2012年7月7日土曜日

花見川流域の縄文時代遺跡の予察

千葉県埋蔵文化財分布地図(1、3)(平成9年、11年、千葉県教育委員会)から得られた花見川流域の縄文時代遺跡合計105個所を地形段彩図にプロットしてみました。

花見川流域の縄文時代遺跡の分布
基図は地形段彩図(5mメッシュを地図太郎PLUSで加工)

縄文時代遺跡を地形との関係で見ると、大ざっぱにみて、次のように5分類できるような気がしてきました。

A 高津川沿い台地縁辺部に立地しているもの
B 勝田川(横戸川、宇那谷川、小深川、西小深川)沿い台地縁辺部に立地しているもの(密集分布)
C 花見川源頭部付近の台地縁辺部に立地しているもの
D 花見川、犢橋川、長作川沿いの台地縁辺部に立地しているもの(密集分布)
E 台地の内陸部に孤立して立地しているもの(オアシスのように孤立して存在する水に依拠していたもの)

流域でみるとAとBは印旛沼流域、CとDは東京湾流域です。Cは花見川河川争奪により台地内陸深くに立地している縄文遺跡であり、位置的にA、BとDの中間に存在することからし、A、BとDの人的・物質的・文化的交流の中継地であった可能性を感じさせます。

次に縄文遺跡が発見されていないゾーンについて、その理由を考えたところ、次に5つの理由が脳裏に浮かびました。

ア 習志野演習場が存在するため、遺跡調査がおこなわれたことがない地域(縄文遺跡は存在すると考えられる)
イ 空川の古柏井川が存在していたため、水に不自由であり、縄文遺跡がない地域
ウ 水が少ない台地中央部
エ 水が少ない台地中央部
オ 砂丘により遺跡が隠されている地域(縄文遺跡は存在すると考えられる)

これらの予察を次の図にまとめました。

縄文遺跡予察図
基図は地形段彩図(5mメッシュを地図太郎PLUSで加工)

縄文遺跡といっても時期の違い、遺構種類の違い等別に詳しく見ていくことが必要であり、そうした視点から今後詳細に検討する予定です。
また、千葉県埋蔵文化財分布地図(1、3)(平成9年、11年、千葉県教育委員会)より新しい情報を入手できましたので、詳細検討は最新情報で行う予定です。

つづく

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