2018年4月22日日曜日

土坑用途の推定結果概要

大膳野南貝塚後期集落 土坑の再検討 27

土坑用途の推定作業が一巡しましたのでまとめておきます。

推定作業は次に例示する私家版土坑データベース画面上で検索とソートを繰り返しながら行い、推定結果に関わる思考を画面上に随時メモしました。(このデータベースソフトFile Makerは記入すると即保存されるので作業が楽です。)

私家版土坑データベース画面 一次用途貯蔵・保存、二次用途祭祀の例

推定結果は2018.04.14記事「土坑用途分類の素案作成」で作成した土坑用途分類素案に対応させてまとめました。

土坑一次用途推定結果
土坑が建設されて時の本来の用途を推定したものです。
貯蔵・保存に関わる土坑は66で、そのうち3が特別の付加機能を有しているかもしれないと想定しました。
土坑墓らしいと推定したものは2です。
送り場と推定したものは177です。
トイレと断定的に想定したものはありませんが、トイレかあるいは送り場のどちらかと推定したものが18あります。
塔・柱の基礎と推定したものが1です。

次に土坑が廃絶した時に担っていた機能を推定しました。

土坑二次用途推定結果
貯蔵・保存穴のうち送り場などに用途が変更したと考えられるものがあり、結果として送り場が199に増えました。また廃土坑墓と考えられるものも2あり、土坑墓・廃土坑墓合計で4となりました。

これらの結果はあくまでも諸情報を総合した推定であり、証拠に基づいた論理正確な判定結果ではありません。しかし、大膳野南貝塚後期集落の学習を深めるためには自分自身の中に土坑像を作る必要があり、それを作ったという意義、つまり学習を進める上での意義には大きなものがあると考えます。
次からの記事で各用途に関する具体的検討を行います。

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