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2025年1月14日火曜日

QGIS Pythonコンソールの使用

 Using the QGIS Python Console


Although a little late, I found out that QGIS has a Python console and can use Python scripts, so I tried using it. It seems that tasks that are difficult to do manually on the screen can be efficiently performed with Python scripts.


遅ればせながら、QGISにPythonコンソールがあり、Pythonスクリプトが使えることを知り、使ってみました。画面における手作業では難儀な作業を、Pythonスクリプトで効率的に実施できるようです。

1 Pythonスクリプト例(四角ポリゴン描画)

ChatGPT支援により作成した、プロジェクトCRSがEPSG6677で設定されているQGISで(-2000,0) (4000,0) (4000,-2000) (-2000,-2000)を頂点とする四角ポリゴンを描くPythonスクリプト。

from qgis.core import (
    QgsVectorLayer, QgsFeature, QgsGeometry, QgsPointXY, QgsProject, QgsField
)
from PyQt5.QtCore import QVariant

# プロジェクトCRSをEPSG:6677に設定(任意。既に設定されている場合は不要)
project = QgsProject.instance()
project.setCrs(QgsCoordinateReferenceSystem("EPSG:6677"))

# 空のポリゴンレイヤーを作成
layer_name = "Polygon Layer"
layer = QgsVectorLayer("Polygon?crs=EPSG:6677", layer_name, "memory")
layer_provider = layer.dataProvider()
layer_provider.addAttributes([QgsField("id", QVariant.Int)])
layer.updateFields()

# 四角形の座標を定義
coordinates = [
    (-2000, 0),
    (4000, 0),
    (4000, -2000),
    (-2000, -2000),
    (-2000, 0)  # ポリゴンを閉じるために始点を再度追加
]

# ポリゴンジオメトリを作成
points = [QgsPointXY(x, y) for x, y in coordinates]
polygon = QgsGeometry.fromPolygonXY([points])

# フィーチャを作成してポリゴンを設定
feature = QgsFeature()
feature.setGeometry(polygon)
feature.setAttributes([1])  # IDフィールドの値を1に設定
layer_provider.addFeature(feature)
layer.updateExtents()

# レイヤーをプロジェクトに追加
QgsProject.instance().addMapLayer(layer)

print(f"'{layer_name}' レイヤーが作成され、四角形ポリゴンが追加されました。")

2 QGISのPythonコンソール


QGISのPythonコンソール

Pythonコンソールはプラグイン→Pythonコンソールで開くことができます。

3 四角ポリゴン描画結果


四角ポリゴン描画結果

水色部分が四角ポリゴン描画結果です。描画後、確認のために半透明にしてあります。

4 感想

Pythonスクリプトを利用することにより、QGIS画面における手作業で単調な連続作業など難儀な作業を、Pythonスクリプトで効率的に実施できる可能性があることを確認しました。BlenderにおけるPythonコンソールとほぼ同じ感覚で使えそうです。

Pythonスクリプトの活用はこれまでBlender、Excel、Windows(explorer)、text、自作ツールでしたが、これにQGISが加わりました。


2025年1月8日水曜日

QGISの仮想地形生成機能利用による貝塚地山地形3Dモデル作成

 Creating a 3D model of shell mound topography using QGIS's virtual terrain generation function


Using QGIS's virtual terrain generation function, a 3D model (part) of the topography of the shell bed on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound was created from a random point cloud with XYZ coordinates. The characteristics of the topography (basal surface topography) emerge.


QGISの仮想地形生成機能を利用して、XYZ座標付きランダム点群から有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデル(部分)を作成しました。地山地形(基底面地形)の特性が浮かび上がります。

1 地山地形のXYZ座標付けランダム点群

有吉北貝塚北斜面貝層の発掘原票(38年前原図、B3判サイズ)には地山平面図というジャンルがあり、14枚が格納されています。このうちNo.3152の大半のグリッド(15グリッド)の標高点を読み取りXYZ座標付けランダム点群を作成しました。


No.3152地山平面図から標高点を読みとった範囲

縦3グリッド(6m)×横5グリッド(10m)の範囲です。

有吉北貝塚北斜面貝層学習は数年前からBlenderを使って立体的に検討してきています。グリッド配置における座標原点設定はBlenderの中で自分独自のものです。

2 QGISにおけるXYZ座標付けランダム点群プロット

XYZ座標付けランダム点群をQGISにプロットして、QGISの仮想地形生成機能を利用して地山地形3Dモデルを作成します。

Blender座標とQGIS座標はXY座標が異なるので(※)変換します。

※ X軸とY軸が差し替え、QGISのY軸が反転。

QGISでは実単位では領域が狭すぎて仮想地形生成機能を利用できないので、XYZ座標を100倍にしました。


QGISにXYZ座標付けランダム点群をプロットした様子

実際の地理地形とは無関係に、QGISの仮想地形生成機能だけを利用していることをわざと表示するために、この画面では標準地図を表示しています。QGISのプロジェクト座標参照系(CRS)はEPSG6677(日本測地系2011平面直角座標系Ⅸ系)です。現実は6m×10mの範囲に散らばる標高点が、QGISでは600m×1000mの範囲に仮想的に散らばっています。

3 QGISによる仮想地形生成

QGISのGRASSプラグインのv.surf.rstツールを利用して地形3Dモデルを作成しました。2024.12.20から使えるようになったQGISバージョン3.40で作業しています。(バージョン3.38ではバクで作業できません。)


仮想地形生成結果(平面)


仮想地形生成結果(3D)


仮想地形生成範囲

4 メモ

4-1 QGISの仮想地形生成機能利用

QGISの仮想地形生成機能を利用して、北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成する技術が自分のなかで確立しました。

4-2 貝層形成と地山地形形成の関係

表示した地山地形3Dモデルには貝層が充填されています。北斜面貝層は崩壊性谷地形あるいはガリー侵食地形を充填する形で形成されています。今後詳しい検討を行いますが、次のような問題意識が生まれています。

・北斜面貝層地山地形(基底面地形)の凹凸が激しい。ポットホール状の凹地が多い。このような地形形成が通常の崩壊やガリー侵食でできて、その上に貝層が堆積したと考えることは困難であるように感じる。

・通常の崩壊やガリー侵食の後、つまり谷地形が出来上がってから、貝層形成が行われたと考えることは困難であるように感じられる。

・崩壊やガリー侵食と貝層形成(貝殻や土器片の投棄)が密接に関わっているのではないだろうか。

・貝殻や土器片の投棄が無垢の斜面に崩壊やガリー侵食を誘発した可能性検討を視野に入れる必要があるだろう。


2024年1月14日日曜日

QGISによる外国行政区域色分け地図作成法

 How to create color-coded maps of foreign administrative areas using QGIS


I had the opportunity to use QGIS to create a color-coded administrative area map using the United States as an example, so I made a note of how to do it. It can be applied to create color-coded maps of administrative areas around the world.


QGISを使ってアメリカを例に行政区域色分け地図を作成する機会がありましたので、その方法をメモしました。世界各国の行政区域色分け地図作成に応用できます。

1 外国行政区域shpファイルの入手

世界行政界地図データベースGADMから世界各国の行政界地図を入手できます。ラスター地図(白地図のほか標高分布図など各種)、ベクター地図(Geopackage、Shapefile、R(sp)、R(sf)、kmz)がダウンロードでき、Shapefileには国全体地図、州境界地図、基礎自治体境界地図の3つのデータが内包されています。


世界行政界地図データベースGADM

2018.08.14記事「世界行政界地図データベースGADMを知る」参照

なお、日本の県境界地図もGADMからダウンロードできますが、残念ながら北方領土が描かれていません。

私はフリーGISアプリMandaraに日本緯度経度.mpfが付属していて、これをshapeファイルに書き出して使ったことがあります。

また次のサイトから北方領土が描かれた日本県境界地図(Shapefile)をダウンロードできます。

国連人道問題調整事務所OCHAサイト「Japan - Subnational Administrative Boundaries

ちなみに、OCHAサイトには人道上の危機に直面している各国の行政区域shpファイルが充実しています。

ところで、日本の行政からGIS用日本県境地図shapeファイルの提供はないようです。不可解です。2018.08.24記事「GIS用県別日本地図shapeファイルについて」参照

2 QGISに州境界地図shpファイルをレイヤ追加

QGISにアメリカ州境界地図shapeファイルをdrag&dropでレイヤ追加します。


アメリカ州境界地図(本土のみ表示、背景Googlemap)

3 属性テーブルを開いて、Excelにコピー

アメリカ州境界地図shapeファイルの属性テーブルを開いて、とりあえずテーブル全部をExcelにコピーします。


属性テーブル


属性テーブルをExcelにコピーした様子

4 州名リストを使って情報(数値やカテゴリー値)入力

属性テーブルの不用な欄は削除して、州名リスト欄を使って情報(数値やカテゴリー値)を入力します。この例では人口とその分級(カテゴリー値)を情報として入力しています。


情報を有力したExcelファイル

このExcelファイルをcsvファイルに出力します。

5 csvファイル所在フォルダーにcsvtファイルを作成

csvファイル所在フォルダーにcsvtファイルを作成します。


csvtファイルの意味

6 テーブル結合

csvファイルをQGISにdrag&dropします。

QGISで基レイヤ(アメリカ州境界地図shapeファイルレイヤ)のプロパティ→テーブル結合→+→開いた窓で結合したい情報csvファイルや結合基準の属性(基レイヤの州名欄)、ターゲット属性(結合したいファイルの州名欄)を入力して、OKクリックすればテーブルが結合します。

7 結合した情報のカテゴリー表示

基レイヤのプロパティ→シンボロジ→開いた窓でカテゴリ値による定義、値を設定して、分類→各カテゴリ値の色をそれぞれ好みにより変更することにより、カテゴリー値別色分け分布図を作成できます。


州別色分け図(本土のみ表示、人口大小を4段階表示)


2022年12月3日土曜日

BlenderとQGISを連携して使う分析

 Analysis using Blender and QGIS together


I decided to collaborate Blender and QGIS for 3D spatial analysis of the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound. Map the grid information database and its analysis results with QGIS. Project the analysis map into Blender3D space to observe and consider in 3D space.


有吉北貝塚北斜面貝層の3D空間分析をBlenderとQGISをコラボレーションさせて行うことにしました。グリッド情報データベースとその分析結果をQGISで地図化します。分析地図をBlender3D空間に投影して、3D空間で観察・考察します。

1 グリッド情報データベース

有吉北貝塚北斜面貝層のグリッド単位情報をデータベース化します。


有吉北貝塚・北斜面貝層のグリッド体系

これまで次の項目についてグリッド単位情報(出土数など)をExcelで作成しています。

●これまでに3D情報あるいはグリッド単位情報を作成した項目

・土器破片出土数(早期、前期、阿玉台式(第2~5群)、中峠式(第6群)、加曽利EⅠ式(第7・8群)、加曽利EⅡ式(第9群)、加曽利EⅡ式(第10・11群)、加曽利EⅢ式(第12群)

・散乱人骨

・アリソガイ・ハマグリ磨貝

・土器片錘

・ハマグリ貝刃

・石鏃

・装飾品(貝製品)

・装飾品(骨角歯牙製品)

・イノシシ顎骨

・磨製石斧

・打製石斧 など

これらのExcelファイルをFileMakerのリレーション機能を利用して効率的にデータベース化します。

2 グリッド情報データベースを使った分析

グリッド情報データベースをQGISと連動して作成します。データベースを使って、項目別分布観察や項目間関連分析(オーバレイ分析)あるいは多項目を使う多変量解析を行い、北斜面貝層の空間特性を浮き彫りにします。分析・解析にはRあるいはPythonを使います。分布状況や分析結果地図はQGISで表示します。


装飾品(骨角歯牙製品)分布図(QGIS表示)

3 分布状況や分析結果のBlender3D空間表示

QGISで地図化した分布状況や分析結果は、Blender3D空間の地形モデルへUV投影して、3D空間で土器分布、貝層分布、地形分布などと一緒に観察・考察します。


装飾品(骨角歯牙製品)分布図(2D分布図)の地形モデルへのUV投影(Blender3D空間)

4 感想

項目別分布や分析結果を平面図環境で考察するのではなく、Blender3D空間で考察することによって、考察がより空間事実に即したものになり、かつ総合化したものになり、その質が高まることを期待します。


2020年12月13日日曜日

有吉北貝塚遺構配置図のQGISプロット

 縄文社会消長分析学習 55

有吉北貝塚学習を深めるための分析インフラ整備として、開発前地形の復元3Dモデルを作成しようとしてます。復元地形3Dモデルを使って遺構や遺物分布を分析すれば学習がはかどり、新たな発見があるにちがいないと期待しています。

この記事では復元地形3Dモデルを作成するための大前提としての発掘調査報告書掲載遺構配置図をQGISにプロットした作業をメモしました。

1 発掘調査報告書掲載遺構配置図に含まれている誤謬とQGISへのプロット

有吉北貝塚発掘調査報告書に掲載されている遺構配置図には日本測地系の座標値が掲載されています。したがってこの座標値を現在使われている世界測地系に変換すれば遺構配置図はGISに正確にプロットできるはずです。

その操作作業をしたところ、経度方向に約40mのずれがあり、そのずれの理由がわかりません。日本測地系から世界測地系に変換する方法が間違っているのか、あるいは自分が気が付いていない変換因子があるのか、・・・。日本測地系から世界測地系に移行した様子の学習はwebで何回も行い、知識も増えましたが問題解決まで4日間朝から晩までQGISに取り掛かりました。

QGISには1960年代空中写真と1960年代千葉市都市図を背景地図として取り込み、よくよく吟味すると、経度方向のずれが正40mであり、緯度方向のずれがゼロであることに違いないと直感できるまでになりました。同時に遺構配置図の経度線の間隔が40mであることにも気が付きました。つまり発掘調査報告書掲載図経度座標値が40mづつ間違っているという測量作業者のケアレスミスであることに気が付きました。このケアレスミスを訂正してプロット(ジオリファレンス)すると遺構配置図は正確にQGISに収まりました。


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図1960年代空中写真


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図1960年代千葉市都市図


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図最新空中写真

2 今後の作業

遺構配置図を正確にQGISにプロットできましたので、次は1960年代千葉市都市図等高線を利用して5mメッシュ標高データを作成します。

3 時空間3Dモデルの作成

遺構配置図を貼り付けた復元地形3Dモデルと現状地形3Dモデルをオーバーレイして表示すれば、時空間3Dモデルとすることができます。将来その作成にチャレンジすることにします。時空間3Dモデルの発想は次のテレビ画面から得ました。

有吉北貝塚では保存区域があるので時空間3Dモデルがあれば現場で縄文時代往時を思い浮かべることが可能になります。


新型コロナ時空間3Dマップ TV画面

4 発掘調査報告書掲載遺構配置図の誤謬に関する感想

今回の作業で発掘調査報告書掲載測量図(遺構配置図)にケアレスミスがあり、それが訂正されていないことが明白になりました。このことからつぎの事情が判りました。

・遺構配置図の座標系数値は測量作業者にとってケアレスミスが発生する程度にぞんざいに扱われていること。

・座標系数値のケアレスミスは発注者(考古発掘専門家)によってチェックされていないこと。

・上記から座標系数値は発掘調査や報告書刊行後に利用されていないこと。

・つまり発掘調査情報をGIS(あるいは紙版地図)に正確にプロットして、他の情報と対照したり、関連をみたりという作業は全く想定されていないこと。

残念なことです。

なお、なぜこのような立ち入った感想を持つかというと、実は六通貝塚発掘調査報告書でも全く同じ誤謬に悩んだことがあるからです。その時は発掘調査報告書の誤謬とは考えないで、自分だけが未知の測地系移行に関する要因があるに違いないと考え、発掘調査報告書のミスとは断じなかったのですが。

2018.08.06記事「六通貝塚の学習開始

2020年5月6日水曜日

縄文早期当初から早期終末期までの海域拡大

縄文社会消長分析学習 13

縄文社会消長分析学習を進めるにあたって縄文早期の海域拡大が尋常ならざるものがあり、その実態を知り、問題意識を深めようとしています。
この記事では海域水深データを入手し、QGISにプロットするところまでできましたのでその結果をメモします。

1 海域水深データの入手
サイト NOAA NATIONAL CENTERS FOR ENVIRONMETAL INFOMATIONからETOTP1 ice Surface(氷の表面)、cell registrated(セルの真ん中)、georeferenced tiff形式でデータをダウンロードしました。

ETOPO1_Ice_g_geotiff.tif(445MB)

2 水深0m~-40m、水深-40m~-100mの抽出
ダウンロードファイルをQGISに取り込みプロパティ→シンボロジ→単バンド疑似カラーで分類を操作して水深0m~-40mを緑色、水深-40m~-100mを紫色に設定ました。

水深0m~-40m、水深-40m~-100mの抽出図(世界)


水深0m~-40m、水深-40m~-100mの抽出図(日本周辺)

3 縄文早期当初と前期前葉当初の海・陸分布イメージ
後期旧石器時代の氷期クライマックス期には海水面高度は-100mあるいはそれ以上であったと考えられています。その後海水面は上昇し、縄文早期当初の海水面高度は-40m程度であるといわれています。その後海水面高度は急激に上昇し、縄文早期終末=前期前葉当初には+2.5m~3m程度であったといわれています。その当時の海面は関東平野の奥まで侵入しています。その侵入の様子は現在の標高8m等高線で近似的に把握することができます。(2014.04.08記事「縄文海進クライマックス期の海陸分布」参照)
これらの情報を関東地方についてGoogle earth をベースとした地図に表現してみました。

Google earth をベースとした基礎図

この基礎図をまとめて清書すると次のようになります。

縄文早期当初と前期前葉当初の海・陸分布イメージ
縄文早期の期間は房総付近では陸地が半減した時期にあたります。気候が温暖化して植生等が変化したというだけでなく、生活空間そのものが半減しています。この陸域半減という事象は草食動物にとっては半分しか生き残れないという意味を持つと考えられます。一方人にとってはどうでしょうか?おそらく生活の方法や社会の仕組みを工夫して社会は継続しておそらく発展したに違いありません。獣の替わりに別の食べ物を探したに違いありません。
房総や東京湾沿岸の縄文人が生活空間半減という一種の試練を受けていたころ、内陸の縄文人はそのような影響を受けていません。ここに縄文社会の地域特性が顕著に表れる素地があるのではないだろうかと推測します。
縄文社会消長分析学習の大きなテーマが見つかりそうな感じになってきました。

4 感想
・海底地形データの極粗い情報ですが、QGISで操作できるようになりました。
・現在水面下にある-100mまでの海底は、海岸浸食の結果と堆積物に覆われて平坦になっています。しかし海水面が上昇していたころの地形は浸食がすすむ台地であったと考えられます。その広大な台地地形を「なかったことにして考えない」、「考えるのは現在の陸地だけ」というスタンスは決して許されません。
・今後より精細な海底地形情報を入手し、検討をより精細にしていくことにします。

2019年8月2日金曜日

千葉県地形3Dモデル作成

QGISで地形3Dモデル書き出しが出来ることを知り、あっけなくそれが出来たため1~2日間その意義について気が付くことができませんでした。
(地形3Dモデルの作成は地理院3Dモデルの活用やBlenderの活用などに血道をあげて取り組んでいて、なぜかことごとく成果があがらず、頭がそちらに凝り固まっていました。)
しかし、地形3Dモデル作成実現が2011年の趣味活動開始以来追い求めてきたたっての夢の実現であることにハタと気が付きました。
QGISで地形3Dモデル書き出しができることは自分にとっては巨大な意義があるスキルです。夢が実現していたことに気が付きました。
(趣味活動開始当初の花見川河川争奪等の検討における地形表現に苦労したことが思い出されます。)
過去の興味はさておいて、縄文学習で千葉県と周辺の地形がどうなっているのか3Dモデルで確認できることは大変すばらしいことです。
そこで、この記事では千葉県地形観察のための3Dモデルを3点作成してみました。
地形データはJAXA提供30mメッシュで、表示は国土地理院色別標高図と2007年空中写真を乗算表示したものです。
モデルは垂直強調度10倍、30倍、50倍の3点を作成しました。

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×10

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×10

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×30

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×30

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×50

千葉県地形3Dモデル 垂直強調度×50

感想
1 垂直強調度
この付近の地形に関する問題意識の所在によってどの垂直強調度が適切であるか変化することは当然です。
台地地形の特徴を見るためには、自分は垂直強調度50倍のものが判りやすく感じます。山地付近はあまりに誇張されますが、台地や丘陵は模式的になり判りやすく感じます。

2 東京・神奈川と千葉の台地・丘陵対比
武蔵野台地・多摩丘陵・相模原台地と下総台地の面積や地形起伏の大ざっぱな対比をこの3Dモデルではじめて体験したような感覚を持ちました。
武蔵野台地・多摩丘陵・相模原台地・下総台地の地図(地形がでている地図)はほとんどがそれぞれだけで描いてあります。この3Dモデルのように全部を一括して眺める機会はほとんどありません。
想像したよりも武蔵野台地・多摩丘陵・相模原台地の面積が(下総台地と対比して)狭く感じます。これまで自分の中で過大評価(?)してきたのか。

3 5mメッシュの利用
この3Dモデルは30mメッシュですが、既に5mメッシュを所持しています。5mメッシュで空間を限定すれば極めて精細な地形3Dモデルを作成することができます。期待が高まります。
土気付近の村田川、鹿島川、九十九里の3流域が交わる場所は旧石器時代から縄文時代まで有名な狩猟場所です。遺跡が集中しています。このような場所について地形3Dモデルを作成して遺跡について考察すれば獲得できる有用情報は大きいものがあると思います。

4 地形情報を作成して地形つくることも可能
海面下の地形情報を作成すれば海面低下時代の地形を自分で表現できる可能性があることに気が付きました。
同じように開発で削平されて失われた台地地形を古地図等から地形情報を作り直し、3Dモデルとして復元できる可能性にも気が付きました。

2019年5月14日火曜日

阿玉台式土器の千葉県域分布

縄文土器学習 122

阿玉台式土器の千葉県域分布を参考までに見てみました。

1 阿玉台式土器出土遺跡の分布

阿玉台式土器出土遺跡
私家版千葉県遺跡データベースで「阿玉台」は527レコード(遺跡)がヒットします。
この分布図から密度を見やすくするためにQGISの内挿機能(カーネル密度推定)を使ってヒートマップを作成しました。

阿玉台式土器出土遺跡ヒートマップ
色が濃いほど遺跡密度が高くなるように表現しています。
市川付近と千葉付近に高遺跡密度域が分布しますが、千葉付近の方がより遺跡密集程度が高く観察できます。

2 参考 勝坂式土器出土遺跡の分布
阿玉台式土器と勝坂式土器は共伴出土する場合が多いので、参考までに勝坂式土器出土遺跡の分布図を作成してみました。

勝坂式土器出土遺跡
私家版千葉県遺跡データベースでは「勝坂」は132レコード(遺跡)がヒットします。
ヒートマップは次のようになります。

勝坂式土器出土遺跡ヒートマップ
市川付近に色の濃い場所があります。分布は千葉県域全体に広がりますが、分布の中心はあくまでも奥東京湾岸沿いにあるといえます。
奥東京湾岸沿いでは阿玉台式土器圏内に勝坂式土器影響圏が重なりますが、千葉付近は阿玉台式土器圏主部であり、そこに影響する勝坂式土器の影響は微弱であると捉えることができます。

2018年12月4日火曜日

貝塚情報のQGIS画面における検索

貝塚を例とした千葉県遺跡DB活用方策の検討 11 貝塚情報のQGIS画面における検索 (シリーズ終回)

遺跡DBをそのままQGISにとりこみ、QGIS画面で検索と空間表示・分析ができますので便利です。
次の地図は貝塚755レコードをQGISにとりこみ表示したものです。

貝塚755レコードの表示
このレコードをQGISフィルター機能を利用して都川流域分だけを抽出したものが次の地図です。

QGIS 都川流域分だけを抽出する操作画面

貝塚 都川流域分の抽出結果
都川流域分だけの情報をファイル出力して再利用したり、Google earth proで利用することもできます。
この抽出結果の属性テーブルを表示し、操作することができます。

貝塚都川流域分の属性テーブル(部分)
この属性テーブルを検索・ソート等をしてさらにレコードを絞ることができます。例として所在地が千葉市緑区のレコードだけを選択してファイル出力して表示してみました。

貝塚都川流域-千葉市緑区のレコード
遺跡データベースを全部そのままQGISに読み込めば、空間表示や空間分析は素のDBに立ち戻ることなく、QGIS機能ですべて可能です。

2018年12月2日日曜日

貝塚情報の地図表示

貝塚を例とした千葉県遺跡DB活用方策の検討 10 貝塚情報の地図表示

遺跡DBの情報項目はQGISのラベル機能を使って全て地図上に表示できますのでメモしておきます。QGISラベル変更の操作は当該ファイルのプロパティ→ラベル→ラベルの手間で出来ます。個々の遺跡全情報項目をポップアップで示すよりも、全遺跡の特定情報項目を画面表示する方が学習実務上はより実用的です。

村田川河口付近貝塚の「遺跡名」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「時代」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「種別」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「立地」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「遺構・遺物概要」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「備考」(QGISラベル)

村田川河口付近貝塚の「水系」(QGISラベル)

2018年7月30日月曜日

千葉県全遺跡19600のQGISプロット

私家版暫定版GIS連動千葉県遺跡データベースの現時点全データ19600を実際にQGISにプロットしてみました。

千葉県全遺跡19600のQGISプロット
ドットを小さくしても下地の地図を埋め尽くすところが多く迫力ある地図になります。

千葉県全遺跡19600のQGISプロット 拡大図
この分布図をふさの国文化財ナビゲーションで公開されている項目だけでも種別(包蔵地、貝塚、古墳…)、詳細な時代区分、立地(地形)、遺構・遺物等がありますからそれら項目間相互の分析だけでも大変興味のある結果が出ると思います。
さらに自分の縄文時代問題意識を投影して分析すればきわめて分析しがいのある学習ができると期待できます。
もう少しの作業でデータベースが学習ツールとして活用できるレベルに到達しそうです。

……………………………………………………………………
以前整備した位置情報の座標形式が「区切りなし(分、秒の整数部は2桁)」というものでQGISではつかえないため地図太郎PLUSを使って度単位にコンバートしました。そのコンバート作業の中で次のような正しいコンバート結果と45度直線を境にして対称となる不思議なプロットに出くわしました。地図太郎PLUSのバグのようです。

ソフトのバグに起因すると思われる45度直線を境にして対称となるプロット


2018年5月30日水曜日

土坑学習をふりかえる

「大膳野南貝塚後期集落 土坑の再検討」と題してその1を2018.03.02記事「土坑の再検討 予察」として書き、最終その50を2018.05.29記事「植物・灰の送り場土坑、トイレ、柱穴」として書きました。思いがけない長期連載となりましたが、その背景に学習技術の飛躍があります。その技術飛躍により手ごたえのあるデータ分析ができるようになり、その結果学習を大幅に深めることができました。いくら検討しても興味が深まり限界がありません。
このような状況の中で縄文集落の現場状況が自分なりに詳しく感得できるようになりました。しかし、縄文時代の現場状況のイメージが湧きつつあるにも関わらず、自分に生じた根本的な疑問(集落消長の理由、漆喰貝層有無の意義など)が根本的に晴れることが無かったことも現実です。逆に疑問は深まったといっても過言ではありません。
この記事ではこのような状況をふりかえってみます。

1 学習技術の飛躍
1-1 2月までの土坑学習のデータ

2月までの土坑学習のデータ 発掘調査報告書掲載表の一部
2月までの土坑学習は発掘調査報告書に掲載されている土坑一覧表を電子化してExcelで統計分析したり、QGISにプロットして分布図を作成したりしました。
しかし、以下の理由から土坑平面図・断面図や覆土の状況、出土物がわからないため、上記データの分析は強い不全完を伴うものとなりました。

発掘調査報告書における土坑記載は全土坑の記述(テキスト)のページ、全土坑の層位記述のページ、全土坑の平面・断面図のページ、全土坑の出土物(土器)のページ、全土坑の出土物(石器)のページ、全土坑の出土物(骨角器)のページ、全土坑の出土物(貝製品)のページに分かれています。つまり1つの土坑の全記述を知るためには7つのセクションを読まなければならないのです。7つのページを探して読みそこからその土坑のイメージを知ることは苦痛を伴います。複数の土坑の比較をすることは事実上できません。
このようにデータは掲載されているけれど、そのままでは解読を事実上拒否するような編集であったため、2月までの土坑学習は統計分析やQGIS分析をしたにも関わらず充実感の少ない学習となりました。

1-2 3月から始めたデータ整備
発掘調査報告書には未整理ですが貴重なデータはあるので、それを土坑別に切り取り、データベースを作成しました。

電子的に土坑別に切り取った記述

電子的に土坑別に切り取った層位記述

電子的に土坑別に切り取った平面・断面図

電子的に土坑別に切り取った出土物

電子的に切り取った土坑別情報から作成した電子データベース(File Maker)
この土坑データベース作成により土坑学習が抜本的に改善できました。どのような視点からでも瞬時に検索でき、その結果を必要な部分だけExcelに出力できます。2月までの不全完は解消されました。なおデータベースには検索に必要な項目(例 人骨出土の有無等)、自分が検討した結果(各種分類、推定結果、メモ)や位置情報などの項目も随時追加しています。

1-3 土坑平面図・断面図を素材としたkj法分析
土坑平面図・断面図を素材にして土坑分類のためのkj法分析を行いました。(利用ソフトIllustrator)

kj法分析の様子
kj法分析を行うことにより全土坑の平面図・断面図を詳しく何回も眺め、相互に比較し、必要に応じて位置や出土物などの情報も知り、おのずとあるべき分類が可能となりました。土坑の機能(土坑が作られた目的)についてある程度の想定ができたので、それが学習を進める上での推進力の一つになりました。

kj法分析が可能になった背景には、物理的に平面図・断面図が出来たことと、知識背景的にデータベースが存在していて土坑の記述や出土物などが即わかる体制があったことによるものです。

1-4 QGIS分析技術の飛躍
3月になりQGIS分析技術を自分レベルでは飛躍させました。具体的にはデータベースで検索した結果をそのまま分布図にできるようになりました。レイヤのフィルターに演算の式を書き込む方法を活用できるようになったのです。

検索した結果を表示して他の情報と一緒に出力したQGIS画面例

2 感想
2-1 土坑学習の意義は大きい
大膳野南貝塚後期集落の土坑情報は発掘調査報告書を単純に利用する人は事実上立ち入って利用できません。しかし自分の場合はデータベースを作成して情報を利用したので、私の学習は数少ない(あるいは他に例がない)土坑情報利用例となります。我田引水になりますが、発掘調査報告書から土坑情報をはじめて汲みだしたという点での意義は大きいと思います。

2-2 専門的知識不足を実感
データ分析技術を飛躍させたため、発掘調査報告書から縄文社会具体状況を抽出できるようになりました。しかし抽出した縄文社会具体状況を解釈していく上で、専門的知識不足を実感します。いままで具体的縄文データを知りもしないのに高度な専門知識を知ってもあまり意味がないと考えていましたが、そろそろ高度な専門知識が必要になる状況が生まれているのかもしれません。

2-3 竪穴住居のデータベース化が必要
土坑学習は発掘調査報告書では事実上できなのでしかたなくデータベース化し、その結果予期せぬ形で学習を深めることができました。
一方竪穴住居は遺構別に情報が整理されているのでFile Makerを使ったデータベースは作っていません。しかし土坑データベースから生れる新たな情報やアイディア・ヒントの多さを考慮すると、竪穴住居データベースも作成することが大切であると考えます。
今後の学習活動において竪穴住居データベース作成の労力と得られる利点を天秤で図りながらデータベース作成について決めたいと思います。