2013年2月8日金曜日

立川断層トレンチの見学

(「立川断層トレンチ公開のお粗末」に関する後日談記事を2013.3.29記事として掲載してあります。)

花見川流域の小崖地形(断層地形)をつくった地殻運動が花見川河川争奪の大きな要因の一つであり、また花見川流域に見られる浅い谷形成の主因であります。
長沼池も小崖地形をつくった地殻運動で生まれました。

昨日の記事(「下総台地の地形発達史」の過去記事とりまとめ資料の作成方針)を書くために、この小崖地形をつくった断層について考えている最中に、新聞やTVで立川断層トレンチの一般公開があることを知りました。
断層調査についての最新動向を知ることのできる向学の良い機会だと直感し、早速見学してきました。

以下、立川断層トレンチ見学について報告します。

1 立川断層帯トレンチ調査一般公開の概要
・趣旨:東京大学地震研究所は、「立川断層帯の重点的調査観測」(文部科学省)の一環として、立川断層の地表付近の構造や活動履歴を推定するためのトレンチ(調査溝)調査を実施し、断層が露出しています。この度、調査現場の一般公開を以下の要領で実施します(後援;日本地質学会関東支部)。
・開催日:2月8日、9日
・場所:真如苑プロジェクト用地(武蔵村山市榎1-17)

2立川断層の概要とトレンチ調査の背景
立川断層帯は立川断層と北に続く名栗断層で構成され、長さ約33kmで、平均変位速度は0.2-0.3m/千年程度(上下成分)、横ずれ成分は不明です。 最新活動は約2万年前以後、1万3千年前以前で、平均活動間隔は1万-1万5千年程度です。

2011年東北太平洋沖地震後首都圏での地震活動が増加し、活断層による被害地震の発生が危惧されています。しかし、立川断層の活動履歴については充分な資料がなく、また横ずれ成分の平均変位速度が不明となっています。また立川断層付近は人口密集地となっており、精度の高い強震動予測が必要とされています。

3 見学報告
次の図に、トレンチ掘削前の写真にトレンチの位置、立川断層の位置、私の移動ルートを書き込みました。
この土地は既に小崖地形(断層地形)は失われています。

トレンチの位置と見学ルート

次の写真がトレンチの全景です。正面にきれいな富士山が見えました。

トレンチ全景

次は立川断層の説明板です。断層が立川礫層を切っています。

立川断層の説明板

この説明板と同じ場所の写真です。

立川断層の様子

立川断層の様子(拡大)

4 感想
花見川流域の小崖地形(断層地形)について今後どのように調査していくか、予備知識もほとんどなく、思案も進んでいなかったので、今回のトレンチ見学は大いに参考になりました。

この記事では省略しますが、立川断層帯調査の資料が東京大学地震研究所のホームページで公開されていて、小崖地形及びそれをつくった断層についてどのようにアプローチしたらよいか幾つかのヒントをえることができました。

この見学で知った最先端技術を動員した調査を花見川流域で望めないことは当然ですが、無手勝流の私一人でも花見川流域で何かできそうだというポジティブな感情を持つことができたことはうれしいことです。

5 参考 花見川流域の小崖地形

花見川流域の小崖地形
北(図の右側)から小崖2、小崖1、小崖3の3つの小崖地形が確認できる。

小崖地形
小崖1によりできた坂道(千葉市千種町)

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