2011年3月18日金曜日

花見川中流紀行 19活断層存在の可能性4


 東日本巨大地震の被害状況は、18日午前9時現在で死者6405人、行方不明10259人と報道され、加えて安否不明の方が少なくとも25000人に達し、避難者は38万人以上という未曾有の大災害となりました。
 犠牲になられた方々のご冥福を祈るとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げます。
 国民に与えられた突然の大試練として受け止め、もがき苦しみながら、状況打開のための取組に全国民が一体となって参加し、一歩一歩進むしかありません。
 救援活動の現場にいない者の一人として、当面は節電等の社会的要請に応えるとともに、被災された方の苦しみと心を合わせるとともに、前をむいて生きていきたいと思います。

安政大地震で大地開裂が起きた柏井村八斗蒔の現況
            花島橋下流、現在水田はない
 さて、私は、このブログの3月3日、4日、6日の記事で活断層存在の可能性について話し、8日には巨智部忠承「印旛沼堀割線路中断層の存在」(地学雑誌4巻3号 明治25年)を掲載しました。私は、この付近の河川争奪との関わりで、この論文に興味を持ったのですが、一方もし本当に活断層の可能性があるならば、現実生活の防災面で影響があるかもしれないと思い、念のため千葉県と千葉市の防災部局にこのような論文を見つけたという情報提供をしました。

 東日本巨大地震発生4分前の3月11日14時42分に、千葉県総務部消防地震防災課より次のようなメール返答をいただきましたので、参考として掲載します。
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活断層を示唆する情報に対する回答(消防地震防災課)

○○ 様
活断層に関する御質問に回答させていただきます。

県では、阪神・淡路大震災後、県陸域で活断層との指摘があった東京湾北縁断層、鴨
川低地断層帯の活断層調査を実施し、どちらも活断層は確認できなかったとの調査結
果を得ました。また、国(地震調査研究推進本部)では、東京湾北縁断層は活断層では
ない、鴨川低地断層帯は活断層である確実な証拠がない(可能性が少ない)と公表して
います。

東京湾北縁断層の調査では、下総台地には新しい地層が厚く分布し地表にはなかなか
活断層の痕跡が残らないことから、通常の活断層調査(トレンチ調査)ではなく反射法
地震探査という物理調査を実施しました。

この活断層調査に加え同じ調査方法で、県北西部地域の地下構造調査を実施しまし
た。調査結果は、活断層調査と同様に基盤岩(先第三系)から地表まで連続し、地層を
変位させるような活断層は確認できませんでした。

このことから、千葉県では県域には活断層は確認されていません(地震を発生させ
た、発生させる活断層は確認できない)。

以上、千葉県の活断層について回答します。
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 千葉県域には活断層は確認されていないという回答です。この回答にある調査結果はWEBで公開されています。
 花見川の近くに居住するものとして、現実生活面では一安心となりました。

 上記回答には巨智部忠承論文に関する論評はありません。今後は、この巨智部忠承論文について、河川争奪との関わりから地学現象理解の素材の一つとして追究していきたいと思います。
 そのためには追々、専門家の方から話しを伺うようなことが必須となるとおもいます。市井の一散歩者が専門家の話しを聞くような機会をどのように得るのか、そのルートを見つけたいと思います。

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