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2026年7月30日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面の特性

 Characteristics of the Removed Cross-Section of the Shell Midden on the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden


I examined the characteristics of the removed cross-section of the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden by comparing photographs of the exposed cross-section taken immediately prior to removal with a 3D model of the removed cross-section.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面について、剥取直前の断面露頭写真と剥取断面3Dモデルを比較することにより、剥取断面特性について確認しました。

1 剥取断面3Dモデルでみる表面の凹凸


剥取断面3Dモデル正面オルソ画像(左)と凹凸色分図(右)

凹凸色分図は寒色が凹部を、暖色が凸部を表現しています。


剥取断面3D斜め画像(左)と凹凸色分図(右)

剥取断面の左下部を除くと、全体に次の特徴を認識できます。

・斜面貝層分層毎に凸部と凹部に分かれていて、その激しい凹凸が3Dモデルで確認できる。

・斜面貝層下部で凸形状が激しく、上部でその傾向が緩和される。

2 剥取断面3Dモデルと剥取断面露頭写真の比較


剥取断面3Dモデル正面オルソ画像(左)と剥取断面露頭写真[正面オルソ投影、反転](右)

次の特徴を観察できます。

・露頭断面で白い部分(二枚貝密集域)が3Dモデル凸部に対応する。褐色部(貝殻含有率の低い土層)が3Dモデル凹部に対応する。

3 特性メモ

露頭で白色部(二枚貝密集域)は3Dモデル凸部に対応し、褐色部(貝殻含有率の低い土層)は3Dモデル凹部に対応します。

この対応関係の発生の要因は断面露頭から薬剤で貝層を剥ぎ取る時、貝殻密集域は貝殻という固形物が接着しやすく、奥深くまで剥ぎ取りやすいが、貝殻の割合が少ない土層域では貝殻と貝殻が離れているため接着しにくく、浅い部分しか剥ぎ取れなかったためであると想定します。

なお、これまでの剥取断面現物観察、3Dモデル観察から、貝殻と土の割合によっては、貝殻だけが剥ぎ取られ、土がほとんど脱落してしまった場合など、露頭で観察できる貝殻と土との割合がそのまま剥取断面に反映されていない場合があることを念頭に、3Dモデル観察することが大切であるこ考えます。


2026年7月29日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルのファブリック分析

 Fabric Analysis of a 3D Model of the Shell-Midden Profile from the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden


I conducted a pilot fabric analysis in May and June using a 3D model of the shell-midden profile from the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. Based on the results, I am now commencing the full-scale analysis. My objective is to measure parameters such as the apparent size, orientation angle, and shell position of the bivalves across the surface area and to create distribution maps based on this data.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルのファブリック分析テストを5月、6月に行いました。その結果を踏まえ、本格作業を開始します。二枚貝の見かけの大きさ、偏位角、殻位などを面的に計測し、それらの分布図作成を目指します。

1 分析区と作業単位の設定


剥取断面の分割プレート


分析区と作業単位


参考資料(オルソ投影写真とセクション図)

剥取断面分割プレートに即して、ファブリック分析の分析区と作業単位を設定しました。

標準分析区の大きさは1m×1m、作業単位の大きさは25㎝×25㎝です。


作業単位と貝殻視認性のイメージ


剥取断面における作業単位の大きさのイメージ

2 観察項目

観察項目は次の通りとします。

●二枚貝観察項目

・見かけの大きさ

・偏位角

・殻位(出土姿勢)

●土器片

・見かけの大きさ

・偏位角

・出土姿勢

●その他

・大形巻貝など

3 分析項目と分析目的

観察項目毎に剥取断面平面分布図を作成し、項目間相関分析等を行います。この分析資料を貝層・遺物移動事象解明のための基礎資料とします。


剥取断面平面分布図作成のための座標設定

4 メモ

剥取断面3Dモデルは周回撮影の視点場が断面中下部に限定されているので、データ取得できる範囲が限定される可能性があります。

剥取断面3Dモデルとは別に、正面オルソ投影した写真を対象に、観察項目を変更してファブリック分析することも予定します。

2026年7月23日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルの改善

 Refining the 3D Model of the Natural Substrate Topography for the Shell Midden on the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden


I have corrected problematic issues in the 3D model of the natural substrate topography for the shell midden located on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. The most significant issue—where a large volume of artifacts at the valley head protruded beyond the natural substrate surface—was resolved by using the "Grab" brush in Blender's Sculpt Mode to pull the terrain into alignment.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルに存在していて不都合を改善しました。最大の懸案事項であった、谷頭部における大量遺物の地山地形外飛び出しは、BlenderスカルプトモードでGrabブラシで地形をひっぱり、解決しました。

1 地山地形3Dモデルの不都合

これまでの地山地形3Dモデルには次の不都合がありました。

・ガリー谷西岸の穴(2ヶ所)

・ガリー谷底の異常低値

・谷頭部頭部の斜面不自然

・谷頭部遺物はみ出し


谷頭部遺物はみ出しの様子(地山地形3Dモデルを地中から眺めた様子)

2 不都合の改善

最大の懸案事項であった、谷頭部における大量遺物の地山地形外飛び出しは、BlenderスカルプトモードでGrabブラシで地形をひっぱり、解決しました。


改善された地山地形3Dモデル


改善された地山地形3Dモデル(遺物も表示)

3 メモ

Blender操作に使ったBlenderPythonスクリプトは次の3種です。

・csvファイル(XYZ座標付点情報)をBlender3Dビューポートに点群としてプロットするBlenderPythonスクリプト

・Blender3Dビューポートにプロットされた点群から地形3Dモデルを作成するBlenderPythonスクリプト

・Blender3Dビューポートで改変された点群をcsvファイルにエクスポートするBlenderPythonスクリプト


2026年7月22日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層と地考古学(Geoarchaeology) その2

 The Ariyoshi-kita Shell Midden (North Slope Deposit) and Geoarchaeology: Part 2


I hypothesized that the shell deposit on the north slope was formed through the dumping of materials—such as shells and pottery fragments—from the upper part of the slope by Jomon people, followed by repeated gravitational redeposition and final accumulation. I have outlined the conceptual approach for testing this hypothesis.


北斜面貝層は縄文人によって斜面上部から貝殻や土器片などが投棄され、それらが重力性再移動を繰り返した後、最終堆積して形成されたと仮説しました。この仮説検証方法のイメージをまとめました。

この記事は2026.07.21記事「有吉北貝塚北斜面貝層と地考古学(Geoarchaeology)」の続きです。

1 これまでの検討で浮かび上がってきた北斜面貝層形成仮説

【北斜面貝層形成仮説】

北斜面貝層は縄文人によって斜面上部から貝殻や土器片などが投棄され、それらが重力性再移動を繰り返した後、最終堆積して形成された。


北斜面貝層形成仮説のイメージ

【仮説背景情報】

・急斜面に斜面貝層がサージ状・塊状に発達している。

・単位斜面貝層は斜面下部で大きな貝殻・密集、斜面上部で小さな貝殻・まばら~貝殻なしという、素材大きさ・密度のグラデーションとなっている。

・単位斜面貝層では斜面下部に土器片が密集し、斜面上部では土器片がまばらとなる。

・単位斜面貝層の斜面下部の土器片は80%が下凸形で堆積していて、土器片が回転して安定した形で最終堆積した様子がうかがえる。(斜面ではない加曽利貝塚での土器片は下凸形50%となっている。)

・出土土器型式の位置関係から、規模の大きな貝層逆転現象が見られる断面がある。

2 仮説検証ステップ

2-1 人為的投棄の確認

斜面上部から縄文人によって貝殻や土器片が投棄された蓋然性は高いと考えられるが、本当にそういえるのか、検証します。投棄場所、投棄時期について分析し、投機単位、投棄頻度などについて情報が得られるか検討します。同一斜面の上部と下部から出土した土器片の接合について、人為的投棄の証拠として検討します。

2-2 投棄後に斜面下方へ再移動したことの確認

貝殻・土器片の粒径・密度・配向・接合関係などから貝殻が投棄後に斜面下方へ再移動したことを検証します。

2-3 再移動メカニズムの検討

再移動メカニズムとして次のようなファクターが考えられます。

【再移動メカニズムファクター】

・雨水を含む高濃度流

・乾燥粒状流

・泥質基質流動

・表面流洗堀・再堆積

・人による斜面貝層利用及び人動物による踏圧移動

これらのファクターが再移動にどの程度寄与しているか、以下の資料を作成して検討することにします。

【ファクター検証資料】

・地山地形3Dモデル

・貝層分布3Dモデル

・遺物分布3Dモデル

・剥取断面ファブリック分析結果

・土器接合資料

3 メモ

仮説検証ステップの2-1と2-2はこれまでの検討で情報がかなり集まってきています。2-3再移動メカニズムの検討が最も重要です。これまでの検討で高濃度流(規模の小さな土石流)関与が濃厚になってきていますが、それがどの程度寄与しているかなどはまだ不明です。メカニズムの検討は個人で行うイメージではなく、北斜面貝層発掘担当専門家や地考古学専門家との相談による新たな検討フェーズに移行すると想定します。


2026年7月21日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層と地考古学(Geoarchaeology)

 The Shell Midden on the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden Site and Geoarchaeology


On two occasions—once at the end of May and again at the end of June—I employed the term "data synthesis" in an attempt to form a rough, hypothetical overview of the developmental history of the northern-slope shell midden currently under study. I intended for this to serve as a crucial step toward accelerating the analysis.

Unfortunately, things did not go as planned. However, identifying that the obstacle standing in my way lies within the field of geoarchaeology represents a significant achievement.


5月末と6月末の2回にわたって、データ総集という用語を使って、今検討している北斜面貝層発達史の全体像をざっくりと仮説的に理解しようとしました。これを検討における重要なステップにして、検討加速を目指したのです。

残念ながら目論見通りにはなりませんでした。しかし立ちはだかる壁が地考古学(Geoarchaeology)という分野であることが判ったことは大成果と言えます。

この記事は2026.06.24記事「有吉北貝塚北斜面貝層のデータ総集 その2」に続く記事です。

1 6月末以降の取組み

6月末以降、北斜面貝層検討の取組みは低調で検討が進みませんでした。データ総集という用語では検討対象の本質を捉え切れなかったようです。

6月末以降現在までの取組みは北斜面貝層を3D次元で把握するための技術開発に終始し、これはとても大きな成果を得ました。

2 北斜面貝層と地考古学(Geoarchaeology)

これまで自分が調べた北斜面貝層では、次のような事象が観察されています。

・急斜面に斜面貝層がサージ状・塊状に発達している。

・単位斜面貝層は斜面下部で大きな貝殻・密集、斜面上部で小さな貝殻・まばら~貝殻なしという、素材大きさ・密度のグラデーションとなっている。

・単位斜面貝層では斜面下部に土器片が密集し、斜面上部では土器片がまばらとなる。

・単位斜面貝層の斜面下部の土器片は80%が下凸形で堆積していて、土器片が回転して安定した形で最終堆積した様子がうかがえる。(斜面ではない加曽利貝塚での土器片は下凸形50%となっている。)

・出土土器型式の位置関係から、規模の大きな貝層逆転現象が見られる断面がある。

これらの事象から、土石流とは規模が全く異なりますが、同じ原理の高濃度流事象が関わって貝層が発達したのではないかと推察してきてます。このような推察が正しいのか、別の解釈が有りうるのかが今後検討のメインになります。つまり、貝層を地象事象として扱うことになります。

この検討は地考古学(Geoarchaeology)そのものであると言えます。

この地考古学(Geoarchaeology)検討の成果が出ることによって、新たな遺物解釈が生まれる可能性があり得ます。ひいては有吉北貝塚集落の新たな解釈が生まれる可能性もあり得ます。

北斜面貝層の地考古学(Geoarchaeology)検討から何らかの成果を生み出すべくチャレンジすることが、今の自分に課された使命であると、かなり大げさですが、考えました。


北斜面貝層の様子(剥取断面遠景)


北斜面貝層の様子(第2断面遠景)

3 これからの取組み

北斜面貝層検討の本格研究段階では北斜面貝層発掘担当専門家や地考古学専門家の判断に基づくものになると考えられます。それらの専門家に提出する3D資料を作成することが、これからの自分の作業になると考えます。

直近では懸案事項となっている次の作業に取組みます。

・地山地形3Dモデルの精緻化

・剥取断面ファブリック分析

同時に、仮説検証方法について検討を深めまとめることにします。


2026年7月19日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面発掘時写真の入手

 Acquisition of Photographs Showing the Excavated Profile of the Shell Layer on the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden


I have obtained—through the proper procedures—photographs taken during the excavation of the shell layer profile on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. As the close-up shots reveal the orientation of the unearthed shells, they serve as valuable reference material for fabric analysis of the excavated profile.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面発掘時写真を手続きを経て入手しました。近景撮影写真からは貝殻出土姿勢も読み取ることがでますので、発掘断面を対象としたファブリック分析の参考資料として役立ちます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面等の発掘時撮影写真の入手

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面等の発掘時撮影ブローニー写真48枚画像を手続きを経て入手しました。


剥取断面遠景写真

この遠景アングルの写真は発掘調査報告書に掲載されています。


剥取断面近景写真


剥取断面近景写真(拡大)

剥取断面近景写真(拡大)では貝殻出土姿勢を確認することができます。この資料は現在進めている貝層ファブリック分析の有力な参考資料となります。

剥取断面以外にも貝殻出土姿勢を確認できる写真を入手しました。

なお、剥取断面近景写真は貝層ファブリック分析に役立つばかりだけでなく、剥取断面そのものの特性を知る上でも重要な参考資料となります。剥取断面では純貝層と土層はほぼそのまま表現されていますが、貝殻と土が混ざった層では土が抜け、貝殻のみが残存したような状況が生まれています。混土貝層とか混貝土層と表現される貝層の正確なイメージが剥取断面に表現されていない部分があります。この剥取断面特性(技術的特性)を理解し、剥取断面現物検討を補正する上で、今回入手写真は有用です。

2 メモ

今回作業ではブローニー写真を持ち込んだスキャナー(GT-X980)でスキャンしました。


作業風景

なお、北斜面貝層で撮影した膨大な写真(35㎜、スライド)を全て閲覧確認しました。35㎜写真、スライド写真には貝殻出土姿勢を確認できる精度のものはありませんでした。写真には有吉北貝塚北斜面貝層研究に有用な情報が多く、全てスキャンする申請も1度考えました。しかし、資源(時間)利用効率化の観点から泣く泣く止めました。将来、資源(時間)が豊かになれば、全写真スキャンにチャレンジすることにします。


2026年6月26日金曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布CT撮影動画

 Video of 3D Bone and Tooth Distribution in the Northern Slope Shell Midden at Ariyoshi-kita Shell Midden (CT Scan)


I created a video visualizing the 3D distribution of bones and teeth (34,050 items) within the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi-kita Shell Midden site by generating projected cross-sectional views at 0.5-meter intervals. Using a Python script, I processed CT scan data (69 frames) to produce a video with a frame interval of 0.2 seconds. I plan to compare these results with CT scan data of pottery and stone tools in the future.


有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布(34050件)について幅0.5mスリット毎に投影断面図を作成し、動画としました。PythonスクリプトでCT撮影(コンピュータ断層撮影、69コマ)し、0.2秒間隔の動画にしたものです。今後土器や石器のCT撮影結果と比較する予定です。

この記事は2026.06.26記事「有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布CT撮影動画」の続きです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布(34050件)


有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布(34050件)

バウンティングボックスの大きさ:13.7m×11.7m×34.0m

2 有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布CT撮影動画


有吉北貝塚北斜面貝層の骨歯3D分布CT撮影動画

画像の大きさ13.7m×11.7m

延長34.0m区間を0.5m幅スリット毎に土器分布投影図を作成(69コマ)し、0.2秒間隔で表示する動画。

骨歯は34050件。

3 メモ

土器、石器、骨歯のそれぞれの3D分布CT撮影画像比較は今後行う予定です。


有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布CT撮影動画

Video of 3D Stone Tool Distribution in the Northern Slope Shell Midden at Ariyoshi-kita Shell Midden (CT-style Visualization)


I created a video visualizing the 3D distribution of stone tools (2,045 items) found in the northern slope shell midden at Ariyoshi-kita Shell Midden by generating projected cross-sections at 0.5-meter intervals. Using a Python script, I simulated a CT scan (computed tomography; 80 frames) to produce a video with 0.2-second intervals between frames. I plan to compare these results with CT-style visualizations of pottery, bones, and teeth in the future.


 有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布(2045件)について幅0.5mスリット毎に投影断面図を作成し、動画としました。PythonスクリプトでCT撮影(コンピュータ断層撮影、80コマ)し、0.2秒間隔の動画にしたものです。今後土器や骨歯のCT撮影結果と比較する予定です。

この記事は2026.06.25記事「有吉北貝塚北斜面貝層の土器3D分布CT撮影動画」の続きです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布(2045件)


有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布(2045件)

バウンティングボックスの大きさ:13.2m×21.6m×41.9m

2 有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布CT撮影動画


有吉北貝塚北斜面貝層の石器3D分布CT撮影動画

画像の大きさ13.2m×21.6m

延長41.9m区間を0.5m幅スリット毎に土器分布投影図を作成(80コマ)し、0.2秒間隔で表示する動画。

石器は20145件。

3 メモ

土器、石器、骨歯のそれぞれの3D分布CT撮影画像比較は今後行いますが、土器と石器は似ています。


2026年6月25日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の土器3D分布CT撮影動画

 Video of CT-style visualization showing pottery distribution in the shell midden on the north slope of the Ariyoshi-kita Shell Midden


I created a video showing the 3D distribution of pottery (17,484 items) found in the shell midden on the north slope of the Ariyoshi-kita Shell Midden by generating projected cross-sections at 0.5-meter slit intervals. Using a Python script, I simulated a CT scan (computed tomography) consisting of 85 frames to produce a video with 0.2-second intervals between frames. I intend to utilize this CT-style imaging technique as a powerful tool for analyzing the 3D distribution of artifacts in the future.


有吉北貝塚北斜面貝層の土器3D分布(17484件)について幅0.5mスリット毎に投影断面図を作成し、動画としました。PythonスクリプトでCT撮影(コンピュータ断層撮影、85コマ)し、0.2秒間隔の動画にしたものです。今後遺物の3D分布分析の有力なツールとしてCT撮影を活用します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の土器3D分布(17484件)


有吉北貝塚北斜面貝層の土器3D分布(17484件)

バウンティングボックスの大きさ:12.6m×22.4m×42.5m

2 有吉北貝塚北斜面貝層の土器分布CT撮影動画


有吉北貝塚北斜面貝層の土器分布CT撮影動画

画像の大きさ12.6m×22.4m

延長42.5m区間を0.5m幅スリット毎に土器分布投影図を作成(85コマ)し、0.2秒間隔で表示する動画。

土器は17484件。

3 メモ

PythonスクリプトでCT撮影(コンピュータ断層撮影、85コマ)し、0.2秒間隔の動画にしたものです。今後遺物の3D分布分析の有力なツールとしてCT撮影を活用します。


2026年6月24日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層のデータ総集 その2

 Comprehensive Data Collection for the Shell Midden on the Northern Slope of the Ariyoshi-Kita Shell Mound: Part 2


I examined the 3D data of the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Mound from an overall perspective, stepping back from the fine details. I noted observations based on the differences between the 3D distributions of pottery and those of bones and teeth. I hypothesize that during the final stage of shell midden formation (the new phase of the Kasori E-II style), a large-scale collapse and a high-concentration flow occurred in the western tributary at the head of the gully, and that the resulting secondary deposits extended all the way to the downstream end.


有吉北貝塚北斜面貝層の3Dデータを、詳細から離れて、全体として眺めてみました。土器3D分布と骨歯3D分布との違いから気が付いたことをメモしました。貝層形成最終段階(加曽利EⅡ式新段階期)にガリー谷頭西支谷で大規模な崩壊、高濃度流発生があり、その二次堆積物が最下流まで及んでいると思考しています。

この記事は2026.05.26記事「有吉北貝塚北斜面貝層データの総集」の続きです。

1 遺物データ3D分布

1-1 土器3D分布


土器3D分布

土器の件数は17484です。

画像には第2断面(左)と第3断面(右)を入れたあります。(以下同様)

1-2 石器3D分布


石器3D分布

石器の件数は2045です。

石器3D分布土器3D分布と似ています。

1-3 骨歯3D分布


骨歯3D分布

骨歯の件数は34050です。

骨歯の3D分布は貝層3D分布と近似すると考えることができます。

2 土器、石器、骨歯の相互関係

2-1 土器、石器の3D分布相互関係


土器、石器の3D分布相互関係

土器3D分布画像と石器3D分布画像をPhotoshopで「ピンライト」の関係でオーバーレイした画像です。

2-2 土器、骨歯の3D分布相互関係


土器、骨歯の3D分布相互関係

土器3D分布画像と骨歯3D分布画像をPhotoshopで「ピンライト」の関係でオーバーレイした画像です。

土器3D分布はあるが骨歯3D分布がない場所、逆に骨歯3D分布はあるが土器3D分布が虚弱な場所を見つけることができます。

2-3 石器、骨歯の3D分布相互関係


石器、骨歯の3D分布相互関係

石器3D分布画像と骨歯3D分布画像をPhotoshopで「ピンライト」の関係でオーバーレイした画像です。

3 予備思考 骨歯分布(≒貝殻分布)との関係から見た土器分布区分


予備思考 骨歯分布(≒貝殻分布)との関係から見た土器分布区分

土器、骨歯の3D分布相互関係図に予備思考結果をメモしました。骨歯3D分布を貝殻3D分布に見立てて、それと土器3D分布との関係を分析し、土器分布をa~kの11に区分しました。以下思考結果をメモします。

3-1 予備思考1

a:aの土器片分布は、点線で描いたような「台地縁から投棄された結果そのもの」では「ない」と思考します。aと台地縁の間に存在した「投棄結果貝層」が規模の大きな高濃度流で下流に一気に移動したと考え、その移動プロセス結果がaに残っていると考えます。高濃度流堆積物としての土器堆積です。

このように思考する根拠の一つは第2断面層序最下部付近から北斜面貝層最新土器型式(加曽利EⅡ式新段階土器)が出土していて、大規模な高濃度流を想定せざるを得ないことです。

b:bの土器分布は台地縁からの投棄結果であると考えます。第1断面谷頭急崖直下から加曽利EⅡ式中~新段階土器が出土しているので、その頃以降に投棄された土器がメインであると考えます。

c:cの土器分布はaから継続し、fへと連なる高濃度流堆積物分布が軸となっていると考えます。

d:dの土器分布は台地縁から投棄された土器の分布を示すと考えます。

e:土器密度がdで粗でeで密である理由の一つは斜面に投棄された土器が高濃度流で斜面下部に集中しやすいことが影響していると考えます。

f:fの土器分布はcの土器分布と連続するものですが、高濃度流の特性として粒子の大きいもの(土器>貝殻)が堆積先端に集中するので、f域は貝殻が伴っていない、つまり、高濃度堆積先端域と考えます。

g:fの土器がその後の高濃度流で二次堆積したと考えます。

h:hの方がdより土器が密集しているのは、土器投棄量がhの方がdより多かったと考えます。

i:dとeの関係のように、hよりiの方が土器は密集しています。

j:j域に台地縁から土器が投棄されたと考えます。

k:i域からk域に土器が移動していますが、その営力は高濃度流ではなく、流水による可能性があると考えます。この付近の貝層に水平ラミナが存在するからです。

3-2 予備思考2

a-c-f、a-c-e-i-k:この区域は、加曽利EⅡ式新段階期における左岸側(西側)支谷谷頭部の大規模崩壊による高濃度流堆積物をメインとすると考えます。その堆積物より下位にそれより古い時期の堆積物が断片的に存在する可能性はあると考えます。

b:この付近のガリー谷頭浸食は少なくとも阿玉台式期にはあったことが判っています。。加曽利EⅡ式中~新段階期に顕著なガリー谷頭浸食があり、その直後から土器、石器、貝殻の投棄が始まったことが判っています。

d,h:ガリー侵食後の崩落層形成時から貝殻投棄が始まっています。ガリー侵食時期は少なくとも中峠式期には遡ります。それより古い時期まで遡るかどうかは情報がないので現状では判断できません。中峠式期以降加曽利EⅡ式新段階期まで貝殻や土器の投棄は継続すると考えられますが、斜面貝層の小崩落(高濃度流発生)が多発していたと考えられ、現状ではセクション図掲載分層の断面間対比は部分的にしかできていません。


2026年6月5日金曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 二次堆積貝層が最初に投棄された場所の推定

 Estimation of the Initial Disposal Location of the Secondary Deposit Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


While the shell layer in the second cross-section of the Ariyoshi Kita Shell Mound's north slope shell layer is observed to be almost entirely a secondary deposit, I have estimated the initial disposal location of this shell layer. Based on the 3D spatial distribution of the shell layer, it is thought to be near the head of the western tributary valley of the gully.


有吉北貝塚北斜面貝層の第2断面の貝層はほとんど二次堆積貝層であると観察できますが、その貝層が最初に投棄された場所を推定しました。3D空間の貝層分布からそれはガリー西支谷の谷頭部付近であると考えられます。

1 第2断面の貝層がほとんど全て二次堆積貝層であると考える根拠


第2断面の貝層がほとんど全て二次堆積貝層であると考える根拠

加曽利EⅡ式新段階土器は有吉北貝塚で最も新しい土器です。この土器が第2断面貝層の最下部層付近から出土しています。このことから、第2断面貝層は加曽利EⅡ式新段階期に別の場所に堆積していた貝層が移動して二次堆積したと判断できます。

2 第2断面で観察できる貝層(二次堆積貝層)が最初に投棄された場所


第2断面で観察できる貝層(二次堆積貝層)が最初に投棄された場所

ガリー東支谷がガリー谷頭部の台地縁まで貝層が分布しているのと対照的に、ガリー西支谷の上部には貝層が分布していません。この部分に本来堆積していた貝層が高濃度流(土石流)でガリー下流に流下したと想定します。

3 感想

北斜面貝層発達最終局面(加曽利EⅡ式新段階期)に、ガリー谷頭西支谷で規模の大きな崩壊・高濃度流が発生して、その高濃度流堆積物が下流に運ばれたという予備解釈を持ちました。


2026年6月4日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層第2断面の人骨分布

 Distribution of Human Remains in the Second Section of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I examined the relationship between the shell layer and the human remains found in the second section of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. The human remains appear to have been carried in mainly from the western tributary valley and are scattered throughout the shell layer strata. It is reasonable to assume that the remains were swept away by a high-concentration current from their original location (burial site).


有吉北貝塚北斜面貝層第2断面の貝層と人骨出土との関係を見てみました。人骨は主に西側支谷から流れ込んだ様相を示し、貝層分層に散開して分布しています。本来存在していた場所(埋葬場所)から高濃度流で流亡したと考えることが合理的です。

1 第2断面付近の人骨分布状況


第2断面付近の人骨分布状況 Blender3Dビューポート画面

人骨データは発掘調査報告書掲載人骨データです。

2 第2断面 人骨分布


第2断面 人骨分布

断面から±0.5m幅のブロック内の人骨分布図です。

3 第2断面 人骨分布ヒートマップ


第2断面 人骨分布ヒートマップ

4 第2断面 人骨分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)


第2断面 人骨分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)

5 人骨分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)


人骨分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)

6 メモ


人骨分布立面図・平面図


人骨が埋葬場所から流亡した可能性

人骨は主に西側支谷から、一部は東側支谷から流れ込んだ様相を示しています。第2断面貝層分層との関係では特定の分層に集中することなく、散開的に分布しています。

この分布は第2断面のほとんどの貝層が加曽利EⅡ式新段階期に発生した高濃度流の二次堆積層であるという見立てと整合します。

2026.06.02記事「メモ 型式別土器情報の層位的逆転現象 その2」

第2断面付近の人骨分布はほとんど全て本来存在していた場所(埋葬場所)から高濃度流で流亡したものと考えることが合理的です。

加曽利EⅡ式新段階期以前に、ガリー谷頭付近に安定した埋葬場所があり、その埋葬場所が加曽利EⅡ式新段階期に発生した高濃度流で破壊され、人骨(と恐らく副葬品)が高濃度流でガリー下流に運ばれたと想定します。

土器密集域と人骨分布が近似するので、廃用土器の投棄場所と埋葬場所は関連していた可能性があります。


2026年6月3日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層第2断面の骨分布

 Bone Distribution in the Second Section of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I examined the relationship between the shell layers and bone excavations in the second section of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. The bone distribution is broadly divided into two categories, which appear to correspond to two branch channels. It can be observed that the amount of bone excavations decreases in the order of pure shell layer → mixed shell layer → mixed shell soil layer.


有吉北貝塚北斜面貝層第2断面の貝層と骨出土との関係を見てみました。骨分布は大きく2つに分かれ、2つの支流路に対応するようです。純貝層→混土貝層→混貝土層の順で骨出土量が減るように観察できます。

1 第2断面 骨分布図


第2断面 骨分布図

断面から±0.5m幅のブロック内の骨分布図です。

2 第2断面 骨分布ヒートマップ


第2断面 骨分布ヒートマップ

3 第2断面 骨分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)


第2断面 骨分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)

4 第2断面 骨分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)


第2断面 骨分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)

5 2つの支流路


2つの支流路

第2断面付近で2つの支流路が合流します。

6 参考 3D空間における骨分布と第2断面


参考 3D空間における骨分布と第2断面

7 メモ

骨分布は大きく2つに分かれ、第2断面付近で合流する2つの支流路に対応しています。東支流路(5 2つの支流路写真の右側支流路)の方が骨出土は多くなっています。これは西支流路から人骨が集中的に出土することと対応する関係があると予想しています。(埋葬と食料残滓廃棄の分離→ゾーニング)

純貝層→混土貝層→混貝土層の順で骨出土量が減るように観察できます。これには貝殻量が多いほど骨が残りやすいという条件が関連しているだけでなく、高濃度流で運ばれるプロセスの中で純貝層→混土貝層→混貝土層の順に運ばれる骨の量が減った(ソートされた)という事情が大きく関与したと想定します。


有吉北貝塚北斜面貝層第2断面の全土器分布

 Distribution of Pottery Fragments in Section 2 of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


In my previous article, I inferred that most of the shell layers in Section 2 of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound are the result of secondary deposition by high-concentration flows. Therefore, to observe the nature of secondary deposition, I created a distribution map of all pottery fragments within a ±0.5m width from the section.


有吉北貝塚北斜面貝層第2断面のほとんどの貝層が高濃度流による二次堆積の結果であることが、前記事で推察できました。二次堆積の様子を観察するために、断面から±0.5m幅のブロックの全土器片の分布図を作成しました。

1 第2断面発掘時撮影写真


第2断面発掘時撮影写真(発掘調査報告書から引用、Photoshopによりカラー化)


第2断面発掘時撮影写真(拡大)(発掘調査報告書から引用、Photoshopによりカラー化)

2 第2断面 土器分布図

2-1 型式別土器情報分布図


型式別土器情報分布図

型式別土器情報が判明していて、かつ3D座標が取得できたデータです。発掘調査報告書掲載グラフからもとめたデータであり、発掘原票(遺物台帳など)によるデータではありません。

2-2 全土器片分布図


全土器片分布図

断面から±0.5m幅ブロック内の全土器片分布を2-1図にオーバーレイしました。

2-3 全土器片分布ヒートマップ


全土器片分布ヒートマップ

全土器片分布図から作成したヒートマップを2-2図にオーバーレイしました。ヒートマップは色が濃いほど土器片が密集している様子を表現しています。

2-4 全土器片分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)


全土器片分布ヒートマップ(セクション図オーバーレイ)

2-3図をセクション図にオーバーレイしたものです。

2-5 全土器片分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)


全土器片分布ヒートマップ(発掘調査報告書掲載貝層区分図オーバーレイ)

3 参考 3D空間における土器分布と第2断面


3D空間における土器分布(型式別土器情報)と第2断面(Blender画面)


3D空間における土器分布(全土器片)と第2断面(Blender画面)

4 メモ

2-5図から貝層区分図中のピンク域(ハマグリ純貝層)と土器片密集域(青が濃い域)が対応するように観察できます。詳しくはより分析的な計測を後日行います。

ピンク域とヒートマップ密集域(青域)が重なることを、高濃度流で貝殻や投棄物が運ばれる際にモノの大きさによるソートが行われる現象として捉えることが可能です。つまり、高濃度流の堆積物としての貝層を捉えると、純貝層→混土貝層→混貝土層の順に構成貝殻の大きさは小さくなり、一緒に運ばれる土器の量は少なくなると想定します。1波の高濃度流の縦断を考えると、先頭部(斜面下部)では純貝層で土器が多く、尾部(斜面上部)では混貝土層で土器は少ないと想定します。

第二断面のピンク域(ハマグリ純貝層)の周辺は土器のみならず、別の遺物の出土も多くなっていますが、これは高濃度流の先頭部の状況が表現されていると想定します。