2011年9月14日水曜日

子和清水遺跡の出土物閲覧2

4 縄文時代出土物 土器

縄文のある土器片

素材の土に砂や他の混入物(軽石片?)が思いのほか沢山入っています。
縄状の物で付けたと思われる模様の突起部分が、柔らかい時に扱われて扁平になって失われた様子や、ヘラ状の物でその上から模様を描き直した部分も確認できます。
調査者が小片を接合しています。

大型波状口縁を有する土器片

報告書では写真土器片を含む一群について、「前期後半の諸磯式・浮島式土器」に区分し、「大型波状口縁を有する土器で、口縁下には連続爪形文を施す。短沈線か撚糸文を配した隆帯を伴い、胴部文様は木葉文か肋骨文となる。」と説明しています。

浅鉢型土器片
土器復元図(報告書94ページ)

報告書では写真土器片を含む一群について、「晩期後半の千網式・荒海式土器」に区分し、「浮線文を有する土器。肩部文様帯に連続浮線楕円文やレンズ状付帯文を有する土器。」と説明しています。

今回の子和清水遺跡出土物閲覧は欲張りすぎるのもよくないと思い、土器の閲覧は最小限にとどめました。報告書では、出土した縄文土器について10の時代区分をしているようです。それらについて模様の違いなどを観察したかったのですが、次の機会に土器類の閲覧をじっくりしたいと思っています。

5 縄文時代出土物 石斧

石斧(砂岩)

報告書では分銅形としています。

6 縄文時代出土物 凹石

凹石(安山岩)
スケッチ(報告書103ページ)

報告書では「敲打による凹みが両面にあり、磨痕と敲打痕を共有している。」と説明しています。
WEBで凹石を調べると、「凹石(くぼみいし)とは、こぶし大の円礫・楕円礫のほぼ中央に浅い凹みをもつ礫石器。凹みは打撃を加えたものと回転摩擦痕跡によるものがあり、前者はクルミの殻割りや石器製作に使われたと考えられ、後者は火を起こすための火きり杵を上から押さえたものではないかと考えられている。」(ウィキペディア)と出ていました。

7 縄文時代出土物 磨石

磨石(安山岩)
スケッチ(報告書104ページ)

報告書では「磨痕と敲打痕を共有している。」と書いてあります。植物などを磨り潰す道具のようです。

8 縄文時代出土物 石皿

石皿片(安山岩)
スケッチ(報告書106ページ)

WEBに「凹みを多数もつ石器として蜂の巣石(はちのすいし)がある。凹石とは異なり、板状の石材が選ばれることが多く、凹みは主に回転摩擦痕跡によるものであることから、火きり臼であると考えられている。雨垂れ石(あまだれいし)との呼称もある。」(ウィキペディア)という情報が出ており、この石皿片がこれに相当するものと考えます。
(つづく)

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