2011年10月13日木曜日

花見川河川争奪の成因検討1 白鳥孝治氏の説

花見川河川争奪を知る9 花見川河川争奪の成因検討1 白鳥孝治氏の説

白鳥孝治氏が考える花見川河川争奪の2つの原因(地殻変動、花見川の浸食力)は素因として捉えるなば、その通りだと思います。

なぜ花見川だけが河川争奪したかという肝心の成因については、「常総粘土層の高度分布は,柏井,花島を通る花見川付近が低い鞍部になっているので, ここは下末吉ロームの堆積後に沈降していると考えられるから」としています。

白鳥孝治氏が示した図に私が印をつけました。この部分が鞍部だということだと思います。花見川は鞍部Aのはずれです。鞍部Aの中央には長作川の「元気のよい」谷頭浸食部がありますが、河川争奪に至っていません。また鞍部Bにも河川争奪はありません。

このような事情から、常総粘土層の高度分布からみた沈降を、花見川河川争奪の成因として特定することは、大きな無理を伴っていると感じました。

鞍部を加えた図


白鳥孝治氏の論文「印旛沼落堀難工事現場の地理地質的特徴」(印旛沼自然と文化№5、1998)の本文から沢山の有用な情報を得ることができました。またこの論文の引用文献リストを活用して、こえまで接触できなかった情報に到達することができました。白鳥孝治氏の花見川河川争奪記載に敬服するとともに、感謝します。

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