2018年3月1日木曜日

大膳野南貝塚 学習収斂に向けた興味まとめと今後の予定

1 大膳野南貝塚学習の興味まとめ
2016年12月から2017年4月までの5か月間、及び2017年12月から2018年2月までの3か月間合計8か月間がこれまで取り組んできた大膳野南貝塚学習の期間です。
シナリオのない学習としてスタートしましたが、この3か月の学習で大きな興味を次の5点に絞ることが出来ましたのでメモしておきます。

1 後期集落が始まり急成長した要因は何か?
2 後期集落が急減退・衰退消滅した要因は何か?
3 後期集落で共伴する漆喰貝層有竪穴住居グループと漆喰貝層無竪穴住居グループの関係はどのようなものか?
4 前期集落の浮島式土器優勢竪穴住居家族と諸磯式土器優勢竪穴住居家族の関係はどのようなものか?
5 3と4の問題意識を関連させることは有意義であるか?

このような興味(問題意識)に基づいて近々大膳野南貝塚学習を一旦とりまとめることにします。

2 学習とりまとめ前に行う分析作業と考察
次の項目に限定して分析作業と考察を行い、学習の総とりまとめを行うことにします。

1 後期集落追加分析・考察
1-1 土坑の再検討
土坑を再検討することにより集落構造がより明確になりそうです。
・貯蔵庫の分布…竪穴住居からはなれて、全域に環状分布→フラスコ、円筒
・漆喰貝層有竪穴住居用送り場…貝層出土土坑
・漆喰貝層無竪穴住居用送り場…貝層が出土しない土坑
1-2 住居関連指標の予察検討
今後労力時間を投じて価値のある結果が出そうか?という予察検討を行います。
・漆喰貝層有竪穴住居と漆喰貝層無竪穴住居で住居関連指標に意味のある差があるか?
出自・文化が違うならば意味のある差があるかもしれないと考えます。
例 大きさ(検討済み)、形状そのもの、杭の数・配列、杭の深さ、構造に関係しない杭の存在、堀込の深さ、床のしつらえ、地形と床の傾斜の関係、炉の構造・位置等…
1-3 土器指標の予察検討
今後労力時間を投じて価値のある結果が出そうか?という予察検討を行います。
・漆喰貝層有竪穴住居と漆喰貝層無竪穴住居で土器指標(文様、器種、破壊の様子等)に意味のある差があるか?
1-4 漆喰貝層無竪穴住居家族の生業に関する考察
漆喰貝層有竪穴住居家族が漁撈している時、漆喰貝層無竪穴住居家族はどんな生業活動をしていたのか。独自の狩猟か?植物採集栽培か?漆など工芸か?急斜面に竪穴住居が存在していてヒントになりそうです。
1-5 漆喰貝層有竪穴住居家族と漆喰貝層無竪穴住居家族の共同関係のイメージ考察
・協働作業の項目、分業は存在したか、祭祀は別か
1-6 集落急成長と急減退・衰退の要因推測
・急成長は人口自然増加か、他所からの流入か?
・急減退の要因は何か…急減退の主因と漁撈条件悪化は同じか、違うか?
・漁撈消滅の要因は何か
・集落急減退・衰退は人口自然減(死滅)か他所への流出か?
2 後期集落と前期集落の比較分析
・後期集落と前期集落の石器組成の比較…生業の違いが鮮明になるか?
・後期集落と前期集落の「竪穴住居+土坑」による集落構造の比較

3 学習総とりまとめ
自分の興味を深める分析作業的学習に当面の限界はないと思いますが、とりあえず2の作業を終了した時点で分析作業等を機械的強制的に打ち切り、学習の総とりまとめを行い活動を区切ることにします。
学習の総とりまとめは判ったことと派生した問題意識等をデータとともに簡潔に表現し、今後の縄文時代学習のよすがとします。

大膳野南貝塚学習でこれまでに作成したQGISレイヤー

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