ラベル 遺物データベース試用 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 遺物データベース試用 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年10月26日日曜日

貝層3D空間における散乱人骨と骨・歯の分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Scattered Human Bones and Teeth in a 3D Shell Layer (Artifact Database Trial)


I observed the relationship between the 3D distribution of scattered human bones and bones and teeth in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound.

Since the upper layer of the scattered human bone concentration area is located at the top of the bone and tooth distribution, I believe that this corresponds to the final stage of shell layer formation. The final stage of settlement corresponds to the peak period of burials in the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の散乱人骨と骨・歯の3D空間における分布の関係を観察しました。

散乱人骨密集域上層が骨・歯分布の最上層に位置することから、散乱人骨密集域上層は貝層形成最後期に該当すると考えられます。集落終末期が貝層における埋葬盛期になります。

1 散乱人骨と骨・歯の分布3Dモデル

散乱人骨と骨・歯の分布3Dモデル

散乱人骨:314件

発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの

骨・歯(散乱人骨を除く):33750件

遺物台帳記載で3D座標が揃ったもの

1件を直径5㎝球で表現

有吉北貝塚北斜面貝層

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画

2 散乱人骨と骨・歯の分布の様子

2-1 シーン1


散乱人骨


散乱人骨と骨・歯同時表示


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大1


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大2

2-2 シーン2


散乱人骨


散乱人骨と骨・歯同時表示


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大1


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大2

3 メモ

シーン1で観察できるように、散乱人骨密集域の上層が骨・歯分布の最上層に位置します。

貝殻投棄と骨・歯投棄が食料残滓投棄という点で同時的活動であると考えます。この考えに従えば、貝殻分布と骨・歯分布は略一致するという仮説を導くことができます。この仮説に従い、散乱人骨密集域上層は貝層形成最後期に該当すると考えます。よって、貝層形成最後期=集落終末期が貝層埋葬の盛期になると、大局観として、考えます。

集落終末期になぜ貝層埋葬が増えたのか、その理由は今後の検討課題です。台地上の竪穴住居や土坑における埋葬の時期別様子を観察してから、この検討課題に取組むことにします。


貝層3D空間における散乱人骨と土器・土製品の分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Scattered Human Bones and Pottery/Clay Artifacts in a 3D Shell Layer (Artifact Database Trial)


I observed the relationship between the distribution of scattered human bones and pottery/clay artefacts in a 3D shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. I found that the upper layer of the area with a high concentration of scattered human bones is stratigraphically higher than the area with the highest concentration of pottery. I am pleased that the scattered human bones have helped advance the understanding of the stratigraphy within the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の散乱人骨と土器・土製品の3D空間における分布の関係を観察しました。散乱人骨密集域上層が土器最密集域より層位的に上にあることがわかりました。散乱人骨を指標に貝層内層位認識が進んだことはうれしいことです。

1 散乱人骨と土器・土製品の分布3Dモデル

散乱人骨と土器・土製品の分布3Dモデル

散乱人骨:314件

発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの

土器・土製品:17481件

遺物台帳記載で3D座標が揃ったもの

1件を直径5㎝球で表現

有吉北貝塚北斜面貝層

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画

2 散乱人骨と土器・土製品の分布の様子

2-1 シーン1


散乱人骨


散乱人骨と土器・土製品同時表示


散乱人骨と土器・土製品同時表示 拡大1


散乱人骨と土器・土製品同時表示 拡大2

2-2 シーン2


散乱人骨


散乱人骨と土器・土製品同時表示


散乱人骨と土器・土製品同時表示 拡大1


散乱人骨と土器・土製品同時表示 拡大2

3 メモ

シーン1は散乱人骨密集域主部を見たものです。散乱人骨上層と土器・土製品の関係を見ると、散乱人骨上層の中に土器・土製品も混じりますが、散乱人骨の方が優っています。

シーン2は土器・土製品密集域主部を見たものです。散乱人骨は稀です。


人骨密集域と土器密集域の関係

人骨密集域上層には土器密集も重なります。しかし、土器最密集域とは層位的に上下関係になります。

人骨密集域は上下層の分けて観察できますが、下層が土器最密集域に層位的に連続するかどうかは今は不明です。

土器最密集域の土器型式は加曽利EⅡ式土器中~新であり、集落終末期の土器が加曽利EⅡ式土器新であることが判っています。この情報に当てはめると、散乱人骨上層は集落終末期(加曽利EⅡ式土器新)のものである可能性が濃厚です。

集落終末を迎える頃、恐らく困難な状況が発生し、人口急減して不用になった土器を大量投棄し、埋葬も増えた状況が発掘情報に反映されているものと想像します。


2025年10月25日土曜日

貝層3D空間における散乱人骨分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Scattered Human Bones in 3D Space in the Shell Layer (Artifact Database Trial)


A 3D model of the distribution of 314 scattered human bones, recorded in excavation reports and with complete 3D coordinates, was created. The main distribution area of ​​the scattered human bones was from the settlement at the head of the Gully Valley to the river channel. The scattered human bones are distributed in clusters, suggesting that the buried remains were broken up by shell layer movement. Furthermore, the scattered human bones are distributed in two layers, one above the other, suggesting two periods of burial activity.


発掘調査報告書に記載され3D座標が揃った散乱人骨314件の分布3Dモデルを作成しました。散乱人骨のメイン分布域はガリー谷頭部の集落より流路です。散乱人骨はクラスター状分布で、貝層流動で埋葬遺体がバラバラになったと想定します。また散乱人骨は上下2層に分布し、2期の埋葬活動が想定できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層散乱人骨分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層散乱人骨分布3Dモデル

散乱人骨件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):314件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


散乱人骨分布


参考 全遺物分布

2 乳児骨分布


乳児骨分布

3 接合骨分布


接合骨分布


接合骨資料

4 メモ

4-1 散乱人骨分布域

散乱人骨のメイン分布域はガリーの谷頭部の最も集落よりの流路になっています。この流路は土器投棄密集域にも重なります。

ガリー下流域斜面にも散漫に人骨が分布します。

4-2 人骨のクラスター状分布と想定埋葬形式

散乱人骨で接合した事例が1件あり、その分布がクラスター状になっていて、貝層流動の中で骨が切断して移動した様子と考えて矛盾がありません。また、散乱人骨は多くのところでクラスター状分布で構成されています。

このような状況から、貝層を掘って遺体を安置し、その上に貝層を被せた埋葬を想定すると、貝層の流動に伴い遺骨がバラバラになり、単位骨も破砕され、全体がクラスター状に分布したのではないかと想像します。最初に掘った穴(土坑)は同じ貝層で埋められたので、もしそのまま残ったとしても発掘現場での発見は困難であり、ましてや、貝層が流動しているので、痕跡はほとんど残らなかったと考えます。

発掘調査報告書では南斜面貝層の2土坑から各埋葬遺体1体が発掘され、発掘現場では土坑痕跡が不明瞭であると記載されています。


散乱人骨分布の特徴

4-3 乳児骨分布

乳児骨分布をみると、そのメイン分布域は散乱人骨メイン分布域と尾根1つ隔てた場所になっています。乳児埋葬は成人埋葬場所とは異なる場所に意識して行った場合があることを示唆していると考えます。

4-4 2層の分布

散乱人骨分布を3D画面でみるとメイン分布域では上下2層に分布している様子を観察できます。ガリー谷頭における浸食作用を上回る貝殻や土器投棄が行われ、その初期の斜面埋葬と終期の斜面埋葬の様子が上下2層の散乱人骨分布として表現されていると考えます。



2025年10月23日木曜日

貝層3D空間におけるイノシシ顎骨分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Wild Boar Jawbones in 3D Space in Shell Layers (Artifact Database Trial)


I created a 3D model of the distribution of 65 wild boar jawbones, each with its corresponding 3D coordinates, as described in excavation reports. In my prior research, I had found cases where wild boar jawbones were excavated in combination with hunting tools (stone arrowheads, fishhooks, arrowheads, and piercing tools made from bone, antler, and tusks). Therefore, I searched for these items throughout the entire area. Contrary to my expectations, the number of cases was only six out of a total of 65.


発掘調査報告書に記載され3D座標が揃ったイノシシ顎骨65件の分布3Dモデルを作成しました。イノシシ顎骨と狩猟道具(石鏃、骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具)がセットで出土する事例を事前研究で見つけていたので、それを全域を対象に探しました。結果は、予想に反して6件/全65件で少ないものでした。

1 有吉北貝塚北斜面貝層イノシシ顎骨分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層イノシシ顎骨分布3Dモデル

イノシシ顎骨件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):65件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


イノシシ顎骨分布


イノシシ顎骨出土状況

発掘調査報告書から引用、カラー化

2 イノシシ顎骨と狩猟道具との関係検討3Dモデル

イノシシ顎骨と狩猟道具との関係検討3Dモデル

イノシシ顎骨件数(直径10㎝球で表現):65件

石鏃及び骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具件数(直径5㎝球で表現):213件

いずれも発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


イノシシ顎骨と狩猟道具分布

3 イノシシ顎骨と狩猟道具との関係分析

2025.05.17千葉縄文研究会で荒木稔・西野雅人連名で「有吉北貝塚北斜面貝層における3D空間分析用データベースの構築と活用」を発表しました。この中で、「イノシシ顎骨と狩猟道具3点の接近出土」事例に着目しました。同様の事例が別にあるかどうか、イノシシ顎骨3D座標データと狩猟道具(石鏃、骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具)3D座標データを突き合わせて、接近性を確かめるPythonスクリプトをつくり、走らせてみました。

具体的にはイノシシ顎骨の一つ一つのデータについて、そのデータから0.3m圏内、0.5m圏内にある狩猟道具データの数をカウントしました。次のような結果となりました。

●イノシシ顎骨65件のうち、0.3m圏内に狩猟道具が出土するもの3件(うち0.5m圏内にも狩猟道具が出土するもの2件)、0.5m圏内にはじめて狩猟道具が出土するもの3件

結局、全体の9.2%にあたる6件のイノシシ顎骨について、0.5m圏内に狩猟道具出土を伴うことが判りました。この数値から、イノシシ顎骨と狩猟道具がセットで出土する事例は稀であると考えることができます。上記ペーパーを書いた時点で見つけた事例は特別な事例で、セット性はイノシシ顎骨一般に敷衍できないことが判りました。

2025年10月22日水曜日

貝層3D空間における貝刃分布復元(遺物データベース試用)

 Restoring the Distribution of Shell Blades in 3D Space in the Shell Layer (Artifact Database Trial)


A 3D model of the distribution of 264 shell blades, recorded in excavation reports and with complete 3D coordinates, was created. The distribution is characterized by a predominant location on the downstream slope of the entire shell layer on the northern slope. Additionally, there are approximately 10 areas where 3-6 blades are clustered together. It is possible to infer that the disposal of shell blades involves a different mechanism than general shell disposal.


発掘調査報告書に記載され3D座標が揃った貝刃264件の分布3Dモデルを作成しました。分布のメインが北斜面貝層全体の下流側斜面にあることが特徴です。また、3~6件が凝集している部分が10ヶ所程度存在しています。貝刃投棄について貝殻投棄一般とは異なる投棄原理があると推察できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層貝刃分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層貝刃分布3Dモデル

貝刃件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):264件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


貝刃の分布

2 磨貝分布


磨貝分布


参考 全遺物分布

3 メモ

貝刃分布のメインが北斜面貝層全体の下流側斜面にあることが特徴です。また、3~6件が凝集している部分が10ヶ所程度存在しています。貝刃投棄について貝殻投棄一般とは異なる投棄原理があると推察できます。

磨貝は件数が18件で数が少ないので、分布の詳しい分析は不向きですが、貝刃分布とは逆に北斜面貝層上流側にメイン分布域があります。磨貝の用途仮説の一つに毛皮なめし道具説があります。この仮説に立脚すると毛皮なめしに関わった人々がその道具の廃棄(埋納)場所に北斜面貝層上流側を使っていたという説明になります。


貝層3D空間における装飾品分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Ornaments in 3D Space in the Shell Layer (Artifact Database Trial)


I created a 3D distribution model of 55 ornaments (clay, stone, bone, horn, tooth, and shell) described in excavation reports with complete 3D coordinates. Notably, ornaments were excavated in large numbers from the downstream slope of the shell layer on the northern slope.


発掘調査報告書に記載され、かつ3D座標が揃った装飾品(土製、石製、骨角歯牙製、貝製)55件の分布3Dモデルを作成しました。装飾品は北斜面貝層の下流部斜面から多く出土していることが特徴です。

1 有吉北貝塚北斜面貝層装飾品分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層装飾品分布3Dモデル

装飾品件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):55件

内訳

土製耳飾(前期耳飾1件、中期耳飾4件)赤色:5件

石製装飾品(コハク製装飾品など)青色:11件

骨角歯牙製装飾品(イノシシ犬歯製垂飾など)灰色:17件

貝製装飾品(イモガイ製腰飾など)黄色:22件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


装飾品の分布

2 素材別装飾品分布

2-1 土製耳飾分布


土製耳飾分布

2-2 石製装飾品分布


石製装飾品分布

2-3 骨角歯牙製装飾品分布


骨角歯牙製装飾品分布

2-4 貝製装飾品分布


貝製装飾品分布

2-5 参考 全遺物分布


全遺物分布

3 メモ

装飾品の分布は貝層分布域に限られています。

装飾品は北斜面貝層の下流部斜面から多く出土していることが特徴です。この傾向は貝製装飾品で顕著です。ただし、土製耳飾は全て上流部それも谷頭部から出土しています。

装飾品の投棄(埋納)は単純な廃棄活動が考えづらく、埋葬や何らかの祭祀と関わっていたと想像しますので、その分布を今後詳しく検討します。



2025年10月21日火曜日

貝層3D空間における骨角歯牙製品分布復元(遺物データベース試用)

 Restoring the Distribution of Bone, Horn, and Dental Artifacts in 3D Space in the Shell Layer (Artifact Database Trial)


I created a 3D distribution model for 142 bone, horn, and dental artifacts listed in excavation reports with complete 3D coordinates. I also created and compared 3D distribution models by subcategory (ornaments, fishhooks, arrowheads, piercing tools, spatula-shaped products, blade-shaped processed products, processed products, and other). Two distinct distribution patterns appear to exist.


発掘調査報告書に記載され3D座標が揃った骨角歯牙製品142件の分布3Dモデルを作成しました。さらに細分類別(装飾品、釣針・鏃・刺突具、ヘラ状製品・刃器状加工品・加工品・その他)についても分布3Dモデルを作成し、比較しました。2つの異なる分布パターンがあるようです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層骨角歯牙製品分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層骨角歯牙製品分布3Dモデル

骨角歯牙製品件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):142

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


骨角歯牙製品の分布

2 骨角歯牙製品の細分類別

2-1 装飾品分布


装飾品分布

2-2 釣針、鏃、刺突具分布


釣針、鏃、刺突具分布

2-3 ヘラ状製品、刃器状加工品、加工品、その他


ヘラ状製品、刃器状加工品、加工品、その他分布

2-4 参考 全遺物分布


参考 全遺物分布

3 メモ

発掘調査報告書に記載されている骨角歯牙製品は163件あり、そのうち142件の3D座標が揃いました。

骨角歯牙製品の分布は貝層分布域に限定されています。

用途を装飾品、狩猟道具、一般道具の3類型にわけてその分布をみると、狩猟道具と一般道群の分布が異なるように観察できます。狩猟道具はガリー流路谷底沿いに多く、一般道具は斜面に多いように分布域をまるで棲み分けしているようにみることができます。装飾品の分布は一般道具の分布と似ているように感じることができます。結果として、骨角歯牙製品はガリー流路谷底沿いをメインにした細分類種群と斜面をメインとして分布する細分類種群に2分できるように捉えることができそうです。

同じ骨角歯牙製品といっても投棄場所が違っているものが含まれています。


2025年10月20日月曜日

貝層3D空間における骨・歯分布復元(遺物データベース試用)

 Restoring the Distribution of Bones and Teeth in 3D Space in Shell Layers (Artifact Database Trial)


A 3D model of the distribution of 34,050 excavated bones and teeth was created. The bones and teeth closely match the distribution in the shell layers. In contrast to the bones and teeth, the distribution of 17,481 pottery and earthenware artifacts is also distributed in the gully mud layer surrounding the shell layers. The distribution density of bones and teeth is higher in the middle slope, while that of pottery and earthenware artifacts is lower in the slope.


出土した骨・歯34050件の分布3Dモデルをつくりました。骨・歯は貝層分布とほぼ一致します。骨・歯とくらべて土器・土製品17481件分布は貝層周辺のガリー流路泥層にも分布します。分布密集域が骨・歯は斜面中部に、土器・土製品は斜面下部にあり、異なります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層骨・歯分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層骨・歯分布3Dモデル

骨・歯件数(3D座標が揃ったもの):34050

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


骨・歯分布

2 骨・歯と土器・土製品の3D分布オーバーレイ

骨・歯と土器・土製品の3D分布オーバーレイ

骨・歯(黄色球):34050件、土器・土製品(赤色球):17481件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


骨・歯と土器・土製品の分布オーバーレイ

3 参考 有吉北貝塚北斜面貝層土器・土製品分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層土器・土製品分布3Dモデル

土器・土製品(3D座標が揃ったもの):17481

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


土器・土製品分布

3 メモ

・骨・歯の分布は貝層分布と直接対応しているように捉えることができます。

・土器・土製品の分布は骨・歯の分布≒貝層分布より広く、ガリー流路が運ぶ泥層にも分布します。

・試行分析した区間では土器・土製品は斜面下部に、骨・歯は斜面中部に密集域あり、密集域の場所が語となります。北斜面貝層全体でもその傾向みられるように観察できます。しかし骨・歯が密集しすぎて、土器・土製品との集中域に関する関係を直観的画像として示しにくくなっています。

・今後、骨・歯分布と土器・土製品の分布の違いについて、統計分析的に取組む予定です。


貝層3D空間における石器種別分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Stone Tool Types in 3D Space in Shell Layers (Artifact Database Trial)


I created 3D distribution models for seven stone tool types, including arrowheads, and based on these, created planar and elevational orthogonal projections. Comparing the stone tool types, arrowheads were primarily distributed at the upper slope, while chipped stone axes were primarily distributed at the lower slope. This difference is intriguing. It turns out that comparative analysis of artifact type distribution is highly valuable.


石鏃など7つの石器種別の分布3Dモデルを作成し、それに基づいて平面オルソ投影図と立面オルソ投影図を作成しました。石器種別を比較すると、石鏃は斜面上部にメイン分布域があり、打製石斧は斜面下部にメイン分布域があり、その違いに興味が湧きます。遺物種分布を比較分析する価値が大きいことが判明しました。

1 石器種別データ

遺物台帳を悉皆的に電子化したデータに基づく有吉北貝塚北斜面貝層遺物データベースでは石器・石出土が2425件あります。この内一括出土などはグリッド内平面座標がないため、これらを除いて3D座標が揃った石器・石は2045件です。さらに発掘調査報告書で石器種別が記載されているのは795件です。この795件の石器・石種別データについて、主なものについて3D空間分布を観察することにします。

●発掘調査報告書に記載された石器・石種別件数

打製石斧 106

石錐 7

石製品 11

石皿 30

軽石製品 38

楔形 62

磨製石斧 44

oef 3

礫 32

礫器 1

石核原石 19

石鏃 145

磨石類 122

叩石 1

砥石 3

砥石状砂岩 156

urf 15

2 主な石器種別分布

出土件数の多いものを中心に主な石器種別3D分布を平面図と立面図で表現しました。石鏃は3Dモデルとその動画も付けました。

2-1 石鏃

有吉北貝塚北斜面貝層石鏃分布3Dモデル

石鏃件数(発掘調査報告書記載件数):145

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


有吉北貝塚北斜面貝層石鏃分布動画


石鏃分布

2-2 打製石斧


打製石斧分布

2-3 磨製石斧


磨製石斧分布

2-4 石皿


石皿分布

2-5 磨石類


磨石類分布

2-6 楔形


楔形分布

2-7 砥石状砂岩


砥石状砂岩分布

3 メモ

分布図を総観的に見て、次の感想を持ちました。

・石鏃分布と打製石斧分布を見ると、石鏃分布の方が打製石斧分布より、より斜面上部に分布していることが判ります。石鏃は斜面のより上部で投棄(埋納)され、打製石斧はガリー流路谷底付近で投棄されたものが多いようです。石鏃は狩猟道具であり、男の活動の象徴的道具である意味があります。打製石斧は土の掘削道具であり、ガリー谷底における何らかの掘削作業に関わったのかもしれません。石鏃と打製石斧の分布比較から興味ある事象のヒントが生まれました。

・磨製石斧分布と打製石斧分布をくらべると、打製石斧のほうが斜面下部や谷底により多く分布していることが判ります。

・石皿の分布は平面でみるとガリー谷(貝層分布域)の上流と下流で分布数がほとんど同じですが、磨石類は上流で多く、下流で少なくなっています。石皿と磨石が調理道具として一緒に使われていたと想像すると、二つの分布は類似すると考えられますが、違っているので興味が湧きます。

・砥石状砂岩の分布が貝層分布と近似しています。ガリー流路の泥層から出土していません。骨・歯分布が貝層分布と近似する現象は理解できますが、砥石状砂岩の分布がなぜこのようになるのか、今後詳しく検討することにします。砥石状砂岩の用途が何であったか、自分が知らないので、この興味ある分布の意味が判らないのかもしれません。

4 分布の統計分析について

11月ごろから、遺物種別分布の比較統計分析を次の項目で行う予定です。

●遺物種別分布の類縁性統計分析 試行

1 基本的な空間統計指標による分布比較

・平均最近隣距離(ANN)

・実際のANNとランダム分布した場合のANNを比較(集中しているかどうかだけの比較)

2 密度分布解析

・立体的カーネル密度推定(遺物数の異なる2つの密度推定を比較できるようにする)その密度の違い、分布の違いを分析する。

・類似度直接評価(空間重なり度、どれだけ動かせば一致するか)

・空間的自己相関(局所集中の存在の比較)

3 多数種別のデータ(例ANNとか相互の種別近隣距離平均とか)を統計分析して、遺物種をクラスタリング(類型区分)する。分布形状や密集度が類似する遺物種をグループに分ける。