2022年12月11日日曜日

中峠式土器と加曽利EⅡ式(第10・11群)土器の分布オーバーレイ図の作成

 Creating an overlay map of the distribution of Nakabyo-style pottery and Kasori EII-style pottery (groups 10 and 11)


I made an overlay map of the distribution of Nakabyo-style pottery and Kasori EII-style pottery (groups 10 and 11) from the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Mound and observed them. The central distribution area has moved from the lower reaches of the low-lying landforms to the upper reaches of the steep narrow landforms. The reason seems to be that prayer activities have changed from individuals to groups.


有吉北貝塚北斜面貝層の中峠式土器と加曽利EⅡ式(第10・11群)土器の分布オーバーレイ図を作成して観察しました。分布中心域が低平地形の下流から急斜面狭窄地形の上流に移動しています。その理由は祈願活動が個人から集団に変化したためであるようです。

1 中峠式土器と加曽利EⅡ式(第10・11群)土器の分布オーバーレイ図の作成


中峠式土器-加曽利EⅡ式(第10・11群)土器オーバーレイ図


オーバーレイ図の貝層形成直前地形投影図

2 観察


観察図

中峠式土器の分布中心域は下流の低平地形域です。この付近には黄色が目立ちます。加曽利EⅡ式(第10・11群)土器の分布中心域は上流の谷頭急斜面・狭窄地形域です。この付近には緑色が目立ちます。

分布中心域が下流から上流に移動した理由をこの地図から読み取ることはできませんが、これまでに得られた情報から、次のような想像をしています。

中峠式期には土器口縁部突起などを貝層に投棄して願掛け活動が行われた。その活動は平場(広場)がある下流域がメインであった。下流域には水場(湿地)があり霊場的環境が存在していた可能性がある。願掛け活動は投棄土器の様子から個人レベルの活動であったと考えられる。

加曽利EⅡ式(第10・11群)期には大きな集団が使う巨大土器をそのまま貝層に持ち込み、その場で破壊して各所にばら撒くという願掛け活動が行われた。谷頭部上から谷底に土器を投棄して破壊するというダイナミックな活動も行われた。集団で行う「祭り」であり、興奮やスリルを伴う土器破壊が行われた。谷頭急斜面・狭窄地形域が活動にふさわしい舞台として多用された。


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