2015年9月23日水曜日

鳴神山遺跡の墨書土器 2

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.211 鳴神山遺跡の墨書土器 2

鳴神山遺跡墨書土器検討の途中状況をメモしておきます。

鳴神山遺跡出土墨書・刻書土器情報全1158件を出土遺構別にソートして、それを文字別分布図に表現して分析しようとしています。

墨書文字を出土遺構別に整理して眺めていたところ、大変示唆に富んでいるというか、興味深い情報に遭遇しました。

鳴神山遺跡の文字では「万」が多数出土します。

鳴神山遺跡 万が出てくる釈文欄記載

万が絡む文字は相互に関連するような印象を持ち始めていました。

出土遺構別にデータベースを整理して眺めていると、「110竪穴住居」に目が釘付けになりました。

出土遺構別ソート画面 110竪穴住居

参考 110竪穴住居の位置

「上万上万」と「本家」が同じ遺構から出土しています。

これを見て、「上万」が本家で、「上万」の下に「中万」が、その下に「千万」、「万」が存在するという階層構造が頭の中に浮かびあがりました。

その階層構造の途中に「七万」や「工万」、「酒万」が専門職として存在すると考えました。

つまり、「万」という文字を祈願語として共有する一族が鳴神山遺跡で展開しているという見立てです。

白幡前遺跡では見られなかった(正確には気が付かなかった)特定文字の展開構造が存在するという見てです。

今後、この見立ての確からしさを、文字の分布や遺物との関係等から検討していくことにします。

110竪穴住居の「上万上万」の画像
千葉県出土墨書・刻書土器データベースから引用

110竪穴住居の「本家」の画像
千葉県出土墨書・刻書土器データベースから引用

もし文字「万」に本家-分家構造が見られると、文字「大」にも「大加」、「大八」などがありますから、同じような構造が存在している可能性が検討対象となることになります。

この記事は生れてたてほやほやの思いつきメモですが、鳴神山遺跡墨書土器検討が面白くなってきました。

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