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2025年2月6日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル

 3D model of the rock formations on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound


I created a 3D model of the rock formations on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound. This is the most detailed 3D model of the rock formations that can be created from preserved excavation materials. The Jomon people were dynamic in their activities, completely filling this terrain with shell layers.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成しました。保存された発掘資料から作成できる最も精細な地形3Dモデルです。縄文人はこの地形を貝層で完全に埋めるというダイナミックな活動を展開しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル

標高点群からQGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)で作成

垂直・水平比率 1:1

利用情報(地山平面図掲載標高点、セクション図地山地形断面から読みとった標高点、地形図から読みとった標高点)

3DF Zephyr v7.531でアップロード


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 3Dモデルを使った今後の検討

これまでできなかった精細な地山地形3Dモデルができました。今後この3Dモデルを使って次の検討を行う予定です。

2-1 地形特徴の把握

側壁、段差などガリー侵食の特徴を詳しく検討します。ガリー侵食は軟岩、植生希薄、常時流量無し(地下水面より上)などの条件下で発生します。

2-2 地形各部名称付与

地形と貝層・遺物との関係を考察説明するために、地形各部に名称(地名)を付与します。

2-3 貝層・遺物と地形との関係考察

地形の様子が明らかになったので、今後セクション図(貝層断面図)の検討をすすめ、貝層(地層)・遺物と地形との関係を考察します。この検討から考古学的に有用な情報が多数生まれると期待しています。

2-4 地形成因の検討

北斜面貝層がすっぽり収まる地形はガリー侵食地形であると考えていますが、その成因を検討します。一般論としてガリー侵食は均衡を破るキッカケにより、急速に発達すると考えます。そしてその地形を縄文人が完全に埋めたのですから、地形形成と縄文人活動ががっぷり噛み合った事象となっています。

2-5 貝層発達・利用史

ガリー侵食が盛んだった時期の崩落層から貝や土器が出土しているので、ガリー侵食発達プロセスと貝・遺物投棄活動(あるいは埋葬活動)の関連を時間軸で捉えることができそうです。貝層発達・利用史の情報を得ることができそうです。

3 3Dモデル作成に関する資料制約

この3Dモデル作成について、次のような資料制約があり、問題意識が生まれています。

斜面部(側壁部)や谷頭部では標高点情報が不足し、断面図由来の標高点だけから3Dモデルを作成しています。そのため3Dモデルの精度が落ちています。

また、厳密に観察すると目的が異なる3種情報(地山平面図の標高点、セクション図の地山断面、周辺地形等高線図)に齟齬がみられる所もあり、気になります。

これらの問題点を埋めるような活動を行う必要があるのか、どうか、活動全体の中での優先度を考えることにします。


2025年1月8日水曜日

QGISの仮想地形生成機能利用による貝塚地山地形3Dモデル作成

 Creating a 3D model of shell mound topography using QGIS's virtual terrain generation function


Using QGIS's virtual terrain generation function, a 3D model (part) of the topography of the shell bed on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound was created from a random point cloud with XYZ coordinates. The characteristics of the topography (basal surface topography) emerge.


QGISの仮想地形生成機能を利用して、XYZ座標付きランダム点群から有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデル(部分)を作成しました。地山地形(基底面地形)の特性が浮かび上がります。

1 地山地形のXYZ座標付けランダム点群

有吉北貝塚北斜面貝層の発掘原票(38年前原図、B3判サイズ)には地山平面図というジャンルがあり、14枚が格納されています。このうちNo.3152の大半のグリッド(15グリッド)の標高点を読み取りXYZ座標付けランダム点群を作成しました。


No.3152地山平面図から標高点を読みとった範囲

縦3グリッド(6m)×横5グリッド(10m)の範囲です。

有吉北貝塚北斜面貝層学習は数年前からBlenderを使って立体的に検討してきています。グリッド配置における座標原点設定はBlenderの中で自分独自のものです。

2 QGISにおけるXYZ座標付けランダム点群プロット

XYZ座標付けランダム点群をQGISにプロットして、QGISの仮想地形生成機能を利用して地山地形3Dモデルを作成します。

Blender座標とQGIS座標はXY座標が異なるので(※)変換します。

※ X軸とY軸が差し替え、QGISのY軸が反転。

QGISでは実単位では領域が狭すぎて仮想地形生成機能を利用できないので、XYZ座標を100倍にしました。


QGISにXYZ座標付けランダム点群をプロットした様子

実際の地理地形とは無関係に、QGISの仮想地形生成機能だけを利用していることをわざと表示するために、この画面では標準地図を表示しています。QGISのプロジェクト座標参照系(CRS)はEPSG6677(日本測地系2011平面直角座標系Ⅸ系)です。現実は6m×10mの範囲に散らばる標高点が、QGISでは600m×1000mの範囲に仮想的に散らばっています。

3 QGISによる仮想地形生成

QGISのGRASSプラグインのv.surf.rstツールを利用して地形3Dモデルを作成しました。2024.12.20から使えるようになったQGISバージョン3.40で作業しています。(バージョン3.38ではバクで作業できません。)


仮想地形生成結果(平面)


仮想地形生成結果(3D)


仮想地形生成範囲

4 メモ

4-1 QGISの仮想地形生成機能利用

QGISの仮想地形生成機能を利用して、北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成する技術が自分のなかで確立しました。

4-2 貝層形成と地山地形形成の関係

表示した地山地形3Dモデルには貝層が充填されています。北斜面貝層は崩壊性谷地形あるいはガリー侵食地形を充填する形で形成されています。今後詳しい検討を行いますが、次のような問題意識が生まれています。

・北斜面貝層地山地形(基底面地形)の凹凸が激しい。ポットホール状の凹地が多い。このような地形形成が通常の崩壊やガリー侵食でできて、その上に貝層が堆積したと考えることは困難であるように感じる。

・通常の崩壊やガリー侵食の後、つまり谷地形が出来上がってから、貝層形成が行われたと考えることは困難であるように感じられる。

・崩壊やガリー侵食と貝層形成(貝殻や土器片の投棄)が密接に関わっているのではないだろうか。

・貝殻や土器片の投棄が無垢の斜面に崩壊やガリー侵食を誘発した可能性検討を視野に入れる必要があるだろう。