2026年4月20日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の貝層発達大局観(予備解釈)

 A Broad Perspective (Preliminary Interpretation) on the Shell Layer Development of the Northern Slope Shell Bed of the Ariyoshi Kita Shell Mound


A broad perspective on the shell layer development of the northern slope shell bed of the Ariyoshi Kita Shell Mound came to mind, so I jotted it down before it faded away. This is a truly satisfying broad perspective on shell layer development that I've finally arrived at after several years of consideration.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層発達大局観が脳裏に浮かびましたので、消えないうちにメモしました。数年越し検討ではじめて生まれた納得感のある貝層発達大局観です。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の貝層発達大局観(予備解釈)


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層発達大局観(予備解釈)

北斜面貝層の上流部を②断面で、中流部を⑥断面で、下流部を⑪断面で代表させています。

1 崩落層形成(崩落現象)

ガリー侵食によりガリー浸食谷が生じ、浸食谷側面に斜面上部から台地構成層が崩落し、崩落層が形成しました。

2 斜面貝層形成(貝殻投棄→高濃度流による移動・堆積))

崩落層上面は急斜面になっていますが、その急斜面に向けて、左岸台地面端から貝殻や生活残滓が投棄されました。降雨により貝殻などは高濃度流(貝殻泥流)となって斜面を下りました。右岸からも高濃度流(砂泥流)が発生しました。左岸と右岸の高濃度流は谷底付近で接触(衝突)しましたが、混ざり合うことはありませんでした。

3 上流浸食、下流堆積(流水による浸食・運搬・堆積)

上流で2斜面貝層などが浸食され、それが下流で堆積する流水による浸食・運搬・堆積現象が突然発生し、収束しました。

4 斜面貝層形成(下流のみ、貝殻投棄→高濃度流移動・堆積)

下流でのみ、再び貝殻などが投棄され、それが高濃度流で移動堆積して4斜面貝層が形成されました。4斜面貝層は3堆積層を覆い、ガリー浸食谷は完全に埋まりました。

2 感想

北斜面貝層全体を通した貝層発達大局観をはじめて持つことができました。この大局観で第2断面から12断面まで齟齬なく説明できます。

ただし、詳細に踏み込むと、次のような事象をどのように位置付けるか、今後細部の検討が必要です。

・下流の崩落層では湖成層のような層相のところがあり、堰き止めがあったようです。この事象をどのように位置付けるか。

・2斜面貝層は中流では密集土器を指標に2区分しました。下流部の検討(※)では層相から5区分しました。今後全体を通して適用できる区分を行う必要があります。

・中流、下流の右岸側2斜面貝層(実際は貝層ではなく土層)に崩落層が含まれている可能性があります。

※ 荒木稔・西野雅人:有吉北貝塚北斜面貝層における3D空間分析用データベースの構築と活用(2025.05、千葉縄文研究会)


0 件のコメント:

コメントを投稿