I have created a prototype reconstruction of the distribution of earth weights in 3D space in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. Since earth weights are used for fishing nets, I believe that the distribution of earth weights is an indicator of fishing net disposal sites. The distribution characteristics of earth weights are clearly different from the distribution characteristics of pottery itself.
有吉北貝塚北斜面貝層3D空間における土錘分布復元資料を試作しました。土錘は漁網の錘ですから、土錘分布は漁網廃棄地点の指標であると考えます。土錘分布特性は土器そのものの分布特性とは明らかに異なります。
1 土錘3D分布図
土錘分布
3D座標が揃った土錘586件の分布図です。情報源は発掘調査報告書です。
北斜面貝層下流部斜面が主な分布域となり、上流部、谷頭部の出土は少なくなっています。またガリー流路における極端な集中はありません。
参考 土器分布
3D座標が揃った土器・土製品17481件の分布図です。
参考 朱塗土器分布
3D座標が揃った朱塗土器529件の分布図です。
土錘と朱塗土器は出土数は類似していますが、その分布特性が異なります。朱塗土器の廃棄原理と土錘(漁網)の廃棄原理が異なっていることが判ります。
2 メモ
土器・土製品全体、朱塗土器、土錘の3D分布をみると、いずれも北斜面貝層に広く分布しますが、密集性という観点でみるとそれぞれ分布特性が異なると直観的に観察できます。この直観的観察は統計的に検証して説明的に記述する予定です。
遺物種別の3D分布特性が異なる様子から、遺物毎に廃棄活動が異なっていた可能性を導くことができそうです。例えばガリー流路には土器が特段に密集して出土していますが、「土器塚」のような意味のある活動が存在していた可能性があります。
朱塗土器は北斜面貝層に満遍なく、特段の集中を避けるように分布していて、それが意味のある廃棄活動だったのかもしれません。
土錘は生産道具(漁網)の廃棄に伴うものですが、下流部に主な分布域があり、斜面貝層空間利用のおける緩やかなゾーニングが存在していたと想像します。上流部や谷頭部に人骨集中場所があり、土錘(漁網)廃棄はそうした聖的空間を避けていたのかもしれません。
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